“松坂縞”の読み方と例文
読み方割合
まつざかじま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
婦女おんなの身としては他人よその見る眼も羞ずかしけれど、何にもかも貧がさする不如意に是非のなく、いま縫う猪之いのが綿入れも洗いざらした松坂縞まつざかじま
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
茶微塵ちゃみじん松坂縞まつざかじま広袖ひろそで厚綿あつわたの入った八丈木綿の半纒を着て、目鏡めがねをかけ、行灯あんどんの前で其の頃鍜冶かじの名人と呼ばれました神田の地蔵橋の國廣くにひろの打ったのみと、浅草田圃の吉廣よしひろ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
よび我等が名代に萬八へ行き仲間の者にも知己ちかづきに成るべしと云ふに千太郎はかしこまり候とやがて支度に掛りしに持參の衣類は商人あきうどには立派過ると養父の差※さしづいつもの松坂縞まつざかじまの布子に御納戸木綿おなんどもめん羽織はおり何所どこから見ても大家の養子とは受取兼る樣子なり其時養父五兵衞は千太郎に云ひける樣今日の馳走ちそうは總て割合わりあひ勘定かんぢやうなれば遠慮ゑんりよには
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)