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氣遣
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きづか
ふりがな文庫
“
氣遣
(
きづか
)” の例文
新字:
気遣
振切つた
後
(
のち
)
の女の身の上や、又は人に嘆きを掛ける自分の行末までが、何故かう譯もなく、忍び得られぬほど
氣遣
(
きづか
)
はれるのであらう。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
這麼老朽
(
こんならうきう
)
な
體
(
からだ
)
は
死
(
し
)
んでも
可
(
い
)
い
時分
(
じぶん
)
だ、とさう
思
(
おも
)
ふと、
忽
(
たちま
)
ち
又
(
また
)
何
(
なん
)
やら
心
(
こゝろ
)
の
底
(
そこ
)
で
聲
(
こゑ
)
がする、
氣遣
(
きづか
)
ふな、
死
(
し
)
ぬ
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いと
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
るやうな。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
見捨
(
みすて
)
たと云
廉
(
かど
)
があるゆゑ
道具
(
だうぐ
)
衣類
(
いるゐ
)
は云までもなく百兩の
持參金
(
ぢさんきん
)
はとても返す
氣遣
(
きづか
)
ひなしと思ふゆゑ
夫
(
それ
)
は
損
(
そん
)
をしても
構
(
かまは
)
ぬが
何分
(
なにぶん
)
離縁状
(
りえんじやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
皆
(
みな
)
さん!』と
云
(
い
)
つて
愛
(
あい
)
ちやんは、
尚
(
な
)
ほ
續
(
つゞ
)
けやうとして
氣遣
(
きづか
)
はしげに
身
(
み
)
の
周
(
まは
)
りを
見廻
(
みまは
)
し、『さア、これで
解散
(
かいさん
)
しやうぢやありませんか!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「百梃の鐵砲は公儀に取上げられてしまつた。どう工夫したつて二度と戻る
氣遣
(
きづか
)
ひはない。あれだけやり損ねると、百の九十九までは腹を切る」
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「あなたはこれから這入らうとしてゐる新しい世界——あなたが這入らうとしてゐる新しい生活のことで
氣遣
(
きづか
)
つてるの?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
多少
(
たせう
)
私達に
好意
(
かうい
)
を持つてくれる
人達
(
ひとたち
)
は、
日
(
ひ
)
に/\
氣遣
(
きづか
)
ひの眼をもつて私達に
臨
(
のぞ
)
みました。それは私達の
眞意
(
しんい
)
を
汲
(
く
)
み
取
(
と
)
り
得
(
え
)
なかつたからなのでした。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
何
(
なに
)
を
祕
(
かく
)
さう、
唯今
(
たゞいま
)
の
雲行
(
くもゆき
)
に、
雷鳴
(
らいめい
)
をともなひはしなからうかと、
氣遣
(
きづか
)
つた
處
(
ところ
)
だから、
土地
(
とち
)
ツ
子
(
こ
)
の
天氣豫報
(
てんきよはう
)
の、
風
(
かぜ
)
、
晴
(
はれ
)
、に
感謝
(
かんしや
)
の
意
(
い
)
を
表
(
へう
)
したのであつた。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『でも、あの
樣
(
やう
)
に
澤山
(
たくさん
)
乘
(
の
)
つては
端艇
(
たんてい
)
も
沈
(
しづ
)
みませうに。』といふ、
我身
(
わがみ
)
の
危急
(
あやうき
)
をも
忘
(
わす
)
れて、
却
(
かへ
)
つて
仇
(
あだ
)
し
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
氣遣
(
きづか
)
ふ
心
(
こゝろ
)
の
優
(
やさ
)
しさ、
私
(
わたくし
)
は
聲
(
こゑ
)
を
勵
(
はげ
)
まして
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
何
(
ど
)
うかしたかと
氣遣
(
きづか
)
ひて
問
(
と
)
へば、
俄
(
にはか
)
に
氣分
(
きぶん
)
が
勝
(
すぐ
)
れませぬ、
私
(
わたし
)
は
向島
(
むかふじま
)
へ
行
(
ゆ
)
くのは
廢
(
や
)
めて、
此處
(
こゝ
)
から
直
(
す
)
ぐに
歸
(
かへ
)
りたいと
思
(
おも
)
ひます、
貴郎
(
あなた
)
はゆるりと
御覽
(
ごらん
)
なりませ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
しかしそれを
拒
(
こば
)
んで
答
(
こた
)
へずにしまふのは、
殆
(
ほとん
)
