“好人物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おひとよし52.9%
こうじんぶつ29.4%
いいひと5.9%
おこゝろよし5.9%
ひとよし5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
両親はまだ四十前の働者はたらきもの、母はほん好人物おひとよしで、吾児にさへも強いことば一つ掛けぬといふたち、父は又父で、村には珍らしく酒も左程たしなまず
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
平顔の目の小さいくちびるのあつい、見たとおりの好人物こうじんぶつ、人と話をするにかならず、にこにことわらっている人だ。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
あれの御父おとっさんも御出なすったし、幸い一緒に連れて帰って貰う積りで、わざわざ長野までも出掛けては見たが、さて御父さんの顔を見ると——ああいう好人物いいひとだからなア
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
たま/\律儀真方まつぱうの人なら神野霜兵衛さんのやうな世間に技倆はたらきの無い好人物おこゝろよしだ子。真摯まじめな思慮のある人間が誰が女の許へ来るもんかナ。邸の嬢様は立派な御発明な方だから男に呑まれるやうな事は無い。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
「という訳で」と書記は冷くなった酒を飲干して、「ところが同僚は極の好人物ひとよしだもんだで、君どうでしょう、泣寝入さ。私は物数寄ものずきにその番人を見に行きやした。 ...
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)