気遣きづかわ)” の例文
旧字:氣遣
我家の方角なれば、気遣きづかわしとてわれを負ひながら急ぎ帰りしが、我が住む横町へ曲らんとする瞬間、思ひがけなくも猛烈なる火は我家を焼きつつありと見るや母は足すくみて一歩も動かず。
わが幼時の美感 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
余は必ず深き思惑の有る可しと疑いめしに果せるかな彼れたちまち語調を変じ「夫はそうとしてお前あの、伯父を殺した短銃ぴすとる何所どこかった」余は藻西が何と答うるにやと殆ど気遣きづかわしさに堪えず手に汗を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
また他の人々は気遣きづかわしげに問う
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)