“たよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
便43.3%
35.9%
手頼14.6%
1.2%
0.9%
手寄0.9%
頼寄0.9%
依頼0.6%
手依0.6%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
来て一週間すると子供が死んだと云う便たよりがあった。相生さんは内地を去る時、すでにこの悲報を手にする覚悟をしていたのだそうだ。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがてほかの連中も、そんな私の後から一塊ひとかたまりになって、一の懐中電気をたよりにしながら、きゃっきゃっと言って降りて来た。……
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
つまり私は手箱の中の羊皮紙に書いてある文字を手頼たよりに雌雄二つの水晶の球を探し当てようそのために世界の旅へ上ったのである。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『あれは竜神様りゅうじんさまのおみやじゃ。これからはわしにばかりたよらず、直接じか竜神様りゅうじんさまにもおたのみするがよい……。』
すっかり聞き終ってから、みつ枝はやさしくうなずき、弟をいたわるように微笑した、「そしてその方とは、その後もずっとおたよりを交わしていらっしゃいますの」
百足ちがい (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
了休禅坊とは在俗中も出家後も懇意に致居りましたを手寄たよりに、御尋致しましたるところ、御隔意無く種々御話し下され、失礼ながら御気象も御思召おぼしめしも了休御噂の如く珍しき御器量に拝し上げ
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
北海道に行けば、安楽な生活が待っているのだとせがれは言った。頼寄たよりとする息子とも一緒に暮らすことが出来るのだ。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
それとも己れに依頼たよつてみるか。了簡聞かふ
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
日本に学ばれる外国語の中では、英吉利イギリス語程範囲の広いものはない。だから日本の文士たちも、大抵たいていは英吉利語に手依たよつてゐる。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
自分はいまだにたより一つよこさないという呑気のんきな話、とうてい末始終手頼たよりになるような男ではございません。
災難の濫觴らんしょうとも、起源ともいうべきその宿とは、先年、鰯をとるといって沖へ出たまま、一向たよりをよこさぬという七歳をかしらに八人の子供を持つ、呑気のんきな漁師の妻君のうちの二階の一室で
「病人などたよりにすな」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と言いは言ったが、腹では本当にたよりない心持がして来た。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)