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何時
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いつ
ふりがな文庫
“
何時
(
いつ
)” の例文
そう
云
(
い
)
われて見ると、私は
何時
(
いつ
)
の何日に魚津へ行ったのだと、ハッキリ証拠を示すことが出来ぬ。それではやっぱり夢であったのか。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
うねうねとつづく街道筋を歩いて二人が
何時
(
いつ
)
の間にか石地蔵のある断崖の近くへくるまで南里君は鶺鴒の巣のあることを忘れていた。
鶺鴒の巣
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
よく見ると白い寂しい茸が五六本生えてゐて、うすぐもりの日かげが
何時
(
いつ
)
の間にか疎いひかりとなり、
藪柑子
(
やぶかうじ
)
のあたまを染めてゐる。
名園の落水
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
何時
(
いつ
)
から消えたんだい。おい、シイ坊……
戯談
(
じやうだん
)
ぢやないぜ……。(寝台に近づかうとして、そこに倒れてゐる女のからだにつまづく)
クロニック・モノロゲ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
何時
(
いつ
)
でも
夥
(
おびただ
)
しい崇拝者の群れが——日本風に言うと狼連が——取り巻いて居るという噂も、深井少年は充分に知り尽して居りました。
焔の中に歌う
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
そこで勘右衛門の家では、千代を座敷牢へ入れたが、
何時
(
いつ
)
の間にか脱け出して、自分の家へ火をつけて、浴槽の中へ入って焼死した。
風呂供養の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼は彼自身気づかなかつたが、この島に移り住んで以来、今まで彼の中に眠つてゐた野性が、
何時
(
いつ
)
か又眼をさまして来たのであつた。
老いたる素戔嗚尊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「おい、お婆さん、一銭のを貰うぜ。」と、言いながら、
何時
(
いつ
)
ものように、二銭の苞を取ろうとしました。すると、丁度その時です。
納豆合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
こんなに何事にも力の尽きたやうな今の
様
(
さま
)
がみじめでならなくも思はれるのであつた。二人の記者は
何時
(
いつ
)
の間にか席に居なくなつた。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「だってあなたのお母様は運動会のとき
何時
(
いつ
)
もいらっしってたじゃないの? そうして私のお母様といつも並んで見ていらしったわ」
麦藁帽子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
御酒
(
ごしゆ
)
をめし
上
(
あが
)
つたからとて
快
(
こゝろよく
)
くお
醉
(
ゑ
)
ひになるのではなく、いつも
蒼
(
あを
)
ざめた
顏
(
かほ
)
を
遊
(
あそ
)
ばして、
何時
(
いつ
)
も
額際
(
ひたひぎは
)
に
青
(
あを
)
い
筋
(
すぢ
)
が
顯
(
あら
)
はれて
居
(
を
)
りました。
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
それ
)
から
煩
(
わづら
)
ひついて、
何時
(
いつ
)
まで
經
(
た
)
つても
治
(
なほ
)
らなかつたから、
何
(
なに
)
もいはないで
其
(
そ
)
の
内
(
うち
)
をさがつた。
直
(
たゞ
)
ちに
忘
(
わす
)
れるやうに
快復
(
くわいふく
)
したのである。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その、美少女の左の胸のふくらみの下には、
何時
(
いつ
)
刺されたのか、白い
𣠽
(
つか
)
のついた
匕首
(
あいくち
)
が一本、無気味な刃を
衂
(
ちぬら
)
して突刺っているのだ。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
片腕の熊さんは、片腕で
跛
(
びっこ
)
であった。
何時
(
いつ
)
も夜になると私の
家
(
うち
)
の土間に、
空俵
(
あきたわら
)
を敷いてそこで「八」という私の犬と一緒に寝ていた。
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
何時
(
いつ
)
のほどにか来りけん、これなん黄金丸が
養親
(
やしないおや
)
、
牡牛
(
おうし
)
文角
(
ぶんかく
)
なりけるにぞ。「これはこれは」トばかりにて、二匹は再び
魂
(
きも
)
を消しぬ。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
何時
(
いつ
)
幾日
(
いくか
)
にどこでこういう事に出会ったとか、何という書物の中にどういう事があったとか、そういう直接体験の正直な証言の中に
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
斯くて
果
(
は
)
つべきに非ざれば、
辛
(
やうや
)
く我れと我身に思ひ決め、ふと首を擧ぐれば、振鈴の響耳に迫りて、身は
何時
(
いつ
)
しか庵室の前に立ちぬ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
代助は此細君を
捕
(
つら
)
まへて、かつて奥さんと云つた事がない。
何時
(
いつ
)
でも
三千代
(
みちよ
)
さん/\と、結婚しない前の通りに、
本名
(
ほんみよう
)
を
呼
(
よ
)
んでゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
