たの)” の例文
旧字:
また、小川おがわれていって、ボンをみずなかれてあらってやったりして、ボンをよろこばせるのをもたのしみの一つとしているのです。
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
らねえでどうするもんか。しげさん、おめえのあかしの仕事しごとは、ぜにのたまるかせぎじゃなくッて、色気いろけのたまるたのしみじゃねえか」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
天晴あつぱ一芸いちげいのあるかひに、わざもつつまあがなへ! 魔神まじんなぐさたのしますものゝ、美女びじよへてしかるべきなら立処たちどころかへさする。——
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私はいつものようにたのに「ええこんなに、そう、何千株と躑躅つつじの植っているおやしきのようなところです」と、私は両手をひろげて
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
あなたが竜宮りゅうぐうへおでなさることは、かねてからお通信たよりがありましたので、こちらでもそれをたのしみにたいへんおちしていました。
「でもわたしはあなたをてんかえしたくないのです。それよりもわたしのところへおいでなさい。いっしょにたのしくらしましょう。」
白い鳥 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
大きなみやこにでて、世間せけんの人をびっくりさせるのもたのしみです。それでさっそく支度したくをしまして、だいぶとおみやこへでてゆきました。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
さうなると、普通の酒家以上に、能く弁する上に、時としては比較的真面目まじめな問題を持ち出して、相手と議論を上下してたのに見える。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「いや、だからさ。ぼくはやつぱりあたるものとしんじるな。しんじるだけでも、今の僕達ぼくたちにはたのしいんだからね。ははははは……」
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
みんなは、ゴットランド島で、月曜日の午後をたのしくのどかにすごしました。いまは陽気ようきもすっかり春らしく、あたたかくなっていました。
うたうと、マリちゃんもたちまち、かるい、たのしい気分きぶんになり、あかくつ穿いて、おどりながら、うちなか跳込とびこんでました。
野原を行ったり来たりひとりごとをったり、わらったりさまざまのたのしいことを考えているうちに、もうお日様ひさまくだけたかがみのようにかばの木のこうにちましたので
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
かれまえのように八きて、ちゃのちすぐ書物しょもつたのしんでんでいたが、このごろあたらしい書物しょもつえぬので、古本ふるほんばかりんでいるせいか、以前程いぜんほどには興味きょうみかんぜぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
その先生は凧屋たこやに凧をらせて、自分でそれに絵をかいてやるのをたのしみにしている人でした。だから、おやじさんのいうことをすぐに聞いて、自分の弟子でしにしました。
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
そのためにかえっていま自分じぶんとりかこんでいる幸福こうふくひとばいたのしむこと出来できるからです。御覧ごらんなさい。
おかげで、いそがしくはあっても、みんなでたいへんたのしいお正月をすごすことができました。みなさんも一ど読みはじめたら、早く先が読みたくてたまらないでしょう。
この四五ぐわつふものは、わたしつてはたゞゆめのやうで、たのしいとへばたのしいが、さりとて、わたし想像さうざうしてゐたほどまたひとふほど、これわたしの一しやうもつと幸福かうふく時期じきだともおもはぬ。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
人形にんぎょうせる着物きもの襦袢じゅばんだとって大騒おおさわぎしたころ袖子そでこは、いくつそのためにちいさな着物きものつくり、いくつちいさな頭巾ずきんなぞをつくって、それをおさなたのしみとしてきたかれない。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
母はいろいろなおはなしをして、ぼくたのしませてくれたが、自分じぶんではなんにも考えせないと思っていたものだから、僕の持っていた絵本えほん土台どだいにしておはなしをしてくれたものだ。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
かれは、自分よりも長い生命いのちがあるにちがいないと感じたまご作品さくひんの中に、自分のまずい一節ひとふしをはさみ込むという、きわめてつみのないたのしみを、おさえることができなかったのである。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
わたしはこうして寝ころんでいるのがきでした。だって、寝ている人にかまうものはないし、そのあいだに、いろいろなことを頭にかべてたのしんだり、考えごともできるからです。
車を下りて、車夫くるまやに母を負うてもらい、白雲橋を渡って、神護寺内じんごじないの見晴らしに上った。紅葉もみじはまだ五六分と云う処である。かけ茶屋の一にあがって、姉が心尽しの弁当をたのしく開いた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そして、ふたりの慰藉いしゃにはげまされて、これからは、まだ四ツのときに、伊勢いせもうでの道中どうちゅうではぐれたきりのすえの子をさがしだすのをたのしみにします——とちかうように首をさげていいのこした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この世にしたのしくあらば来む世には虫に鳥にも我はなりなむ (旅人)
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
時々ときどき老人ろうじんが、縁側えんがわ一人ひとりきりで、たのしそうにチビチビとやつているのをていましたから、ぼたんのはちつてつたとき、わざと半分はんぶんみかけのやつを、とくべつにあじがいいのだからといつて
