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気遣
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きづかい
ふりがな文庫
“
気遣
(
きづかい
)” の例文
旧字:
氣遣
「もう少し訊いて下さい、沢屋の三郎兵衛は二た時も前に、虫のように殺されているんだ。あわてたところで、生き返る
気遣
(
きづかい
)
はない」
銭形平次捕物控:376 橋の上の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
よし自分だけは食わんで済むとしても、妻は食わずに
辛抱
(
しんぼう
)
する
気遣
(
きづかい
)
はない。豊かに妻を養わぬ夫は、妻の眼から見れば大罪人である。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
駈出す
気遣
(
きづかい
)
はない、大丈夫だよ、さア姉さん
此処
(
こゝ
)
へお出で…あのおよしや御仏前へ線香を上げてなアもうお線香が立たない様だから
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
またどんな
仔細
(
しさい
)
がないとも限らぬが、少しも
気遣
(
きづかい
)
はない、無理に助けられたと思うと気が
揉
(
も
)
めるわ、自然天然と
活返
(
いきかえ
)
ったとこうするだ。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
モウ
連城
(
れんじょう
)
の
璧
(
たま
)
を手に握ったようなもので、
夫
(
そ
)
れから原書は大事にしてあるから
如何
(
どう
)
にも
気遣
(
きづかい
)
はない。しらばくれて
奥平壹岐
(
おくだいらいき
)
の家に行て
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
「駄目だよ。
旦那
(
だんな
)
が気がないから」
作
(
さく
)
と云うその男は
俛
(
うつむ
)
いたまま答えた。「もう楮のなかから小判の出て来る
気遣
(
きづかい
)
もないからね」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「肺の方は離れですから大丈夫ですわ。此方の方もチブスはもう
疾
(
と
)
うの昔に直って神経衰弱を起している丈けですから、うつる
気遣
(
きづかい
)
はありませんよ」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
換言すればT子
母子
(
おやこ
)
がどこかに定住して、当分、動く
気遣
(
きづかい
)
はないという見込みがハッキリと付けばこそ、安心して留学出来る訳で、そうとすれば又
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
囲炉裏に笹の葉を焚いて、あたりが暖くなったためか、
炉辺
(
ろばた
)
でコオロギが鳴き出した。笹の葉を焚くのだから、真冬の
榾
(
ほた
)
のような
旺
(
さかん
)
な火になる
気遣
(
きづかい
)
はない。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
将校にはいくら腐敗したものが多くとも、兵卒は皆愛国の民である、かういふ風に一国の土台となるべき下等社会が慥であれば、その国の亡びる
気遣
(
きづかい
)
はない。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
万一の場合には会の名義人が責任を負うから筆耕やその他のものに迷惑のかかる
気遣
(
きづかい
)
はないというのである。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
枕
(
まくら
)
の
下
(
した
)
や、
寐台
(
ねだい
)
のどこかに、
何
(
なに
)
かをそッと
隠
(
かく
)
して
置
(
お
)
く、それは
盗
(
ぬす
)
まれるとか、
奪
(
うば
)
われるとか、
云
(
い
)
う
気遣
(
きづかい
)
の
為
(
た
)
めではなく
人
(
ひと
)
に
見
(
み
)
られるのが
恥
(
はず
)
かしいのでそうして
隠
(
かく
)
して
置
(
お
)
く
物
(
もの
)
がある。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「なに。背の立たない
気遣
(
きづかい
)
は無い」こう云って、石原は素早く裸になった。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
この
喜
(
よろこび
)
の日に何の
気遣
(
きづかい
)
があるのか。それを申せ。10980
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
したって聞える
気遣
(
きづかい
)
はない
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
いくら歯をむき出しても、きゃっきゃっ騒いでも引き
掻
(
か
)
かれる
気遣
(
きづかい
)
はない。教師は鎖で繋がれておらない代りに月給で縛られている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
何
(
なん
)
よ、また道寄も遣らかすわい。向うが空屋で両隣は畠だ、聾の
婆
(
ばばあ
)
が留守をしとる、ちっとも
気遣
(
きづかい
)
はいらんのじゃ、万事
私
(
わし
)
