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奇觀
奇觀、
妙觀と
謂つべし。で、
激流に
打込んだ
眞黒な
杭を、
下から
突支棒にした
高樓なぞは、
股引を
倒に、
輕業の
大屋臺を、チヨンと
木の
頭で
載せたやうで
面白い。
其さま/″\の
奇觀をも
足る
程眺めたれば、
之より
我が
懷かしき
日本へ
歸らんと、
當夜十一
時半拔錨の
弦月丸とて、
東洋行の
滊船に
乘組まんがため、
國の
名港ネープルスまで
來たのは
しかもこの
鎔岩が
流動して
種々の
奇觀を
呈するので、
觀光客を
絶えずひきつけてゐる。