きやう)” の例文
すべての老人としよりほとんきやうするばかりにさわ二日ふつかそのにち卯平うへいには不快ふくわいでさうして無意味むいみつひやされた。かれになつてから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いま松野まつのてゝ竹村たけむらきみまれれにまれ、开所そこだめなばあはれや雪三せつざうきやうすべし、わが幸福かうふくもとむるとて可惜あたら忠義ちうぎ嗤笑ものわらひにさせるゝことかは
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たう開元年中かいげんねんちうこととぞ。戸部郡こぶぐん令史れいし妻室さいしつにしてさいあり。たま/\鬼魅きみところとなりて、疾病やまひきやうせるがごとく、醫療いれうつくすといへどもこれ如何いかんともすべからず。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
洛中らくちゆうの民はさながらきやうせるが如く、老を負ひ幼を扶けて火を避くる者、僅の家財を携へて逃ぐる者、或は雜沓ざつたふの中にきずつきて助けを求むる者、或は連れ立ちし人に離れて路頭ろとうに迷へる者
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
霊枢れいすうきやうといふともわがどちはきやうとな云ひそとのらしけるらし病むひとのため
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
なんだとヱりやうさんに失礼しつれいだがおへりあそばしていたゞきたいとあゝさうまをすよりやうさんおきゝのとほりですからとあはれやはゝきやうするばかりむすめは一呼吸こきふせまりてる/\顔色かほいろあほくはつゆたま今宵こよひはよもとおもふに良之助りやうのすけつべきこゝろはさらにもなけれど臨終いまはまでこゝろづかひさせんことのいとを
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)