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毎
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いつ
ふりがな文庫
“
毎
(
いつ
)” の例文
或
(
あ
)
る
騎兵大隊長
(
きへいだいたいちやう
)
の
夫人
(
ふじん
)
に
變者
(
かはりもの
)
があつて、
毎
(
いつ
)
でも
身
(
み
)
に
士官
(
しくわん
)
の
服
(
ふく
)
を
着
(
つ
)
けて、
夜
(
よる
)
になると
一人
(
ひとり
)
で、カフカズの
山中
(
さんちゆう
)
を
案内者
(
あんないしや
)
もなく
騎馬
(
きば
)
で
行
(
ゆ
)
く。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
兼「人を馬鹿にするなア、
毎
(
いつ
)
でもしめえにア
其様
(
そん
)
な事だ、おやア
折
(
おり
)
を置いて行ったぜ、平清のお土産とは気が利いてる、
一杯
(
いっぺい
)
飲めるぜ」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
衣服こそ貧しくあるが、
毎
(
いつ
)
もきちんとして
垢
(
あか
)
の付かぬ物を着ているという、一分の隙もない
状
(
なり
)
風俗だから余計に話が面白いのだ。
おもかげ抄
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
お情けで
会
(
たま
)
に載せて貰ふ写真。彼は息子に対して、
毎
(
いつ
)
も乍ら耻らひを感じた。此の息子の眼に、役者としての自分がどの位に映るだらう。
虎
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
「君は
毎
(
いつ
)
も妙な事を言ふ人ぢやね。アルフレッド大王とは奇想天外だ。僕の親友を古英雄に擬してくれた御礼に
一盃
(
いつぱい
)
を献じやう」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
此頃のくせで、起き出る頃は、
毎
(
いつ
)
も
満目
(
まんもく
)
の
霧
(
きり
)
。雨だなと思うと、朝飯食ってしまう頃からからりと
霽
(
は
)
れて、申分なき
秋暑
(
しゅうしょ
)
になる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
毎
(
いつ
)
も宿り客の内幕を遠慮も無く話し
散
(
ちら
)
すに
引代
(
ひきかえ
)
て、余計な事をお
問
(
とい
)
なさるなと厳しく余を
遣込
(
やりこ
)
めたれば余が不審は是よりして
却
(
かえっ
)
て、益々
募
(
つの
)
り
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
この二馬は一和して
住
(
とど
)
まる、これ
両
(
ふたつ
)
ながら荒くて癖が悪く、
毎
(
いつ
)
も
絆
(
つな
)
を咬み切る、罪を同じゅうし過ちを
斉
(
ひと
)
しゅうする者は必ず仲がよいと答え
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
藝術
(
げいじゆつ
)
の
價値
(
かち
)
だの、
理想
(
りさう
)
の
永遠
(
えいえん
)
だのといふことを、
毎
(
いつ
)
も
口癖
(
くちぐせ
)
のやうにしてゐる友としては、今日の云ふことは
何
(
なん
)
だか
少
(
すこ
)
し
可笑
(
おか
)
しい……と私は思ツた。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
あの人にも困つたもんや、あんな家を建て腐りにしといて、
熟
(
う
)
んだとも潰れたともいうて來んのやもん、家屋税は
毎
(
いつ
)
でもわしが立て替へやないか。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
僕は此処へ来て此の景色を見ると
毎
(
いつ
)
も何だか悲愴な厳粛な気持ちになつて祝福し度い心に充たされるんですよ。此町は実に苦しんだのですからね。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
自畫自讚に而人には不
レ
申候得共、東湖も心に被
レ
惡
(
にくま
)
候
向
(
むき
)
に而は無
二
御座
一
、
毎
(
いつ
)
も丈夫と呼ばれ、過分の至に御座候。
