平常いつ)” の例文
お徳はお源がどんな顔をして現われるかと内々待ていたが、平常いつも夕方には必然きっと水を汲みに来るのが姿も見せないので不思議に思っていた。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
被告の身にとつては人のい、福々ふく/″\した、朝餐あさめしうまく食べた裁判官に出会でくはすといふ事が大切だいじだが、原告になつてみると、平常いつも不満足たらしい
さいは心のく女であったので、信長の身近な用事は、平常いつもさいが心をくばっていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元来いったいこの倶楽部は夜分人の集っていることは少ないので、ストーブの煙は平常いつも昼間ばかり立ちのぼっているのである。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)