“瘢痕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はんこん66.7%
あと11.1%
きずあと11.1%
きず5.6%
ばんこん5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
テラテラに禿げた赭黒い瘢痕はんこんが右の眼尻から顳顬一帯に隆起し、その上に七八本の毛がマバラに生えている。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そうして、その肉体は明らかに「強制的の結婚」によって蹂躙じゅうりんされていることが、その唇を隈取っている猿轡さるぐつわ瘢痕あとでも察しられるのでした。
死後の恋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「私の腕や、瘢痕きずあとだらけの顏を見たときには、ジエィン、あなたはぞつとしたでせうね。」
それで見物の衆はインチキ見世物を見せられたことになると思うのですが、実は僕の背の左側に楕円形の大きな瘢痕きずがあるんです。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
癒えたがかさぶたを結んだところが瘢痕ばんこん組織で補はれたと見えてそこにあとが残つた。その小さい男根図の痕は、小学校を出て中学校に入り中学校を出て高等学校に入るころまでは残つてゐた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)