依頼たの)” の例文
そのかは小六ころくさん、はゞかさま座敷ざしきてて、洋燈ランプけて頂戴ちやうだいいまわたしきよはなせないところだから」と依頼たのんだ。小六ころく簡單かんたん
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
我れ神をおそるる事に依頼たのみ、我れ神の道を守る事にのぞみを置く、わが敬虔わが徳行これわが依頼む処わが望のかかる所なりと。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
彼は以前依頼たのまれて二三度絵をいたバルトン美術店の主人を訪ねて事情を打明けたが、世間の景気がわるいので何ともしてもらう事は出来なかった。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
初め植木屋夫婦が引越して来た時、井戸がないので何卒どうか水を汲ましてくれと大庭家に依頼たのみに来た。大庭の家ではそれは道理もっともなことだと承諾ゆるしてやった。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そういう関係になるべく希望のぞんでいたことは争われなかったし、天国の剣をお浦に持ち出してくるよう依頼たのんだのは、確かに自分なのであるから、乾児たちにそう云われてみれば
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「その代り小六さん、はばかさま。座敷の戸をてて、洋灯ランプけてちょうだい。今わたしきよも手が放せないところだから」と依頼たのんだ。小六は簡単に
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)