遺牘
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
する者も
無
(
なけ
)
れど誰しも欲の世の中なれば身上の太きに
愛
(
めで
)
て
言込者
(
いひこむもの
)
も又多かり然共持參金の不足より
毎
(
いつ
)
も相談
整
(
とゝ
)
のは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
第一、何処へかお出掛けになる時は
毎
(
いつ
)
でも俺がお伴を
仰付
(
あふせつ
)
かるから子、君達が指でもさせば直ぐワンと
喰付
(
くらひつ
)
く。
麺包
(
パン
)
の一
片
(
きれ
)
や二片呉れたからつて容赦は無いよ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
なんだろう? 此の人は、まあ、——しかしそれで、
毎
(
いつ
)
も夫に話す様な気軽い口調になれた。
鋳物工場
(新字新仮名)
/
戸田豊子
(著)
物事に迷易くて
毎
(
いつ
)
も愚痴ばかりでは
頼甲斐
(
たのみがい
)
のない様にも
有
(
あり
)
、
世智賢
(
せちがしこ
)
くて
痒
(
かゆ
)
いところまで手の届く方は又た女を馬鹿にしたようで此方の
欠点
(
あら
)
まで見透されるかと恐しくもあるし
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
近来はヒマラヤ山
嶺
(
いただき
)
の天文台で、極めて鋭敏な写真機を以て天を写すのだから、よほど早く分かりはするが、それでも火星人の方が更に早い、
毎
(
いつ
)
でも我が地球へ注意してくれる。
暗黒星
(新字新仮名)
/
シモン・ニューコム
(著)
斯うして私の小さいけれど際限の無い慾が、
毎
(
いつ
)
も祖母を
透
(
とお
)
して遂げられる。それは子供心にも薄々
了解
(
のみこめ
)
るから、自然家内中で私の一番
好
(
すき
)
なのは祖母で、お
祖母
(
ばあ
)
さんお祖母さんと跡を慕う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
毎
(
いつ
)
も毎も定った物許りで詰らない、一つ此でも遣って見よう、と云う場合と、其物語に共鳴し人生に非常に価値ある事件として、見る者を驚歎させようと思った場合とは、心の態度に於て
二つの態度
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それから四度の歸國にも
毎
(
いつ
)
も自分はなつかしく見上げて居たのである。
山遊び
(旧字旧仮名)
/
木下利玄
(著)
それから後も縁談はしばしばあったが、「まあもう少し」という平三郎の気持を思いやって、
毎
(
いつ
)
もそのまま話をすすめずに通していった。
日本婦道記:小指
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
仁「恐れ入りましたな、何ともお礼の申そうようはございません、
毎
(
いつ
)
もお噂ばかり申しております実に余り十分過ぎまして……」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
朝飯が済でから身仕度するが
凡
(
およ
)
そ二時まで掛ります、大層着物を
被
(
き
)
るのが
八
(
や
)
かましい人で
毎
(
いつ
)
でも婚礼の時かと思うほど
身綺麗
(
みぎれい
)
にして居ました
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
また深い穴に
毎
(
いつ
)
も毒ガス
充
(
み
)
ちいて入り来る人を殺す。それを不思議がる余り、バシリスクの所為と信じたのだと説いたは道理ありというべし。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「間、貴様は犬の
糞
(
くそ
)
で
仇
(
かたき
)
を取らうと思つてゐるな。遣つて見ろ、そんな場合には
自今
(
これから
)
毎
(
いつ
)
でも蒲田が現れて
取挫
(
とりひし
)
いで遣るから」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
花月園内には京浜第一の、大舞踏場がある事は、
兼々
(
かね/″\
)
知つてゐた。そして其処では水曜と土曜と日曜とに、
毎
(
いつ
)
もバンドが来て舞踏会が開かれてゐた。
私の社交ダンス
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
