いつ)” の例文
私はもう一度かの僧を呼び止めて、元禄武士に対する彼のいつわらざる意見を問いただしてみようかと思ったが、彼の迷惑を察してめた。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
実は無知な余をいつわりおおせた死は、いつの間にか余の血管にもぐり込んで、ともしい血を追い廻しつつ流れていたのだそうである。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
紀信きしんいつわって敵に降り、魏豹はとどまって城を守りました、いずれも主公の命に代わり、名を後世に残しましたもの。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「また、何かいつわりを構えて来たのだな」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)