“きづかい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
気遣71.7%
憂慮21.7%
気支5.0%
気配1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よし自分だけは食わんで済むとしても、妻は食わずに辛抱しんぼうする気遣きづかいはない。豊かに妻を養わぬ夫は、妻の眼から見れば大罪人である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
憂慮きづかいをさっしゃるな。いてじいの口にくらおうではない。——これは稲荷殿いなりでんへお供物に献ずるじゃ。お目に掛けましての上は、水に放すわいやい。」
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかるに上流人士はイザ知らず、中流以下の家庭はまだとても西洋料理を常食とするまでに進歩せんよ。三年や五年でとてもそうなる気支きづかいがない。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
変遷のいちじるしからざる山間さんかんの古いしゅくではあるが、昔に比ぶれば家も変った、人も変った、自分も老いた。誰に逢っても昔の身上みのうえを知られる気配きづかいもあるまいと多寡たかくくって、彼は平気で町中まちなかを歩いた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)