「一つ珍物を喰はさうかなあ。」と、父は
毎
(
いつ
)
も
年齡
(
とし
)
を訊かれた時にするやうな
手段
(
てだて
)
で、話を
他
(
わき
)
へ持つて行かうとした。
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
晩
(
ばん
)
には
毎
(
いつ
)
も
郵便局長
(
いうびんきよくちやう
)
のミハイル、アウエリヤヌヰチが
遊
(
あそ
)
びに
來
(
く
)
る。アンドレイ、エヒミチに
取
(
と
)
つては
此
(
こ
)
の
人間
(
ひと
)
計
(
ばか
)
りが、
町中
(
まちゞゆう
)
で
一人
(
ひとり
)
氣
(
き
)
の
置
(
お
)
けぬ
親友
(
しんいう
)
なので。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あの女が
毎
(
いつ
)
も俺に「
実
(
じつ
)
がない。狡るい。」と云つたり、「此人はこんな人の善さ相な温和しい顔してゐて、
心
(
しん
)
はそれは氷のやうにきついんですからね。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
玉川に遠いのが
毎
(
いつ
)
も繰り返えされる失望であったが、井水が
清
(
す
)
んだのでいさゝか慰めた。農家は毎夜風呂を立てる。彼等も成る可く立てた。最初寒い内は土間に立てた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
小説に関する御議論も中々あるらしいやうだ。荒尾君の作などは
毎
(
いつ
)
でも
骨灰
(
こつぱい
)
に
軽蔑
(
けな
)
される、お邸の書斎には
沙翁
(
シエークスピーア
)
を初めヂツケンスやサツカレイの全集が飾つてあるさうな。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
偖
(
さて
)
又
(
また
)
爰
(
こゝ
)
に
武州
(
ぶしう
)
熊谷堤
(
くまがいづつみ
)
の
外
(
はづ
)
れに
寶珠花屋
(
はうじゆばなや
)
八五郎と云居酒屋あり亭主八五郎は此邊の
口利
(
くちきゝ
)
にて
喧嘩
(
けんくわ
)
或ひは出入等之ある時は
毎
(
いつ
)
も
扱
(
あつか
)
ひに
這入
(
はひり
)
ては
其騷動
(
そのさうどう
)
を
鎭
(
しづ
)
めけるに
渠
(
かれ
)
が云事は皆是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
毎
(
いつ
)
でも御顔色が病人のようになって、鼻の先が光りまして、
眉
(
まゆ
)
の間が茶色に見えます。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
毎
(
いつ
)
もそんな姿だけが眼に浮ぶ。
歩む
(新字新仮名)
/
戸田豊子
(著)
それも
宜
(
い
)
いが、己も
先
(
せん
)
の利齋の弟子で、
毎
(
いつ
)
も話す通り三年釘を削らせられた辛抱を仕通したお蔭で、是までになったのだから
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
家のまわりは
毎
(
いつ
)
もひっそりしていたし、たまに話し声がすると思って見ると、三町も向うの田道をゆくもの
詣
(
もう
)
での人だった。
野分
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
宮は
毎
(
いつ
)
よりも
心煩
(
こころわづらはし
)
きこの日なれば、かの筆採りて書続けんと
為
(
し
)
たりしが、
余
(
あまり
)
に思乱るればさるべき力も無くて、いとどしく紛れかねてゐたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
世間は讒人で満ち居るから何分讒言に
中
(
あ
)
てられぬよう注意せよと言って死んだ、善牙獅
毎
(
いつ
)
も
麞
(
ガゼル
)
を殺すと肉を啖い血を
啜
(
すす
)
って直ちに巣へ帰ったが
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
天滿宮の境内で催される
定例
(
ぢやうれい
)
の盆踊は、場所がだだツ廣くて、若い衆と娘たちとが押し合ふのに工合がわるいさうで、
毎
(
いつ
)
も餘りはずまずに流れて了ふが
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