が心得た。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新「
何
(
なん
)
でそんな、お前の伯父さんを
便
(
たよ
)
って厄介になろうと云うのだから、決して見捨てる
気遣
(
きづかい
)
はないわね、見捨てれば
此方
(
こっち
)
が困るからね」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この藩に居た所が何としても頭の
上
(
あが
)
る
気遣
(
きづかい
)
はない。
真
(
しん
)
に
朽果
(
くちは
)
つると云うものだ。どんな事があっても私は中津で朽果てようとは思いません。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「
可
(
い
)
いじゃありませんか
阿父
(
おとっ
)
さん、家の
身上
(
しんしょう
)
をへらすような
気遣
(
きづかい
)
はありませんよ」お島は
煩
(
うる
)
さそうに言った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
この
躬恒
(
みつね
)
の歌、百人一首にあれば誰も口ずさみ候へども、一文半文のねうちも
無之
(
これなき
)
駄歌に御座候。この歌は
嘘
(
うそ
)
の趣向なり、初霜が置いた位で白菊が見えなくなる
気遣
(
きづかい
)
無之候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
年も三十を越しているから、今更自分を振り捨てて行く
気遣
(
きづかい
)
はまずない。それは衣類を
質入
(
しちいれ
)
しながら半年あまり離れずにいるのを見ても
確
(
たしか
)
である。重吉の胸の中には早くから
或
(
ある
)
計画がなされていた。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
警官から当病院内の麻酔薬の取扱方について質問された時に「それは
平生
(
いつも
)
、標本室の中に厳重に保管してある。しかもその標本室の鍵は、この通り、宿直に当ったものが肌身離さず持っているのだから、盗み出される
気遣
(
きづかい
)
は絶対に無い」
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
雨は
歇
(
や
)
んだ。空はまだ曇っているが、
濡
(
ぬ
)
れる
気遣
(
きづかい
)
はない。山から風が吹いて来る。寒くても、世界の明かるいのが、非常に
嬉
(
うれ
)
しい。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お前さんは
余
(
あんま
)
りな人だとか
何
(
なん
)
とか云って
口説
(
くぜつ
)
でも云う所だから殺す
気遣
(
きづかい
)
はあるまいよ、どんな事をしているか、お前見ておいでよ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どうせ使節は長く
此処
(
ここ
)
に居る
気遣
(
きづかい
)
はない、間もなく帰る。帰ればソレ
切
(
きり
)
だ。そうしてお前は露西亜人になって
仕舞
(
しま
)
いなさい。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
貴方
(
あなた
)
は、そうして
御経
(
おきょう
)
をお読み遊ばすくらい、
縦令
(
たとい
)
お山で日が暮れても
些
(
ちっ
)
ともお
気遣
(
きづかい
)
な事はございますまいと存じます。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「今度と云う今度は島ちゃんも
遁出
(
にげだ
)
す
気遣
(
きづかい
)
はあるまい。
己
(
おれ
)
の弟は男が好いからね」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
身分不相応な大熊手を買うて見た処で、いざ鎌倉という時に宝船の中から鼠の糞は落ちようと金が
湧
(
わ
)
いて出る
気遣
(
きづかい
)
はなしさ、まさか大仏の
簪
(
かんざし
)
にもならぬものを屑屋だって心よくは買うまい。
熊手と提灯
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
「あなたの許諾を得ない以上は、たといどんなに書きたい
事柄
(
ことがら
)
が出て来てもけっして書く
気遣
(
きづかい
)
はありませんから御安心なさい」
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
豐「可愛そうでございましょう、お前はお久さんの事ばかりかわいそうで案じられるだろうが、私が死んでもお前は可愛そうだと思う
気遣
(
きづかい
)
はないよ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(嬢様、何か存じませんが、おっしゃる通りになすったがよいではござりませんか。
私
(
わたくし
)
にお
気遣
(
きづかい
)
はかえって心苦しゅうござります。)と
慇懃
(
いんぎん
)
にいうた。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「云い出すなら御米の寝ている今である。今ならどんな
気不味
(
きまず
)
いことを双方で言い
募
(
つの
)
ったって、御米の神経に障る
気遣
(
きづかい
)
はない」
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蔵へまいって
著込
(
きごみ
)
を持ってまいれの、
小手
