“きづか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
気遣73.8%
憂慮9.2%
氣遣8.7%
気労1.5%
気支1.5%
気配1.0%
0.5%
0.5%
木柄0.5%
気憊0.5%
氣勞0.5%
氣遺0.5%
0.5%
配慮0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし山馴れない政子はと、時折、気遣きづかって振向いたが、政子は、懸命に山椿やまつばきの枝や笹の根にすがって、後からじて来るのだった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とばかりで重そうなつむりを上げて、にわかに黒雲や起ると思う、憂慮きづかわしげに仰いでながめた。空ざまに目も恍惚うっとりひもゆわえたおとがいの震うが見えたり。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
這麼老朽こんならうきうからだんでも時分じぶんだ、とさうおもふと、たちままたなんやらこゝろそここゑがする、氣遣きづかふな、こといとつてるやうな。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
また織田家の宿将とのあいだにも、かりそめに摩擦まさつを起さない。分を知って野望をあらわさず、よく内に蓄えて、同盟国に危うさを気労きづかわせない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
方向を誤る気支きづかいはない。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
その際にもまず気配きづかわれたのは、亡き先生一家の消息であったが、根津の辺はすべて無事ということを知り、さらに奥さんもお嬢さん夫婦もみな無事という便りを得て
深見夫人の死 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すわや海上の危機はせまるとおぼしく、あなたこなたに散在したりし数十の漁船は、にぐるがごとく漕戻こぎもどしつ。観音丸かんのんまるにちかづくものは櫓綱ろづなゆるめて、この異腹いふくの兄弟の前途をきづかわしげに目送もくそうせり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仔細しさいは明しませんでございました、これはのちの事をきづかって、皆が恐れげなくお雪の介抱をしてやる事が出来るようにと、気を着けたのでありまする。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
武蔵が平常、人に話していた言葉には、刀脇差は、木柄きづかにて赤銅拵しゃくどうごしらえがよく、自身の好みは赤胴ならでは思うようにならず、といっていたそうである。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お島は気骨の折れる子持の客の帰ったあとで、気憊きづかれのした体を帳場格子ちょうばごうしにもたれて、ぼんやりしていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
した上はさぞかし氣勞きづかれもあらう程に今宵こよひは早くやすむがよいおれも今夜は早寢はやねにせんと云ば十兵衞は然樣さやうならお先へふせります御免成ごめんなされと挨拶し臥戸ふしどへこそは入にけれ跡に長庵工夫くふうこらし彼の五十兩の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「そんだが嫁樣よめさま衣物きものどういんだかてえもんだな」半分はんぶんのぞむやうな半分はんぶん氣遺きづかふやうなたがひこゝろかたるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
柵の外に立ちて列車の行くを送りしはひとり間貫一のみにあらず、そこもとにつどひし老若貴賤ろうにやくきせん男女なんによは皆個々の心をもて、愁ふるもの、楽むもの、きづかふもの、或は何とも感ぜぬものなど
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ただ天にも地にも博士一人を力としいたりしに計らずも今回の不幸に際し、悲歎やる方なく、日は日もすがら、夜は夜もすがら父の身を配慮きづかいて泣き明かせるほどにて
月世界競争探検 (新字新仮名) / 押川春浪(著)