“偏執狂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
モノマニア36.4%
へんしつきやう9.1%
へんしつきょう9.1%
へんしふきやう9.1%
へんしゅうきょう9.1%
マニア9.1%
マニヤック9.1%
モノメニア9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこには一世の師表たる碩学せきがくも、ただ一種の学的偏執狂モノマニア——父性愛も何もない本当の一個の偏執狂としか現れてはいなかった。
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)
今日の言葉で言へば、ヒステリー性の偏執狂へんしつきやうとでも言ふべきでせう。
彼は最早もはや常人ではなかった。彼は指の偏執狂へんしつきょうだった。死んだ愛人の彰子あきこの手のように素晴らしく綺麗で立派な指を探ろうとする偏執狂だった。
指と指環 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
頬から額に化石した苦惱のしわ、眼鼻立は立派で、決して醜い方ではありませんが、ヒステリツクで、陰慘で、偏執狂へんしふきやうなどによくある、歪んだ顏から來る不氣味さは、二度と見る勇氣が無くなります。
銭形平次捕物控:282 密室 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
眼はカッと宙をにらんで、頬からひたいに化石した苦悩のしわ、眼鼻立は立派で、決して醜い方ではありませんが、ヒステリックで、陰惨いんさんで、偏執狂へんしゅうきょうなどによくある、ゆがんだ顔からくる不気味さは
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
さもなければ愚鈍な、単純な人間によく見受ける一種の職業偏執狂で、この配達手君の場合では一種の配達偏執狂マニアともいうべきものではないか! ぐらいにしか考えていなかった。
眼を開く (新字新仮名) / 夢野久作(著)
確たる考えも何もあるもんか! 君の方こそ、僕を初めてやつの所へ引っ張って行ったとき、偏執狂マニヤックのようにいって聞かせたじゃないか……それに、つい昨日も僕らは焚火たきびに油をかけたようなもんだ。
次第に緊張し張り切って来る心の苦痛で彼女は一種の偏執狂モノメニアになりかけであった。一人静かにいる時、彼女は、この生活がいつまで続くかという恐怖の塊りであった。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)