目科の今日の
打扮
(
いでたち
)
は
毎
(
いつ
)
もより遙か立派にして殊に時計其他の持物も殆ど贅沢の限りを尽し
何
(
ど
)
う見ても
衣服蕩楽
(
なりどうらく
)
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
時
(
とき
)
は
丁度
(
ちやうど
)
四
時過
(
じす
)
ぎ。
毎
(
いつ
)
もなら
院長
(
ゐんちやう
)
は
自分
(
じぶん
)
の
室
(
へや
)
から
室
(
へや
)
へと
歩
(
ある
)
いてゐると、ダリユシカが、
麥酒
(
ビール
)
は
旦那樣
(
だんなさま
)
如何
(
いかゞ
)
ですか、と
問
(
と
)
ふ
刻限
(
こくげん
)
。
戸外
(
こぐわい
)
は
靜
(
しづか
)
に
晴渡
(
はれわた
)
つた
天氣
(
てんき
)
である。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
二人の間には同情が通つてゐても、何となく
毎
(
いつ
)
もよりぎごちなかつた。そこで私は姉が鳥渡臺所の方へ立つたのを機にして、一人になるべく二階へ上つて行つた。
受験生の手記
(旧字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
使
(
つか
)
って見ると、少し
愚
(
おろ
)
かしい
点
(
とこ
)
もあるが、如何にも親切な女で、
毎
(
いつ
)
も
莞爾々々
(
にこにこ
)
して居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
彼は
大波止
(
おほはと
)
の海岸の方へ向つて浜から来る汐臭い秋風に
顫
(
ふる
)
へながら歩いた。
毎
(
いつ
)
も其処を通る毎に癖のやうに引きずられて立寄るシナ店の前をも彼は今気がつかずに通り越してゐた。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
殊
(
こと
)
に寝起の時の御顔色は、
毎
(
いつ
)
も
微
(
すこ
)
し青ざめて、
老衰
(
おいおとろ
)
えた御様子が
明白
(
ありあり
)
と解りました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
呼
(
よび
)
我等が名代に萬八へ行き仲間の者にも
知己
(
ちかづき
)
に成るべしと云ふに千太郎は
畏
(
かしこ
)
まり候と
頓
(
やが
)
て支度に掛りしに持參の衣類は
商人
(
あきうど
)
には立派過ると養父の
差※
(
さしづ
)
に
毎
(
いつ
)
もの
松坂縞
(
まつざかじま
)
の布子に
御納戸木綿
(
おなんどもめん
)
の
羽織
(
はおり
)
何所
(
どこ
)
から見ても大家の養子とは受取兼る樣子なり其時養父五兵衞は千太郎に云ひける樣今日の
馳走
(
ちそう
)
は總て
割合
(
わりあひ
)
勘定
(
かんぢやう
)
なれば
遠慮
(
ゑんりよ
)
には
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
志津子は美しさ許りでなく、泳ぎにかけてもその浜で続く者がなく、
毎
(
いつ
)
も海へ入るなり、ぐんぐんと抜いて、遥かに遠い沖へ独りで行って
了
(
しま
)
う。
海浜荘の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
而
(
しか
)
して自分らの水游ぎを戒むるとて、母が
毎
(
いつ
)
も通し蛇が水游ぐ児の肛門より入りてその腸を食い、前歯を欠いて口より出ると言うを聞き
怖
(
お
)
じた。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
少し此の日は
空合
(
そらあい
)
が悪くてばら/\/\と降出しましたから、
毎
(
いつ
)
もより早く帰って脚半を取って、山之助お繼が次の間に足を投出して居りまする。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
毎
(
いつ
)
も家へばツかりドツサリ割り付けやはるんだすやろけど、商賣やさかい餘計難儀だすがな。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
毎
常用漢字
小2
部首:⽏
6画
“毎”を含む語句
毎日
毎々
毎度
毎年
毎朝
毎晩
度毎
毎夜
毎時
家毎
毎日々々
毎歳
毎〻
毎日電報
毎月
事毎
戸毎
其度毎
番毎
毎日曜日
...