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憂慮
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きづかい
ふりがな文庫
“
憂慮
(
きづかい
)” の例文
「おう/\
可
(
い
)
いともなう、安心して一休み休まつしやれ、ちツとも
憂慮
(
きづかい
)
をさつしやることはないに、
私
(
わし
)
が山猫の化けたのでも。」
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
憂慮
(
きづかい
)
をさっしゃるな。
割
(
さ
)
いて
爺
(
じい
)
の口に
啖
(
くら
)
おうではない。——これは
稲荷殿
(
いなりでん
)
へお供物に献ずるじゃ。お目に掛けましての上は、水に放すわいやい。」
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さ、さ、そのことは聞えたけれど……ああ、何といって頼みようもない。一層お前、わ、私の眼を
潰
(
つぶ
)
しておくれ、そうしたら顔を見る
憂慮
(
きづかい
)
もあるまいから。」
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何でも来た方へさえ
引返
(
ひっかえ
)
せば芳原へ入るだけの
憂慮
(
きづかい
)
は無いと思って、とぼとぼ
遣
(
や
)
って来ると向い風で。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
邸
(
やしき
)
にはこの頃じゃ、その
魅
(
み
)
するような
御新姐
(
ごしんぞ
)
も
留主
(
るす
)
なり、
穴
(
あな
)
はすかすかと
真黒
(
まっくろ
)
に、足許に
蜂
(
はち
)
の巣になっておりましても、
蟹
(
かに
)
の
住居
(
すまい
)
、落ちるような
憂慮
(
きづかい
)
もありません。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
はい、それに実は何でござります、……大分年数も
経
(
た
)
ちました事ゆえ、
一時
(
ひととき
)
半時では、誰方もお
心付
(
こころづき
)
の
憂慮
(
きづかい
)
はござりませんが。……貴女には、何をお
秘
(
かく
)
し申しましょう。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おお、そして何よ、
憂慮
(
きづかい
)
をさっしゃるな、どうもしねえ、何ともねえ、
俺
(
おら
)
あ
頸子
(
くびったま
)
にも手を触りやしねえ、胸を見な、不動様のお守札が乗っけてあら、そらの、ほうら、」
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
杭
(
くい
)
の上へ板を渡して竹を欄干にしたばかりのもので、それでも五人や十人ぐらい
一時
(
いっとき
)
に渡ったからッて、少し揺れはしようけれど、折れて落ちるような
憂慮
(
きづかい
)
はないのであった。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
社務所には、既に、近頃このあたりの大地主になれらましたる代議士閣下をはじめ、お歴々衆、村民一同の事をお
憂慮
(
きづかい
)
なされて、
雨乞
(
あまごい
)
の模様を御見物にお揃いでござりますてな。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よう
貴女
(
あんた
)
、これを持つまで、多一さんを思やはった、
婦
(
おんな
)
同士や、察せいでか。——袂にあったら、粗相して落すとならん。
憂慮
(
きづかい
)
なやろさかい、私がこうするよって、大事ないえ。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
年寄った腰の立たない与吉の
爺々
(
ちゃん
)
が一人で寝て居るが、老後の
病
(
やまい
)
で次第に弱るのであるから、急に容体の変るという
憂慮
(
きづかい
)
はないけれども、与吉は
雇
(
やと
)
われ先で昼飯をまかなわれては
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
途中不意に卒倒するような
憂慮
(
きづかい
)
なし、二人で散歩などが出来るようになったそうです。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
美しい方を見ると、
黒鰐
(
くろわに
)
、
赤鮫
(
あかざめ
)
が襲います。騎馬が前後を守護しました。お
憂慮
(
きづかい
)
はありませんが、いぎ参ると、
斬合
(
きりあ
)
い
攻合
(
せめあ
)
う、修羅の
巷
(
ちまた
)
をお目に懸けねばなりません。——騎馬の方々、急いで下さい。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いや、お
憂慮
(
きづかい
)
には及びません。」
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“憂慮”の意味
《名詞》
憂慮(ゆうりょ)
心配すること。
(出典:Wiktionary)
憂
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
慮
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
“憂慮”で始まる語句
憂慮気