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たのみ
ふりがな文庫
“
依頼
(
たのみ
)” の例文
男は少しく眉を
顰
(
ひそ
)
めて、お杉の死顔を
凝
(
じっ
)
と眺めていた。市郎は念の為に脈を取って見たが、これも手当を施すべき
依頼
(
たのみ
)
は切れていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「さて葉之助、また
依頼
(
たのみ
)
だ。そちも承知の辻斬り騒ぎ、とんと
曲者
(
くせもの
)
の目星がつかぬ。ついてはその方市中を見廻り、是非とも曲者を捕えるよう」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
勝五郎は友達が笑いものになるまでに熱心になって、何うか晋齋の
依頼
(
たのみ
)
を果そうと心懸けて居りまする。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
けれど
平素
(
いつも
)
利益
(
ため
)
になつてる大洞さんのお
依頼
(
たのみ
)
と云ひ、其れにお前も知つての通りの、此の
歳暮
(
くれ
)
の苦しさだからこそ、カウやつて
養女
(
わがこ
)
の前へ頭を下げるんぢやないか
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「すこしお
依頼
(
たのみ
)
がある。
肯
(
き
)
いてくれないか。」お秀は虫の
音
(
ね
)
「どういたしまして。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
行くと
極
(
き
)
めたに就ては、三四郎に
依頼
(
たのみ
)
があると云ひ出した。万一病気の為めの電報とすると、今夜は帰れない。すると留守が下女
一人
(
ひとり
)
になる。下女が非常に臆病で、近所が殊の外物騒である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お柳からの密かの
依頼
(
たのみ
)
で、それとなく松原家を動かし、
媒介者
(
なかうど
)
を同伴して来るまでに運んだのであるが、来て見るとお柳の態度は思ひの外、対手の松原中尉の不品行(志郎から聞いた)を楯に
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と、
小声
(
こごえ
)
で
切
(
せつ
)
に
頼
(
たの
)
んだのでありました。すずめはさながらこの
依頼
(
たのみ
)
を
聞
(
き
)
き
分
(
わ
)
けたように、やがて
小声
(
こごえ
)
にないて、いずこへか
飛
(
と
)
び
去
(
さ
)
ってしまいました。するとほどなく
先生
(
せんせい
)
がこの
教場
(
きょうじょう
)
に
入
(
はい
)
ってきました。
残された日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
とても
適
(
かな
)
わない恋だからの——もっとも俺の
依頼
(
たのみ
)
を聞いて、俺の云う通りにしてくれたら、そこは百人
長
(
おさ
)
の紋十郎だ、何んとかお前の味方になって
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一旦は
勝誇
(
かちほこ
)
った市郎も
漸次
(
だんだん
)
に心細くなって来た。この上は
依頼
(
たのみ
)
にもならぬ
救援
(
すくい
)
の手を待ってはいられぬ、自分一人の力で
此
(
こ
)
の危険の地を脱出するより他はない。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「いやその
手腕
(
うでまえ
)
を見込んで、ちっと
依頼
(
たのみ
)
があるのだ。」
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「しかしどうもそれにしても変な絵巻を頼まれたものじゃ。まるでこれでは判じ絵だからの。……よしよし他ならぬお前の
依頼
(
たのみ
)
じゃ。大いに腕を
揮
(
ふる
)
うとしようぞ」
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
母に別れ、
棲家
(
すみか
)
を失った今の重太郎に取って、唯一の
依頼
(
たのみ
)
というのは
彼
(
か
)
の
尊
(
とうと
)
き宝であった。それを手に入れたいばかりで、彼は厳重なる警官の眼を
潜
(
くぐ
)
りつつ、
今日
(
きょう
)
まで
此
(
こ
)
の
辺
(
あたり
)
を
漂泊
(
さまよ
)
っていたのである。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あのナンノが
依頼
(
たのみ
)
なれば、秀は嬉しき思入れ
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
依頼
(
たのみ
)
というは他でもない。お前はそういう人間だから——平ったく云やあ
白痴
(
おめでた
)
いから皆の者が油断してどんな所へはいって行こうと叱る者もなけりゃ怪しむ者もない。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
氏長者
(
うじのちょうじゃ
)
の
依頼
(
たのみ
)
であろうとポンポン断る信輔が、こう早速に引き受けたのはハテ面妖というべきであるが、そこには蓋もあれば底もあり、実は信輔この吉備彦に借金をしているのであった。
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
……お前から
依頼
(
たのみ
)
を受けたので、その足で直ぐに伏見へ行って、城中へ忍んだというものさ。秀吉め天下に敵がないというので、安心しきっているのだろう。城のかためなんか隙だらけだった。
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「云うな云うな、出来ておればよい。……松本々々
依頼
(
たのみ
)
がある」
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“依頼”の意味
《名詞》
依 頼(いらい)
人に物事を頼むこと。
(出典:Wiktionary)
“依頼”の解説
依頼
(出典:Wikipedia)
依
常用漢字
中学
部首:⼈
8画
頼
常用漢字
中学
部首:⾴
16画
“依頼”で始まる語句
依頼心
依頼状