“爺々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぢゞ18.2%
おやじおやじ18.2%
ちゃん18.2%
じじ9.1%
じじい9.1%
じじいじじい9.1%
ちやん9.1%
やや9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「飛んでもねえ、そんな爺々ぢゞむさいのぢやありませんよ、正直に申上げると、呼出し奴、宜い役ですぜ——斯う半開きのあふぎを口に當てゝ」
「うむ、有難い、体温ぬくみがある。手当てをしたら助かるであろう。まだ浦若い娘だのに殺してしまっては気の毒だ。爺々おやじおやじもっと漕げ!」
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
年寄った腰の立たない与吉の爺々ちゃんが一人で寝て居るが、老後のやまいで次第に弱るのであるから、急に容体の変るという憂慮きづかいはないけれども、与吉はやとわれ先で昼飯をまかなわれては
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
生やしていると云うよりもむしろ生えていると云った方が適当なその髯は、植木屋を入れない庭のように、彼の顔をところどころ爺々じじむさく見せた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
で、思い思いではあるけれども、各自めいめい暗がりの中を、こう、……不気味も、好事ものずきも、負けない気もまじって、その婆々ばばあだか、爺々じじいだか、稀有けぶやつは、と透かした。が居ない……
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人並んでさかずきをする時に、花婿はなむこの風采があまり爺々じじいじじいして見えるのでは、雪子が可哀かわいそうでもあるし、折角世話をした自分達にしても、列席の親類達に対して鼻を高くすることが出来ない。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
留守るすには、年寄としよつたこしたない與吉よきち爺々ちやん一人ひとりるが、老後らうごやまひ次第しだいよわるのであるから、きふ容體ようだいかはるといふ憂慮きづかひはないけれども、與吉よきちやとはれさき晝飯ひるめしをまかなはれては
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
然りと雖もなおおもえらく、逸田叟いつでんそうの脚色はにして後わずかに奇なり、造物爺々やや施為しいは真にしてかつ更に奇なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)