居着いつ)” の例文
「ほんとうに、芸も、位も、江戸が一ばんですのに——みなさんで可愛がって上げたら、屹度きっとこっちに居着いついてしまうでしょうよ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「あるかないか、昔からの言い伝えじゃ。お内儀かみさん、お前さんもこの土地に居着いつきなさるものなら、よく覚えておおきなさい、鉾尖ヶ岳から白馬ヶ岳まで一筋の雲……」
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
来たばかりのおたけは勝手が判らないのでよほど困ったらしいが、それでも一生懸命に働いてくれた。暗い夜を薬取りの使つかいにも行ってくれた。目見得も済んで、翌日から私の家に居着いつくこととなった。
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)