嫉妬じんすけ)” の例文
貴嬢あなたも」ト口頭くちさきまで出たが、どうも鉄面皮あつかましく嫉妬じんすけも言いかねて思い返してしまい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
大丈夫、そうすりゃ貴下の上へ、屏風に倒れてうしろになって、私が突かれる、斬られて上げるわ。何の、嫉妬じんすけの刃物三昧ざんまい切尖きっさきが胸から背まで突通るもんですか。一人殺される内には貴下は助かる。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜がふけると、一層身に染みて、惚込ほれこんだ本は抱いて寝るといふ騒ぎ、頑固な家扶かふ嫉妬じんすけな旦那に中をせかれていらつしやる貴夫人令嬢方は、すべて此の秘伝であひゞきをなすつたらよからうと思ふ。
いろ扱ひ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)