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狂
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きちがい
ふりがな文庫
“
狂
(
きちがい
)” の例文
晩年則重は和歌
狂
(
きちがい
)
であったから、いかさま辞世の一首があるべきだと云うので、何者かゞ後から偽作したように疑えないでもない。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
日本
狂
(
きちがい
)
とも言いたいほど日本
贔負
(
びいき
)
の婦人であった。その人が岸本を紹介してくれたのであった。老婦人は居間の方へ岸本を連れて行った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
材木屋
※
(
やまかわ
)
の若い者で、
蔭日陽
(
かげひなた
)
なく働く
好人物
(
おひとよし
)
であるがタッタ一つの病気は芝居
狂
(
きちがい
)
で、しかも
女形
(
おんながた
)
を
以
(
もっ
)
て自任しているのが、玉に
疵
(
きず
)
と云おうか、疵に玉とでも云うのか。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
財産を無くして、
狂
(
きちがい
)
になる。世の中が思う様にならぬでヤケを起し、太く短く世を渡ろうとしてさまざまの不心得をする。鬼に
窘
(
いじ
)
められて鬼になり他の
小児
(
こども
)
の積む石を崩してあるくも少くない。
地蔵尊
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
財産を無くして、
狂
(
きちがい
)
になる。世の中が思う様にならぬでヤケを起し、太く短く世を渡ろうとしてさま/″\の
不心得
(
ふこころえ
)
をする。鬼に
窘
(
いじ
)
められて鬼になり、他の小児の積む石を崩してあるくも少くない。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
あの中にある
風精
(
ジルフェ
)
の印象を一つに集めて、それに観照の姿を浮ばしめる——その狂言の世界だ。けっして、あの
狂
(
きちがい
)
詩人が、単に一個の想い出の画を描くだけで、満足するものではないと思ったからだ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
思い屈したあまり、彼はどうかすると
裸体
(
はだか
)
で学校のグラウンドでも走り廻りたいような気を起して、自分で自分の
狂
(
きちがい
)
じみた心に
呆
(
あき
)
れたこともある。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
狂
(
きちがい
)
になった女が毎晩この辺をうろうろする。なんでも君、貧に迫って自分の子供を殺したんだそうだ。僕はその話を
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「僕等の
阿爺
(
おやじ
)
が
狂
(
きちがい
)
に成ったのも、この幽霊の御蔭ですネ……」と復た彼は姉の方を見て言った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
厳粛な宗教生活を送った人達の生涯を慕う
傍
(
そば
)
から、自分の
内部
(
なか
)
に
萌
(
きざ
)
して来る
狂
(
きちがい
)
じみたものを
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
岸本が同年配の他の青年の知らないような心の戦いを重ねたのもその憂鬱の結果であったが、しかし彼は
狂
(
きちがい
)
じみたという程度に踏みこたえた。父のは、それが本物であった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
書きました。ああ
狂
(
きちがい
)
……私のようなものが世の中に居るのは間違なんで御座いましょう……
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
責め抜いた
残酷
(
むご
)
たらしさ——沈黙を守ろうと思い立つように成った心の
悶
(
もだ
)
え——
狂
(
きちがい
)
じみた
真似
(
まね
)
——同窓の学友にすら話しもせずにあるその日までの心の戦を自分の目上の人達がどうして知ろう
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「何だか俺はほんとに
狂
(
きちがい
)
にでも成りそうだ」
ある女の生涯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
狂
常用漢字
中学
部首:⽝
7画
“狂”を含む語句
狂人
狂言
偏執狂
気狂
狂気
狂犬
物狂
狂氣
頓狂
狂乱
狂死
狂者
狂風
酔狂
死物狂
癲狂院
狂喜
素頓狂
発狂
狂暴
...