たの)” の例文
旧字:
一度出してみると引込んでいることが出来なくなり、それから先きは友達のたのみに応じていつも小説のような文章を書き、積り積って十余篇に及んだ。
「吶喊」原序 (新字新仮名) / 魯迅(著)
私が日本に帰った時(正岡はもう死んで居た)編輯者へんしゅうしゃの虚子から何か書いてれないかとたのまれたので、始めて『吾輩は猫である』というのを書いた。
処女作追懐談 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一日いて、主税が自分たのまれのさる学校の授業を済まして帰って来ると、門口にのそりと立って、あごを撫でながら、じろじろ門札をながめていたのが、坂田礼之進。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其の田島に対するを見よ、其幼児に対するを見よ、其幸助に嫁して後に、正助のたのみに応じて富四郎を難なく説き伏せたる後、又た正助にも股を喰はせし粋気を見よ。
ブ/想フ公ノ遺集たのムヲ労セズ/已ニ見ル半バ彫リテ梨棗新タナリ〕この詩によってわたくしは
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
父親の縁故から知っている或たたき大工のあることを想出して、そこへかけつけていった彼女は、仕事を拡張する意味で普請をたのんだところで、彼は呑込顔にそう言って引受けた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
渠はこの介抱をあるじおうなたのみて、その身は息をもかず再び羸馬るいばむちうちて、もと来しみちを急ぎけり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)