どそれは
譃
(
うそ
)
だと
云
(
い
)
ふと
同
(
おな
)
じやうになる。
近頃
(
ちかごろ
)
歸
(
き
)
一
協會
(
けふくわい
)
などでは、それを
子供
(
こども
)
のために
惡
(
わる
)
いと
云
(
い
)
つて
氣遣
(
きづか
)
つてゐる。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼
(
かれ
)
は
山
(
やま
)
にゐる
間
(
あひだ
)
さへ、
御米
(
およね
)
が
此
(
この
)
事件
(
じけん
)
に
就
(
つ
)
いて
何事
(
なにごと
)
も
耳
(
みゝ
)
にして
呉
(
く
)
れなければ
可
(
い
)
いがと
氣遣
(
きづか
)
はない
日
(
ひ
)
はなかつた
位
(
くらゐ
)
である。
宗助
(
そうすけ
)
は
年來
(
ねんらい
)
住
(
す
)
み
慣
(
な
)
れた
家
(
いへ
)
の
座敷
(
ざしき
)
に
坐
(
すわ
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
事
(
こと
)
頗
(
すこぶ
)
る
某
(
それがし
)
が
武勇
(
ふゆう
)
を
氣遣
(
きづか
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
王樣
(
わうさま
)
は
氣遣
(
きづか
)
はしげに
白兎
(
しろうさぎ
)
を
御覽
(
ごらん
)
になりました、
白兎
(
しろうさぎ
)
は
低聲
(
こゞゑ
)
で、『
陛下
(
へいか
)
は
此
(
こ
)
の
證人
(
しようにん
)
の
相手方
(
あひてかた
)
の
證人
(
しようにん
)
を
詰問
(
きつもん
)
せらるゝ
必要
(
ひつえう
)
があります』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
卸
(
おろ
)
し主從四人ほツとばかり
溜息
(
ためいき
)
を
吐
(
つき
)
ながらも先々
首尾
(
しゆび
)
よく
僞
(
いつは
)
り出しを
喜
(
よろこ
)
び最早
氣遣
(
きづか
)
ひなしと
爰
(
こゝ
)
にて越前守には
麻上下
(
あさがみしも
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一々
手
(
て
)
でも
取
(
と
)
りたいほどに
氣遣
(
きづか
)
はれる
母心
(
はゝごゝろ
)
が、
忌
(
いま
)
はしい
汚點
(
しみ
)
の
回想
(
くわいさう
)
によつて、その
口
(
くち
)
を
縫
(
ぬ
)
はれてしまふのである。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
之
(
これ
)
よりは
我
(
わが
)
大日本帝國
(
だいにつぽんていこく
)
の
領地
(
りようち
)
である
事
(
こと
)
を
表示
(
ひやうし
)
する
爲
(
ため
)
に、
幾本
(
いくほん
)
の
日章旗
(
につしようき
)
を
海岸
(
かいがん
)
に
飜
(
ひるがへ
)
して
置
(
お
)
いても、
一朝
(
いつてう
)
此處
(
こゝ
)
を
立去
(
たちさ
)
つた
後
(
あと
)
の
事
(
こと
)
は、
少
(
すくな
)
からず
氣遣
(
きづか
)
はれるのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
さうして
此
(
この
)
構
(
かまへ
)
と
設備
(
せつび
)
では、
歸
(
かへ
)
りがけに
思
(
おも
)
つたより
高
(
たか
)
い
療治代
(
れうぢだい
)
を
取
(
と
)
られるかも
知
(
し
)
れないと
氣遣
(
きづか
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼の不安な樣子、何か
氣遣
(
きづか
)
ふやうないら/\した彼の擧動に私は驚いた。しかしつゞけた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
今世
(
こんせ
)
の
主君
(
きみ
)
にも
未來
(
みらい
)
の
主君
(
きみ
)
にも、
忠節
(
ちうせつ
)
のほど
顯
(
あら
)
はしたし、
然
(
し
)
かはあれど
氣遣
(
きづか
)
はしきは
言葉
(
ことば
)
たくみに
誠
(
まこと
)
少
(
す
)
くなきが
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
の
常
(
つね
)
と
聞
(
き
)
く、
誰人
(
たれびと
)
か
至信
(
ししん
)
に
誠實
(
せいじつ
)
に、
我
(
わ
)
が
愛敬
(
けいあい
)
する
主君
(
きみ
)
の
半身
(
はんしん
)
となりて
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
乘客
(
じようかく
)
の
暗愁
(
あんしう
)
とは
他
(
た
)
なし、
此
(
こ
)
の
不祥
(
ふしやう
)
を
氣遣
(
きづか
)
ふにぞありける。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
私
(
わたし
)
はお
茶
(
ちや
)
を
濟
(
す
)
ませて
了
(
