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狂
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くる
ふりがな文庫
“
狂
(
くる
)” の例文
件
(
くだん
)
の
古井戸
(
ふるゐど
)
は、
先住
(
せんぢう
)
の
家
(
いへ
)
の
妻
(
つま
)
ものに
狂
(
くる
)
ふことありて
其處
(
そこ
)
に
空
(
むな
)
しくなりぬとぞ。
朽
(
く
)
ちたる
蓋
(
ふた
)
犇々
(
ひし/\
)
として
大
(
おほ
)
いなる
石
(
いし
)
のおもしを
置
(
お
)
いたり。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
二十日の後、いっぱいに水を
湛
(
たた
)
えた
盃
(
さかずき
)
を右
肱
(
ひじ
)
の上に
載
(
の
)
せて
剛弓
(
ごうきゅう
)
を引くに、
狙
(
ねら
)
いに
狂
(
くる
)
いの無いのはもとより、杯中の水も微動だにしない。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
のような、
鳥
(
とり
)
の
鳴
(
な
)
く
声
(
こえ
)
のような、また
風
(
かぜ
)
の
狂
(
くる
)
う
響
(
ひび
)
きのような、さまざまな
音
(
おと
)
のする
間
(
あいだ
)
に、いろいろなことが
空想
(
くうそう
)
されるのでした。
汽船の中の父と子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
シューラはおいおい
泣
(
な
)
いた。あたりのものがばら
色
(
いろ
)
の
靄
(
もや
)
に
包
(
つつ
)
まれて、ふわふわ
動
(
うご
)
き
出
(
だ
)
した。もの
狂
(
くる
)
おしい
屈辱感
(
くつじょくかん
)
に気が
遠
(
とお
)
くなったのだ。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
若しあなたが氣違ひになつたら、
襞
(
ひだ
)
もない
胴衣
(
チヨッキ
)
ではなくて、私の腕があなたを抱き留め——
狂
(
くる
)
つたあなたの掴握も私には愛しいだらう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
生みます。それから結婚します。すこし、前後の順序は
狂
(
くる
)
ったようだけれど。どっちしたって、そうパッショネートなものじゃありません
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
船長
(
せんちやう
)
も
一等運轉手
(
チーフメート
)
も
度
(
ど
)
を
失
(
うしな
)
つて、
船橋
(
せんけう
)
を
驅
(
か
)
け
上
(
あが
)
り、
驅
(
か
)
け
降
(
くだ
)
り、
後甲板
(
こうかんぱん
)
に
馳
(
は
)
せ、
前甲板
(
ぜんかんぱん
)
に
跳
(
おど
)
り
狂
(
くる
)
ふて、
聲
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りに
絶叫
(
ぜつけう
)
した。
水夫
(
すゐふ
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
すると——そのようすを、
研
(
と
)
ぎすましたような
眼
(
まな
)
ざしで、ジーッと見つめていた
巡礼
(
じゅんれい
)
のお
時
(
とき
)
が、とつぜん、気でも
狂
(
くる
)
ったように
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
刀
(
かたな
)
を
抜
(
ぬ
)
いておどしますと、
犬
(
いぬ
)
はなおなおはげしく
狂
(
くる
)
い
回
(
まわ
)
って、りょうしの
振
(
ふ
)
り
上
(
あ
)
げる
刀
(
かたな
)
の下をくぐって、いきなりその
胸
(
むね
)
に
飛
(
と
)
びつきました。
忠義な犬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
燬
(
や
)
く
樣
(
やう
)
な
日
(
ひ
)
の
下
(
した
)
に、
渦
(
うづ
)
を
捲
(
ま
)
いて
狂
(
くる
)
ひ
出
(
だ
)
しさうな
瓦
(
かはら
)
の
色
(
いろ
)
が、
幾里
(
いくり
)
となく
續
(
つゞ
)
く
景色
(
けしき
)
を、
高
(
たか
)
い
所
(
ところ
)
から
眺
(
なが
)
めて、
是
(
これ
)
でこそ
東京
(
とうきやう
)
だと
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
さへあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは
勿論
(
もちろん
)
正氣
(
せうき
)
の
人
(
ひと
)
の
目
(
め
)
からは
氣
(
き
)
ちがひと
見
(
み
)
える
筈
(
はづ
)
