瘢痕あと)” の例文
そうして、その肉体は明らかに「強制的の結婚」によって蹂躙じゅうりんされていることが、その唇を隈取っている猿轡さるぐつわ瘢痕あとでも察しられるのでした。
死後の恋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その肋骨あばらから背中へかけて痛々しい鞭の瘢痕あとが薄赤く又薄黒く引き散らされていた。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)