たよ)” の例文
それにしても余りたよりがないし、こんど千住市場せんじゅいちばへ荷の契約があって出て来たのを幸い、それを済ませて此処ここを訪ねたのである。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
すっかり聞き終ってから、みつ枝はやさしくうなずき、弟をいたわるように微笑した、「そしてその方とは、その後もずっとおたよりを交わしていらっしゃいますの」
百足ちがい (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
さわは国吉からたよりがあろうとは考えなかった。彼には読み書きができなかったし、江戸へいってから書けるようになったとしても、手紙はきっと家人にみつかるだろう。
榎物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)