、
自分
(
じぶん
)
ながら
少
(
すこ
)
し
狂
(
くる
)
つて
居
(
い
)
ると
思
(
おも
)
ふ
位
(
くらゐ
)
なれど、
氣
(
き
)
ちがひだとて
種
(
たね
)
なしに
間違
(
まちが
)
ふ
物
(
もの
)
でもなく
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
始終
(
しゞゆう
)
氣
(
き
)
の
狂
(
くる
)
つたやうに
跳
(
は
)
ね
廻
(
まは
)
つて
居
(
ゐ
)
た二
疋
(
ひき
)
の
動物
(
どうぶつ
)
は、
極
(
きは
)
めて
悲
(
かな
)
しげにも
亦
(
また
)
靜
(
しづ
)
かに
再
(
ふたゝ
)
び
坐
(
すわ
)
り
込
(
こ
)
み、
愛
(
あい
)
ちやんの
方
(
はう
)
を
眺
(
なが
)
めました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「貴様の
為
(
ため
)
にクルウの調子が
狂
(
くる
)
って、もし、負けたら、手足の折れるまで、
撲
(
なぐ
)
りたおすから、そう思え」それから、なんと
叱
(
しか
)
られたか忘れました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
庭には
沈丁花
(
ちんちょうげ
)
の
甘
(
あま
)
い
香
(
か
)
が日も夜も
溢
(
あふ
)
れる。梅は赤い
萼
(
がく
)
になって、
晩咲
(
おそざき
)
紅梅
(
こうばい
)
の蕾がふくれた。犬が
母子
(
おやこ
)
で
芝生
(
しばふ
)
にトチ
狂
(
くる
)
う。猫が小犬の様に
駈
(
か
)
け
廻
(
まわ
)
る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
今日
(
けふ
)
はほんとうにお
珍
(
めづら
)
しいおいでゝ、お
歸
(
かへ
)
りになつてから「お
前
(
まへ
)
は今日よつぽどどうかしてゐたね。」といはれましたほど、
私
(
わたし
)
の
調子
(
てうし
)
が
狂
(
くる
)
ひました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
目だつほどの
狂
(
くる
)
いを見せたことは、幸いにして一度もなかったが、気分の波が常にそれに作用していたことは、さすがに見のがせないものがあった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「あの
人
(
ひと
)
を
殺
(
ころ
)
して
下
(
くだ
)
さい。わたしはあの
人
(
ひと
)
が
生
(
い
)
きてゐては、あなたと一しよにはゐられません。」——
妻
(
つま
)
は
氣
(
き
)
が
狂
(
くる
)
つたやうに、
何度
(
なんど
)
もかう
叫
(
さけ
)
び
立
(
た
)
てた。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さま/″\の
浪言
(
らうげん
)
をのゝしりて
家内
(
かない
)
を
狂
(
くる
)
ひはしるを見て、
両親
(
ふたおや
)
娘が
丹精
(
たんせい
)
したる心の内をおもひやりて
哭
(
なき
)
になきけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
真黒
(
まっくろ
)
く
日
(
ひ
)
に
焦
(
や
)
けた
躯
(
からだ
)
を
躍
(
おど
)
り
狂
(
くる
)
わせて
水
(
みず
)
くぐりをしているところはまるで
河童
(
かっぱ
)
のよう、よくあんなにもふざけられたものだと
感心
(
かんしん
)
される
位
(
くらい
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それにピッタリ当てはまっているのだから、神尾喬之助、
狂
(
くる
)
ったと見せて、狂ったどころか、内実は
虎視眈々
(
こしたんたん
)
、今にも、長
刃
(
じん
)
、
灯
(
ひ
)
を
割
(
さ
)
いて
飛来
(
ひらい
)
しそう……。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
こいつらは人の
眼
(
め
)
には見えないのですが、一ぺん風に
狂
(
くる
)
い出すと、台地のはずれの雪の上から、すぐぼやぼやの雪雲をふんで、空をかけまわりもするのです。
水仙月の四日
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
宇受女命
(
うずめのみこと
)
は、お
乳
(
ちち
)
もお
腹
(
なか
)
も、もももまるだしにして、足をとんとん
踏
(
ふ
)
みならしながら、まるでつきものでもしたように、くるくるくるくると
踊
(
おど
)
り
狂
(
くる
)
いました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
卯平
(
うへい
)
の
手
(
て
)
もとは
餘程
(
よほど
)
狂
(
くる
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