まア/\死ぬのは
何時
(
いつ
)
でも死なれるから、
私
(
わたし
)
も斯うやってお前を助けるからはいざお
死
(
しに
)
なさいと刄物を渡す訳には人情として出来ん
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『それから
後
(
のち
)
は』と
帽子屋
(
ばうしや
)
は
悲
(
かな
)
しげな
調子
(
てうし
)
で、『
私
(
わたし
)
の
云
(
い
)
ふことを
聞
(
き
)
かなくなつて
了
(
しま
)
つて!まァ、
何時
(
いつ
)
でも六
時
(
じ
)
のところに
止
(
とま
)
つてゐる』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
早
(
はや
)
く
眼
(
め
)
がさめても
何時
(
いつ
)
までも
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
るのがいゝか、
遲
(
おそ
)
く
眼
(
め
)
がさめてもむつくり
起
(
お
)
きるのがいゝか、そのことで
兄弟
(
きやうだい
)
が
爭
(
あらそ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
樽屋
(
たるや
)
桶屋
(
おけや
)
の商売が
我邦
(
わがくに
)
にはじまったのは、はっきり
何時
(
いつ
)
からということはできないが、ともかくもそう古いころのことでないらしい。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
フォレーゼは聖なる
群
(
むれ
)
をさきにゆかしめ、我とともにあとより來りていひけるは。我の再び汝に會ふをうるは
何時
(
いつ
)
ぞや。 七三—七五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
『いや/\、
私
(
わたくし
)
は
却
(
かへつ
)
て、
天外
(
てんぐわい
)
※里
(
ばんり
)
の
此樣
(
こん
)
な
島
(
しま
)
から、
何時
(
いつ
)
までも、
君等
(
きみら
)
に
故郷
(
こきよう
)
の
空
(
そら
)
を
望
(
のぞ
)
ませる
事
(
こと
)
を
情
(
なさけ
)
なく
感
(
かん
)
ずるのです。』と
嘆息
(
たんそく
)
しつゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
私は
其面
(
そのかお
)
を
凝
(
じっ
)
と視ていた。すると、
何時
(
いつ
)
の間にか母が
側
(
そば
)
へ来ていて、泣声で、「息を引取る迄ね、お前に逢いたがりなすってね……」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
も勤め此家の
番頭
(
ばんとう
)
と
呼
(
よば
)
れたる
忠
(
ちう
)
八と云者
何時
(
いつ
)
の程にかお熊と
人知
(
ひとし
)
らぬ中となりけるが母のお常は是を知ると雖も其身も
密夫
(
みつぷ
)
有
(
ある
)
故
(
ゆゑ
)
に
渠
(
かれ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
三
(
みつ
)
つに
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
たお
品
(
しな
)
が
卯平
(
うへい
)
を
慕
(
した
)
うて
確乎
(
しつか
)
と
其
(
そ
)
の
家
(
うち
)
に
引
(
ひ
)
き
留
(
と
)
めたのはそれから
間
(
ま
)
もないことである。
蛇
(
へび
)
の
噺
(
はなし
)
は
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
消滅
(
せうめつ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
しかし
如何
(
いか
)
なる国の
何時
(
いつ
)
の代にも、魔法というようなことは人の心の中に存在した。そしてあるいは今でも存在しているかも知れない。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「夢見草」は今も自分の本箱の中にあるが、「門の草」は
何時
(
いつ
)
かしら古本屋にでも賣拂つたのであらう、自分の手もとには無くなつた。
貝殻追放:006 「八千代集」を読む
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
かかる微細な感情の集積せられ化合せられるところから
何時
(
いつ
)
となく醗酵する「時代」の空気、それが濃厚になって来ると、現実の生活
歴史の矛盾性
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
が、それには一応
何時
(
いつ
)
もの須山らしい調子があるようで、しかし
如何
(
いか
)
にも取ってつけた
只
(
ただ
)
ならぬさがあった。それが
直接
(
じか
)
に分った。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
窓は
何時
(
いつ
)
行っても半分と硝子の篏っていた例しがない……四階は独身室で、巡査も、車掌も、教員も、下駄の歯入屋も職工もいた。
歩む
(新字新仮名)
/
戸田豊子
(著)
機械
(
きかい
)
の
轟
(
とどろき
)
、
勞働者
(
ろうどうしや
)
の
鼻唄
(
はなうた
)
、
工場
(
こうば
)
の
前
(
まへ
)
を
通行
(
つうかう
)
する
度
(
たび
)
に、
何時
(
いつ
)
も耳にする響と聲だ。
決
(
けつ
)
して
驚
(
おどろ
)
くこともなければ、
不思議
(
ふしぎ
)
とするにも
足
(
た
)
らぬ。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
私は
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか、雷門の方を向いて人波の中を泳いでいました。泳いでいるといって好いか、揉み抜かれているといって好いか。
幕末維新懐古談:14 猛火の中の私たち
