“一痕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっこん75.0%
いつこん25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
茂朝の膝に凭(もた)れたまま、光秀は、面(おもて)を天に向けた。一痕(いっこん)の月を凝視することしばしであった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その夜(よ)も明けないうちである。王命を果した金将軍は桂月香を背負いながら、人気(ひとけ)のない野原を走っていた。野原の涯(はて)には残月が一痕(いっこん)、ちょうど暗い丘のかげに沈もうとしているところだった。
金将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
茫々(ばうばう)とした枯野の暮色が、一痕(いつこん)の月の光もなく、夢のやうに漂つてでもゐたのかも知れない。
枯野抄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)