彼
(
かれ
)
はすつと
燐寸
(
マツチ
)
を
擦
(
す
)
つたが
其
(
そ
)
の
火
(
ひ
)
は
手
(
て
)
が
落葉
(
おちば
)
に
達
(
たつ
)
するまでには
微
(
かす
)
かな
煙
(
けぶり
)
を
立
(
た
)
てゝ
消
(
き
)
えた。
燐寸
(
マツチ
)
はさうして五六
本
(
ぽん
)
棄
(
す
)
てられた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
隙
(
すか
)
さず
咽喉
(
のどもと
)
へ
突貫
(
つきとほ
)
さんとしけれども
手先
(
てさき
)
狂
(
くる
)
ひて
頬
(
ほゝ
)
より口まで
斬付
(
きりつけ
)
たり源八
悶
(
もだえ
)
ながら顏を見ればお
高
(
たか
)
なりしにぞ
南無
(
なむ
)
三と
蹴倒
(
けたふ
)
して
其所
(
そこ
)
を
飛出
(
とびいだ
)
し
連
(
つれ
)
の
佐
(
さ
)
七と
倶
(
とも
)
に
後
(
あと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
吹く風は荒れ
狂
(
くる
)
い、息が
塞
(
ふさが
)
りそうであった。菱波立っている水の上には、大きい星が出ていた。河へ降りてゆく
凸凹
(
でこぼこ
)
の石道には、両側の雑草が
叩
(
たた
)
きつけられている。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
あがり口の
浅
(
あさ
)
い
土間
(
どま
)
にあるげた
箱
(
ばこ
)
が、
門外
(
もんがい
)
の
往来
(
おうらい
)
から見えてる。家はずいぶん古いけれど、
根継
(
ねつ
)
ぎをしたばかりであるから、ともかくも
敷居
(
しきい
)
鴨居
(
かもい
)
の
狂
(
くる
)
いはなさそうだ。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
わたしの影法師は気が
狂
(
くる
)
ってしまったのです。かれはじぶんがにんげんで、そして、わたしが——まあ——どうです——わたしが、かれの影法師だと考えているのですよ。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
而
(
さう
)
して
頭
(
あたま
)
を
冷
(
ひや
)
す
藥
(
くすり
)
と、
桂梅水
(
けいばいすゐ
)
とを
服用
(
ふくよう
)
するやうにと
云
(
い
)
つて、
不好
(
いや
)
さうに
頭
(
かしら
)
を
振
(
ふ
)
つて、
立歸
(
たちかへ
)
り
際
(
ぎは
)
に、もう二
度
(
ど
)
とは
來
(
こ
)
ぬ、
人
(
ひと
)
の
氣
(
き
)
の
狂
(
くる
)
ふ
邪魔
(
じやま
)
を
爲
(
す
)
るにも
當
(
あた
)
らないからとさう
云
(
い
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「へいへい、
合点
(
がってん
)
でげす。
月
(
つき
)
はなくとも
星明
(
ほしあか
)
り、
足許
(
あしもと
)
に
狂
(
くる
)
いはござんせんから
御安心
(
ごあんしん
)
を」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
寺男はこまって、ひとり、ぼつぼつ
浜辺
(
はまべ
)
づたいに寺の方へ帰ってきました。と、おどろいたことには、
狂
(
くる
)
ったようにかき
鳴
(
な
)
らすびわの音が、どこからか聞えてくるではありませんか。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
獄
(
ごく
)
から
歸
(
かへ
)
つて見ると石がない、
雲飛
(
うんぴ
)
は妻を
罵
(
のゝし
)
り
子
(
こ
)
を
毆
(
う
)
ち、
怒
(
いかり
)
に
怒
(
いか
)
り、
狂
(
くる
)
ひに
狂
(
くる
)
ひ、
遂
(
つひ
)
に
自殺
(
じさつ
)
しようとして
何度
(
なんど
)
も
妻子
(
さいし
)
に
發見
(
はつけん
)
されては自殺することも
出來
(
でき
)
ず、
懊惱
(
あうなう
)
煩悶
(
はんもん
)
して居ると、一夜
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
彼は「運」を
奔流
(
ほんりゅう
)
にたとえている。ひとたび奔流が荒れ
狂
(
くる
)
うときは、平野に
氾濫
(
はんらん
)
し、木々や家々を倒し、大地をも強引に押し流す。万人が恐れ
忌
(
い
)
むとも、いかに抗すべきやを知らない。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
さうは
言
(
い
)
はなんだか?
夢
(
ゆめ
)
か?
今
(
いま
)
がたパリスが、ヂュリエットの
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
うたゆゑ、それで
此樣
(
こん
)
なことを
思
(
おも
)
ふのか?
