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平時
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いつ
ふりがな文庫
“
平時
(
いつ
)” の例文
銀之助の不平は
最早
(
もう
)
二月
(
ふたつき
)
前からのことである。そして
平時
(
いつ
)
も
此
(
この
)
不平を
明白
(
あからさま
)
に口へ出して言ふ時は『下宿屋だつて』を
持出
(
もちだ
)
す。決して腹の底の
或物
(
あるもの
)
は出さない。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
然るにこの位な
揶揄
(
やゆ
)
弄言
(
ろうげん
)
は平生面と向って談笑の間に
言合
(
いいあ
)
うにかかわらず、この手紙がイライラした神経によっぽど
触
(
さわ
)
ったものと見えて
平時
(
いつ
)
にない怒気紛々たる返事を直ぐ
寄越
(
よこ
)
した。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
住職の老人には私は
平時
(
いつ
)
も
顔馴染
(
かおなじみ
)
なので、この
時談
(
はなし
)
の
序
(
ついで
)
に、先夜見た
談
(
はなし
)
をすると、老僧は
莞爾
(
にっこり
)
笑いながら、
恐怖
(
こわ
)
かったろうと、いうから、私は別にそんな感も
起
(
おこ
)
らなかったと答えると
子供の霊
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
冬の事で、
四隣
(
あたり
)
は
至
(
いたっ
)
て静かなのに、
鉦
(
かね
)
の
音
(
ね
)
が淋しく
聞
(
きこ
)
える、私は
平時
(
いつ
)
も、店で書籍が積んである
傍
(
かたわら
)
に、寝るのが例なので、その晩も、用を
終
(
しま
)
って、
最早
(
もう
)
遅いから、例の如く一人で
床
(
とこ
)
に入った。
子供の霊
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
その頃
其処
(
そこ
)
にあった蕎麦屋の
暖簾
(
のれん
)
越しに、時計を見ると、まだ十時五分前なので、
此処
(
ここ
)
から三分もかかれば
家
(
うち
)
へ帰れるのだから、
確
(
たしか
)
に
平時
(
いつ
)
もの通り十時前には帰れると安心して、橋を渡って行った。
死神
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
“平時”の意味
《名詞》
平 時(へいじ)
平常な時。変わった事の無い時。平素。
平和な時。戦争の無い時。「万国公法」により日本にもたらされた華製新漢語。
(出典:Wiktionary)
平
常用漢字
小3
部首:⼲
5画
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
“平”で始まる語句
平
平常
平生
平素
平和
平坦
平伏
平地
平日
平家