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嫉妬
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ねたみ
ふりがな文庫
“
嫉妬
(
ねたみ
)” の例文
わが血は
嫉妬
(
ねたみ
)
のために湧きたり、我若し人の福ひを見たらんには、汝は我の
憎惡
(
にくしみ
)
の色に
被
(
おほ
)
はるゝをみたりしなるべし 八二—八四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
真実の叫びだった、今にして知る、——あの時蝙也を憎んだと思ったのは、乙女の胸に生れて初めて芽した
嫉妬
(
ねたみ
)
であったのだ。
松林蝙也
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
愛嬌
(
あいきょう
)
の
滴
(
したた
)
るような口もと、小鹿が母を慕うような優しい瞳は少くとも万人の眼を
惹
(
ひ
)
いて随分評判の高かっただけに世間の
嫉妬
(
ねたみ
)
もまた恐ろしい。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
すなわち淫行、
窃盗
(
ぬすみ
)
、殺人、
姦淫
(
かんいん
)
、
慳貪
(
むさぼり
)
、
邪曲
(
よこしま
)
、
詭計
(
たばかり
)
、好色、
嫉妬
(
ねたみ
)
、
誹謗
(
そしり
)
、
傲慢
(
ごうまん
)
、愚痴など、すべてこれらの悪しきことは内より出でて人を汚す。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
まッ黒な
嫉妬
(
ねたみ
)
につつまれた小六は、
忿怒
(
ふんぬ
)
に
晦
(
くら
)
んだ力まかせ、可愛さあまったお延の姿へ、きらりと抜き浴びせて行った。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
それをお
怨
(
うら
)
み
申
(
まを
)
すのではない。
嫉妬
(
ねたみ
)
も
猜
(
そね
)
みもせぬけれど、……
口惜
(
くちをし
)
い、
其
(
それ
)
がために、
敵
(
かたき
)
から
仕事
(
しごと
)
の
恥辱
(
ちじよく
)
をお
受
(
う
)
け
遊
(
あそ
)
ばす。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夜昼となくその高殿から、
嫉妬
(
ねたみ
)
と
猜疑
(
うたがい
)
と
呪咀
(
のろい
)
とをもって、妖精のように桂子が、自分たちを看視していることだろう。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一度も縁づいた事のない彼女が、
嫉妬
(
ねたみ
)
がましい息づかいで、まるで夢遊病者のような狂体を演じようとしている。
放浪記(初出)
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
祖父
(
ぢゞ
)
が若い時分、撃剣の同門の何とかといふ男が、あまり技芸に達してゐた所から、
他
(
ひと
)
の
嫉妬
(
ねたみ
)
を受けて、ある夜縄手
道
(
みち
)
を城下へ帰る途中で、
誰
(
だれ
)
かに斬り殺された。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分の邪推かは知らないが、ひょっとすると其の娘は上州屋の息子となにか
情交
(
わけ
)
があって、今度の縁談について一種の
嫉妬
(
ねたみ
)
の眼を以てお年を窺っているのではあるまいかと云った。
半七捕物帳:22 筆屋の娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
嫉妬
(
ねたみ
)
の影の
痛
(
いた
)
みぞ癒えがたきや。
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
恋
(
こひ
)
を
恋
(
こ
)
はれぬ
嫉妬
(
ねたみ
)
もて
友に
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
嫉妬
(
ねたみ
)
の
蝶
(
ちょう
)
の身ぞつらき
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
黄泉
(
よみ
)
の
醜女
(
しこめ
)
は
嫉妬
(
ねたみ
)
あり
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
わが目もいつかこゝにて我より奪はるゝことあらむ、されどそは
暫時
(
しばし
)
のみ、その
嫉妬
(
ねたみ
)
のために動きて犯せる罪
少
(
すく
)
なければなり 一三三—一三五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
今まで私の思うたことのいつか恐ろしい
嫉妬
(
ねたみ
)
の
邪道
(
よこみち
)
に踏み込んでいたのに気がつくと、私はもう堪えかねて繃帯の上から眼を
蔽
(
おお
)
うて薬局の窓に俯伏した。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
浮藻
(
うきも
)
の歌っている歌声であった。ムラムラと桂子の胸の中へ、
嫉妬
(
ねたみ
)
と
憎悪
(
にくしみ
)
との思いが湧いた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
市郎は
之
(
これ
)
より他に、自分の潔白を表明すべき
詞
(
ことば
)
を知らなかった。わが子を信ずる安行は
僅
(
わずか
)
に
首肯
(
うなず
)
いたが、
疑惑
(
うたがい
)
と
嫉妬
(
ねたみ
)
とが
蟠
(
わだか
)
まれる冬子の胸は、まだ容易に解けそうにも見えなかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
犬が三頭——三疋とも言わないで、姐さんが
奴等
(
やつら
)
の口うつしに言うらしい、その三頭も
癪
(
しゃく
)
に障った。なにしろ、私の
画
(
え
)
が
突刎
(
つっぱ
)
ねられたように
口惜
(
くやし
)
かった。
嫉妬
(
ねたみ
)
だ、そねみだ、自棄なんです。
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
祖父
(
じじ
)
に就ても、こんな話がある。祖父が若い時分、撃剣の同門の何とかいう男が、あまり技芸に達していた所から、
他
(
ひと
)
の
嫉妬
(
ねたみ
)
を受けて、ある夜
縄手道
(
なわてみち
)
を城下へ帰る途中で、誰かに斬り殺された。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
嫉妬
(
ねたみ
)
の蝶の身ぞつらき
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それ汝等の願ひの向ふ處にては、侶と
頒
(
わか
)
てば分減ずるがゆゑに、
嫉妬
(
ねたみ
)
鞴
(
ふいご
)
を動かして汝等に
大息
(
といき
)
をつかしむれども 四九—五一
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
口もとに言いようのない一種の
愛嬌
(
あいきょう
)
をたたえて大槻に会釈した時のあでやかさ、その
心象
(
まぼろし
)
がありありと眼に映って私は恐ろしい底ひしられぬ
嫉妬
(
ねたみ
)
の谷に陥った。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
戀の
嫉妬
(
ねたみ
)
もあるものを
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
“嫉妬”の解説
嫉妬(しっと)とは、自分よりも優れていると感じる人に対して妬みや嫉みといった感情を抱く悪徳である。
(出典:Wikipedia)
嫉
常用漢字
中学
部首:⼥
13画
妬
常用漢字
中学
部首:⼥
8画
“嫉妬”で始まる語句
嫉妬心
嫉妬家
嫉妬深
嫉妬焼
嫉妬男
嫉妬喧嘩
嫉妬陣
嫉妬燒
嫉妬的
嫉妬紛