此
(
この
)
心
(
こゝろ
)
が
狂
(
くる
)
うたか?……おゝお
手
(
て
)
をおこしゃれ、
薄運
(
はくうん
)
の
名簿
(
めいぼ
)
の
裡
(
うち
)
に
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
うつしみの
狂
(
くる
)
へるひとの
哀
(
かな
)
しさをかへりみもせぬ世の人
醒
(
さ
)
めよもろびと
覚
(
さ
)
めよ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
それから五年経って、僕が中学校を卒業する直前に、父は
狂
(
くる
)
い
死
(
じに
)
しました。
新樹の言葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
鶴見もまた、藤原
南家
(
なんけ
)
の一の
嬢子
(
じょうし
)
と共に風雨の
暴
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
う夜中をさまよいぬいた
挙句
(
あげく
)
の果、ここに始めて言おうようなき「朝目よき」光景を迎えて、その驚きを身に
沁
(
し
)
みて感じているのである。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
一つ一つ手でさぐって見て少しでも
狂
(
くる
)
いがあることを許さなかった佐助は実にこのような世話を一人で引き
請
(
う
)
け合間にはまた稽古をしてもらい時にはお師匠様に代って後進の弟子達に教えもした
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ときどき気が
狂
(
くる
)
って渓流のなかへ飛び
込
(
こ
)
んでは
罵
(
ののし
)
りわめいているという
木樵
(
きこり
)
の妻とその小娘の話、——そういうような人達のとりとめもない
幻像
(
イマアジュ
)
ばかりが私の心にふと
浮
(
うか
)
んではふと消えてゆく……
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
それから、お
寺
(
てら
)
に
吊
(
つ
)
ってあった
鐘
(
かね
)
も、なかなか
大
(
おお
)
きなもので、あれをつぶせば、まず
茶釜
(
ちゃがま
)
が五十はできます。なあに、あっしの
眼
(
め
)
に
狂
(
くる
)
いはありません。
嘘
(
うそ
)
だと
思
(
おも
)
うなら、あっしが
造
(
つく
)
って
見
(
み
)
せましょう。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
そら鳴りの夜ごとのくせぞ
狂
(
くる
)
ほしき
汝
(
なれ
)
よ
小琴
(
をごと
)
よ片袖かさむ(琴に)
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
狂
(
くる
)
ひ
女
(
め
)
が
万古
(
ばんこ
)
の
暗
(
やみ
)
に
高空
(
たかぞら
)
の悲哀よぶとか啼く
杜鵑
(
ほととぎす
)
(残紅)
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
霊
(
たましひ
)
のうつらぬ
瞳
(
ひとみ
)
は
唯
(
ただ
)
狂
(
くる
)
はしき
硝子戸
(
がらすど
)
の
外
(
そと
)
をうち
凝視
(
みつ
)
む。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
以来千年以上ですその恋ゆゑの
狂
(
くる
)
ひ
女
(
め
)
が
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
葉づれの音に眼が
狂
(
くる
)
へば
恋しき最後の丘
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
祝つて祝つて祝い
狂
(
くる
)
わせ
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
哀
(
かな
)
しや
狂
(
くる
)
ふ
大波
(
おほなみ
)
の
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「何が勉強なものですか? そんなこと、君の頭にありはしませんよ。だがまあ、これ以上何も言いますまい……君の年頃では、まあ無理もないからな。ただし君の見当は、大いに
狂
(
くる
)
っているですよ。この家がどういう家か、それが君には見えんのですか?」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
いままで
輝
(
かがや
)
いていた
太陽
(
たいよう
)
は、
隠
(
かく
)
れてしまい、ものすごい
雲
(
くも
)
がわいて、
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
は、
怖
(
おそ
)
ろしい
暴風
(
ぼうふう
)
となって、
濤
(
なみ
)
は
狂
(
くる
)
ったのであります。
汽船の中の父と子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
狂
(
くる
)
ひまつはり、
搦
(
から
)
まつて、
民子
(
たみこ
)
の
膚
(
はだ
)
を
蔽
(
おほ
)
うたのは、
鳥
(
とり
)
ながらも
心
(
こゝろ
)
ありけむ、
民子
(
たみこ
)
の
雪車
(
そり
)
のあとを
慕
(
した
)
うて、
大空
(
おほぞら
)
を
渡
(
わた
)
つて
來
(
き
)
た
雁
(
かり
)
であつた。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
再び、私を見たときの彼女の
狂
(
くる
)
ほしい程の喜びが、いたく私を動かした。彼女は
蒼
(
あを
)
ざめて痩せて見えた。幸福ではないと彼女は云つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
狂
常用漢字
中学
部首:⽝
7画
“狂”を含む語句
狂人
狂言
偏執狂
気狂
狂気
狂犬
物狂
狂氣
頓狂
狂乱
狂死
狂者
狂風
酔狂
死物狂
癲狂院
狂喜
素頓狂
発狂
狂暴
...