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
女の犯罪は、
何時
(
いつ
)
も自分の家庭に関係しているようです。わたしは、現犯時の年齢と罪名と云う統計の一つをここへ書いてみましょう。
新生の門:――栃木の女囚刑務所を訪ねて
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
言はれて
内室
(
ないしつ
)
に
入
(
はひ
)
つて見ると
成程
(
なるほど
)
石は
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
紫檀
(
したん
)
の
臺
(
だい
)
に
還
(
かへ
)
つて居たので
益々
(
ます/\
)
畏敬
(
ゐけい
)
の
念
(
ねん
)
を
高
(
たか
)
め、
恭
(
うや/\
)
しく老叟を
仰
(
あふ
)
ぎ見ると、老叟
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
御身
(
おんみ
)
とて
何時
(
いつ
)
までか父母の家に
留
(
とど
)
まり得べき、幸いの縁談まことに良縁と覚ゆるに、早く思い定めよかしと、いと
切
(
せ
)
めたる
御言葉
(
おんことば
)
なり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
細身
(
ほそみ
)
造りの大小、羽織
袴
(
はかま
)
の盛装に、意気な
何時
(
いつ
)
もの着流しよりもぐっと
丈
(
せい
)
の高く見える
痩立
(
やせだち
)
の
身体
(
からだ
)
は
危
(
あやう
)
いまでに前の方に
屈
(
かが
)
まっていた。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
福富は
何時
(
いつ
)
の日でも、人より遅く帰るのである。甲田が時々田辺校長から留守居を頼まれても不服に思はないのは
之
(
これ
)
がためである。
葉書
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
以前
何時
(
いつ
)
だったか、ある事がヒドク私の胸に衝動を与えた事がありました時、私は「草木の学問さらりと止めて歌でこの世を送りたい」
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
彼は何うする事も出来なかった。
何時
(
いつ
)
からともなく自分自身が自分の犯行を確信するといったような
変態的
(
へんたいてき
)
な心理に落ちて行った。
上海された男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
先月の十五日に出たッ切り帰らない人をここで
何時
(
いつ
)
までも待っているわけにもいくまいから、ちょっと一と筆書残して行くことにしよう
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「成程、あの
墓石
(
はかいし
)
に耳を当てがふと、
何時
(
いつ
)
でも茶の湯の
沸
(
たぎ
)
る音がしてまんな。
私
(
わて
)
も
俳優甲斐
(
やくしやがひ
)
に
洒落
(
しやれ
)
た
墓石
(
はかいし
)
が一つ欲しうおまんね。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ほど無く私は幾らかの
喝采
(
かつさい
)
の声に慢心を起した。そして
何時
(
いつ
)
しか私は、
独
(
ひと
)
りぼつちであらうとする誓約を忘れてしまつたのであらうか。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
人工の・
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
の・近代の・亡霊から完全に解放されているならばだ。ところが、実際は、
何時
(
いつ
)
何処
(
どこ
)
にいたってお前はお前なのだ。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
一、句数五千一万の多きに至らずとも、才能ある人は数年の星霜を
経
(
ふ
)
る間には自然と発達して、
何時
(
いつ
)
の間にか第二期に
入
(
い
)
りをる事多し。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そりや、
婆
(
ばあ
)
や、お前が
日常
(
いつも
)
言ふ通り、老少不常なんだから、
何時
(
いつ
)
如何
(
どんな
)
ことが起るまいとも知れないが、
然
(
し
)
かし
左様
(
さう
)
心配した日には
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
何時
(
いつ
)
か、何かの方法であなたが私に盡してくれるといふことがね——初めてあなたに
會
(
あ
)
つたときにあなたの眼を見てさう思つたんです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
左
(
さ
)
る代りに
夫
(
そ
)
れが首尾
能
(
よ
)
く
参
(
まいっ
)
て、
何時
(
いつ
)
の間にか世間一般の
風
(
ふう
)
になれば、私の
為
(
た
)
めには
恰
(
あたか
)
も心願成就で、こんな愉快なことはありません。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
何時
(
いつ
)
の間に登って来たのか、白ズボンをよれよれにし、紺の
開襟
(
かいきん
)
シャツの胸をはだけた勇が三尺の
登口
(
のぼりぐち
)
に不機嫌に
突立
(
つった
)
って居た。
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
“何時”の意味
《名詞》
(なんじ)一日の時間を24分割する時刻の単位において、不定または疑問を表す。
(出典:Wiktionary)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
“何時”で始まる語句
何時迄
何時頃
何時間
何時何時
何時代
何時比
何時罷
何時々々
何時々分
何時何日