粋を論じて「伽羅枕」に及ぶすいをろんじて「きゃらまくら」におよぶ
心して我文学史を読む者、必らず徳川氏文学中に粋なる者の勢力おろそかならざりしを見む。巣林子以前に多く此語を見ず、其尤も盛なるは八文字屋以後にありと云ふべし。彼の所謂洒落本こんにやく本及び草紙類の作家が惟一の理想とし、武道の士の八幡摩利支天に …