のこ)” の例文
あるいはその外輪がほかのものに等値的にのこせし射影、さらにその等値性よりして、それと交換しうる異質的存在を指し示す。
うつす (新字新仮名) / 中井正一(著)
が、パトリツクはその時、寧ろ自ら進み寄つて、一気に、最も身軽な三段飛びで、身を翻して化物の肚の中へ飛び込んでしまつた。だから五体には化物の歯型一つのこらなかつた。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
この見かたの底には、一抹の感情移入的見かたをのこすとはいえ、かの規律と関係と統一を求めるところの、彼にいわしむるならば「精神の数学的作品」の意味するところのものが含まれている。
近代美の研究 (新字新仮名) / 中井正一(著)