しま
)
ひたう
御座
(
ござ
)
います』と
云
(
い
)
つて
帽子屋
(
ばうしや
)
は
氣遣
(
きづか
)
はしげに、
女王樣
(
ぢよわうさま
)
の
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
ました、
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
演奏者
(
えんそうしや
)
の
名簿
(
めいぼ
)
を
讀
(
よ
)
んで
居
(
を
)
られました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
申出ば此方へ役人を
遣
(
つか
)
はすべし
屹度
(
きつと
)
申渡すべき
筋
(
すぢ
)
も
有
(
あり
)
其方共も
落度
(
おちど
)
には
毛頭
(
もうとう
)
相成
(
あひなら
)
ず
氣遣
(
きづか
)
ひ無用なり何分
無禮
(
ぶれい
)
の
無
(
なき
)
樣
(
やう
)
に致すべしと
云渡
(
いひわた
)
しければ兩人は是を
聞
(
きゝ
)
て
肝
(
きも
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『はい、はい、どんな
事
(
こと
)
でも/\。』と、
答
(
こた
)
へたが、
夫
(
それ
)
に
就
(
つ
)
けても
氣遣
(
きづか
)
はしきは
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
工事
(
こうじ
)
の、
吾等
(
われら
)
が
斯
(
かゝ
)
る
騷動
(
さわぎ
)
を
引起
(
ひきおこ
)
した
爲
(
ため
)
に、
痛
(
いた
)
く
妨
(
さまた
)
げられたのではあるまいかと
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
出京
(
しゆつきやう
)
の
當座
(
たうざ
)
は、
大分
(
だいぶん
)
身體
(
からだ
)
が
衰
(
おと
)
ろへてゐたので、
御米
(
およね
)
は
勿論
(
もちろん
)
、
宗助
(
そうすけ
)
もひどく
其所
(
そこ
)
を
氣遣
(
きづか
)
つたが、
今度
(
こんど
)
こそはといふ
腹
(
はら
)
は
兩方
(
りやうはう
)
にあつたので、
張
(
はり
)
のある
月
(
つき
)
を
無事
(
ぶじ
)
に
段々
(
だん/\
)
と
重
(
かさ
)
ねて
行
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お思ひ出しになるでせう、よく晴れた日でした——大氣も空も
穩
(
おだ
)
やかで、あなたのお身の安全や旅の氣持のことなど何も
氣遣
(
きづか
)
ふことはないのでした。私はお茶の後
少時
(
しばらく
)
の間
甃石
(
しきいし
)
の上を歩きました。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
こめつ
可笑
(
をか
)
しく
面白
(
おもしろ
)
く
物
(
もの
)
がたりながら
沈
(
しづ
)
みがちなる
主
(
しゆ
)
の
心根
(
こゝろね
)
いぢらしくも
氣遣
(
きづか
)
はしく
離
(
はな
)
れぬ
守
(
まも
)
りにこれも
一
(
ひと
)
つの
關所
(
せきしよ
)
なり
如何
(
いか
)
にしてか
越
(
こ
)
えらるべき
如何
(
いか
)
にしてか
遁
(
のが
)
るべきお
高
(
たか
)
髮
(
かみ
)
とりあげず
化粧
(
けしやう
)
もせず
粧
(
よそほ
)
ひし
昔
(
むかし
)
の
紅白粉
(
べにおしろい
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
儘
(
まゝ
)
の
座敷牢
(
ざしきらう
)
縁
(
えん
)
の
障子
(
しやうじ
)
の
開閉
(
あけたて
)
にも
乳母
(
うば
)
が
見張
(
みは
)
りの
目
(
め
)
は
離
(
はな
)
れず
況
(
ま
)
してや
勘藏
(
かんざう
)
が
注意
(
ちゆうい
)
周到
(
しうたう
)
翼
(
つばさ
)
あらば
知
(
し
)
らぬこと
飛
(
と
)
ぶ
鳥
(
とり
)
ならぬ
身
(
み
)
に
何方
(
いづく
)
ぬけ
出
(
い
)
でん
隙
(
すき
)
もなしあはれ
刄物
(
はもの
)
一
(
ひと
)
つ
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れたや
處
(
ところ
)
は
異
(
かは
)
れど
同
(
おな
)
じ
道
(
みち
)
に
後
(
おく
)
れはせじの
娘
(
むすめ
)
の
目色
(
めいろ
)
見
(
み
)
てとる
運平
(
うんぺい
)
が
氣遣
(
きづか
)
はしさ
錦野
(
にしきの
)
との
縁談
(
えんだん
)
も
今
(
いま
)
が
今
(
いま
)
と
運
(
はこ
)
びし
中
(
なか
)
に
此
(
この
)
こと
知
(
し
)
られなば
皆
(
みな
)
畫餠
(
ぐわべい
)
なるべし
包
(
つゝ
)
まるゝだけは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
氣
部首:⽓
10画
遣
常用漢字
中学
部首:⾡
13画
“氣遣”で始まる語句
氣遣敷