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
きりぎりすがたのしい景色けしきの中で笑う
笑いの歌 (新字新仮名) / ウィリアム・ブレイク(著)
そのうたはなんのうたであるからなかったけれど、きいているとたのしくうきたつうちにも、どこかかなしいところがこもっていました。
灰色の姉と桃色の妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
甚兵衛じんべえは、もうだれたのんでも人形を使いませんでした。そして山からときどきあそびにくるさる相手あいてに、たのしく一しょうおくりましたそうです。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
さしてりとめのない事柄ことがらでも、うしてしたしくかたってりますと、私達わたくしたちあいだにはうにわれぬたのしさがこみげてるのでした。
そして摂津国せっつのくに難波なにわから、おとうさんやおかあさんをせて、うちじゅうがみんなあつまって、たのしくの中をおくりました。
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それで、ガンのむれがたのしそうに、のびのびと空を飛んできたとき、みんなは手をやすめて、ガンのむれをながめました。
そのまましばらくことば途切とぎれた。青木さんもおくさんも明るい、たのしげな表情へうじやうで、身動みうごきもせずにかんがへこんでゐた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
住居すまゐ其処等そこら散歩さんぽをする、……ほこらいへにはおうら留主るすをして、がために燈火ともしびのもとで針仕事はりしごとでもるやうな、つひしたたのしい心地こゝちがする。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
多分たぶん彼等かれらつてはたのしい一であるべきはずだつたのであらうがおしのやうにだまりこくつた我々われ/\にが表情へうぜう無愛相ぶあいそう態度たいどとが、如何いか彼等かれら失望しつぼうさせたかは、想像そうぞうあまりあるものであつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
たのしみここにあり
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夕飯ゆうはんのあとは、お祖父じいさん、お祖母ばあさん、少年しょうねんの三にんが、いろりのはたでえだ松葉まつばをたき、毎晩まいばんのようにたのしくおはなしをしました。
おかまの唄 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのうちおさけますと、みんなおたがいに土器かわらけのおさかずきをうけたり、さしたり、まるで人間にんげんのするとおりの、たのしそうなお酒盛さかもりがはじまりました。
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ニールスは、きのうのたびのために、からだじゅうがいたくてたまりませんでした。ですから、じっとているのが、なによりもたのしく思われました。
せいがあればこそあんなにもせいたのしみ、あんなにもうつくしい姿態すがたつくりて、かぎりなく子孫しそんつたえてくのじゃ。
「しかし、いいな。しすべてがそんなふうつたら、ほんとにどんなにたのしい、どんなにうつくしい生活せいくわつだかれないな。——一日でもいいから、たつた二日でもいいから……」
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
いまではそんなたのしい、うつくしい、花園はなぞのがないかはり、まへ橋銭はしせん受取うけとざるいてある、このちいさなまどからふうがはりないぬしゝだの、奇躰きたいきのこだの、不思議ふしぎさるだの、まだ其他そのたひとかほをしたとりだの
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なつのはじめの時分じぶんには、どんなに、自分じぶんたちはたのしかったろう。このあたりは、自分じぶんたちのほがらかにうたうたこえでいっぱいであった。
雪くる前の高原の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
からすはどんなうつくしいいろまったろうと、たのしみにしながら、いそいでかがみまえへ行ってますと、まあ、おどろきました、あたまからしっぽのさきまで黒々くろぐろ
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
いたずらをして、しかられても、すぐかなしみをわすれて、なにをてもたのしく、うつくしく、だれかれ差別さべつなくなつかしかったのであった。
子供は悲しみを知らず (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとうさんはそれから、はちかつぎのところられて、おおぜいのまごたちを相手あいてに、たのしくらすようになりました。
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ここは、まちちかくにあった、はらっぱです。子供こどもたちが、なつ午後ごごたのしくボールをげたり相撲すもうをとったりしてあそんでいました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
こういって為朝ためともはさっそくいまたのしい身分みぶんをぽんとてて、まえくだってとき同様どうよう家来けらいれずたった一人ひとりでひょっこりみやこかえって行こうとしました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
はるかぜは、青々あおあおれたそらわたっていました。そして木々きぎ小枝こえだは、かぜかれて、なにかたのしそうに小唄こうたをうたっていたのです。
さまざまな生い立ち (新字新仮名) / 小川未明(著)
うん、なかなかおもいのでほねれたよ。だがこれですぐべては、たのしみがなくなっておもしろくないなあ。
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「これから、わたしたちが、たのしくあそんで、人間にんげんをうらやましがらせてやるのだ。」と、ほしたちが、はなしているようにおもわれたのです。
街の幸福 (新字新仮名) / 小川未明(著)