(
こて
)
脛当
(
すねあて
)
の用意のと云っているうちに、
夜
(
よ
)
はほの/″\と明け渡りたれば、もう狼藉者はいる
気遣
(
きづかい
)
はなかろうと
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
皮ばかりの死骸は森の中の暗い処、おまけに意地の
汚
(
きたな
)
い
下司
(
げす
)
な動物が骨までしゃぶろうと何百という数でのしかかっていた日には、
酢
(
す
)
をぶちまけても分る
気遣
(
きづかい
)
はあるまい。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
といったところできゃつなかなか考える
気遣
(
きづかい
)
はない。あの皮のあたりへ行って背中をつけるが早いか必ずべたりとおいでになるに
極
(
きま
)
っている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
他人
(
ひと
)
の物は
己
(
おれ
)
の物と思って
他人
(
たにん
)
を欺くような人だから此の者を切るの突くのと仰しゃる
気遣
(
きづかい
)
は有るまいが、
猶
(
なお
)
念のため申す、
愈々
(
いよ/\
)
此の者をお許しなさるか
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
得て難癖が附こうてえ処でその身持じゃあ、三日と置く
気遣
(
きづかい
)
はありやしません。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おや、ついだのは、さすがにえらい。まさか、つぐ
気遣
(
きづかい
)
はなかろうと思った。ついで、くりゃるな
八幡鐘
(
はちまんがね
)
をと、こうやったら、どうするかね」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お繼はお前さんが可愛がるから
仮令
(
たとえ
)
見たとって、よもや貴方が親父を殺したとは気が付くまいと思いますから、
其処
(
そこ
)
がまだ子供だから分る
気遣
(
きづかい
)
は有りませんよ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「借りるのは
厭
(
いや
)
だ。
貰
(
もら
)
うなら貰ってもいいがね。——いや貰うのも御免だ、どうせくれる
気遣
(
きづかい
)
はないんだから。仕方がなければ、まあ取るんだな」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
又「おっと心得た、僕の
縁類
(
えんるい
)
が
佐野
(
さの
)
にあるから、佐野へ持って往って、山の中の谷川へ棄てるか、又は
無住
(
むじゅう
)
の寺へでも埋めれば人に知れる
気遣
(
きづかい
)
はないから心配したもうな」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
毛繻子張
(
けじゅすば
)
り
八間
(
はちけん
)
の
蝙蝠
(
こうもり
)
の柄には、幸い太い
瘤
(
こぶ
)
だらけの
頑丈
(
がんじょう
)
な
自然木
(
じねんぼく
)
が、付けてあるから、折れる
気遣
(
きづかい
)
はまずあるまい。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
上へ印の竹を立てゝ置けば、家捜しをされても大丈夫だ、そこで一旦身を隠して、半年か一年も立って、ほとぼりの冷めた時分
帰
(
けえ
)
って来て
掘出
(
ほりだ
)
せば大丈夫知れる
気遣
(
きづかい
)
はねえ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
けっして損になる
気遣
(
きづかい
)
はございません。
十分
(
じっぷん
)
坐れば、十分の功があり、二十分坐れば二十分の徳があるのは無論です。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
新「済まないのは知って居るが、
唯
(
たった
)
一度で諦めて是ッ切り
猥
(
いや
)
らしい事は云う
気遣
(
きづかい
)
ないから」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「なに道也なんぞが、何をかいたって、あんな地位のないものに世間が取り合う
気遣
(
きづかい
)
はないが、課長からそう云われて見ると、
放
(
ほう
)
って置けませんからね」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
又「それは
訳
(
わきゃ
)
アねえ、僕が鍋焼饂飩を売ってる場所は、毎晩
高橋
(
たかばし
)
際
(
ぎわ
)
へ荷を
降
(
おろ
)
して、鍋焼饂飩と
怒鳴
(
どな
)
って居るから、君が饂飩を喰う客の
積
(
つも
)
りで、そっと話をすれば知れる
気遣
(
きづかい
)
はあるめえ」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
不親切な人、冷淡な人ならば始めからそれ相応の用意をしてかかるから、いくら冷たくても驚ろく
気遣
(
きづかい
)
はない。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
梅「大丈夫でございます、知る
気遣
(
きづかい
)
ないと私は見抜いたから御安心なさいよ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
遣
常用漢字
中学
部首:⾡
13画
“気遣”で始まる語句
気遣無之