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狂
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きょう
ふりがな文庫
“
狂
(
きょう
)” の例文
尋常の大津絵ぶしと異なり、人々民権論に
狂
(
きょう
)
せる時なりければ、
妾
(
しょう
)
の
月琴
(
げっきん
)
に和してこれを
唄
(
うた
)
うを喜び、その演奏を望まるる事しばしばなりき。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
ナブ・アヘ・エリバは、ある書物
狂
(
きょう
)
の老人を知っている。その老人は、博学なナブ・アヘ・エリバよりも更に博学である。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
もう、そのころには、廊下を行き来する塾生たちの足音も
頻繁
(
ひんぱん
)
になり、ほうぼうから、わざとらしいかけ声や、とん
狂
(
きょう
)
な笑い声などもきこえていた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
善か、悪か、
狂
(
きょう
)
か、
兎
(
と
)
にも
角
(
かく
)
にも
彼女
(
かれ
)
は普通の人間でない、一種不思議の魔力を
有
(
も
)
っている女の
様
(
よう
)
にも見えた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
君は先年長男子を失うたときには、ほとんど
狂
(
きょう
)
せんばかりに悲嘆したことを僕は知っている。それにもかかわらず一度異境に旅寝しては意外に平気で遊んでいる。
去年
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
現執権高時の
田楽
(
でんがく
)
(土俗的な歌舞)ずきも、
狂
(
きょう
)
に近いが、闘犬好みは、もっと度をこしたものである。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父母の
悲歎
(
ひたん
)
大方ならず、母は我が児の
不憫
(
ふびん
)
さに天を
恨
(
うら
)
み人を
憎
(
にく
)
みて一時
狂
(
きょう
)
せるがごとくなりき。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
自由平等の新天新地を夢み、身を
献
(
ささ
)
げて人類のために尽さんとする志士である。その行為はたとえ
狂
(
きょう
)
に近いとも、その志は
憐
(
あわれ
)
むべきではないか。彼らはもと社会主義者であった。
謀叛論(草稿)
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
間もなく
半
(
なか
)
ば
狂
(
きょう
)
せる柾木と、木下芙蓉の死体とが、土蔵の二階でさし向いであった。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
直接または間接に関係ある人の
話
(
はなし
)
を聞いたり、新聞の報道を読んだりして、いかに
人心
(
じんしん
)
が
荒
(
あら
)
やいでほとんど
狂
(
きょう
)
するごときさまなるかを見て、これが日本であったならば
抜刀騒
(
ばっとうさわ
)
ぎになるであろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
熱しるに理性をともなわない血液と
頑健
(
がんけん
)
な肉体と——
狂
(
きょう
)
にちかい情涙の持ち主ときている。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
顧
(
おも
)
えば女性の身の
自
(
みずか
)
ら
揣
(
はか
)
らず、年
少
(
わか
)
くして民権自由の声に
狂
(
きょう
)
し、
行途
(
こうと
)
の
蹉跌
(
さてつ
)
再三再四、
漸
(
ようや
)
く
後
(
のち
)
の
半生
(
はんせい
)
を家庭に
托
(
たく
)
するを得たりしかど、一家の
計
(
はかりごと
)
いまだ成らざるに、身は早く
寡
(
か
)
となりぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
みんなが
拍手
(
はくしゅ
)
した。拍手にまじって、だれかがとん
狂
(
きょう
)
な声で
叫
(
さけ
)
んだ。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
しかし、血に
狂
(
きょう
)
しているだろうなどといった周馬や孫兵衛の
臆測
(
おくそく
)
はあたっていない。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、とん
狂
(
きょう
)
に答えて、急いで俊亮のそばをすりぬけた。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
狂
常用漢字
中学
部首:⽝
7画
“狂”を含む語句
狂人
狂言
偏執狂
気狂
狂気
狂犬
物狂
狂氣
頓狂
狂乱
狂死
狂者
狂風
酔狂
死物狂
癲狂院
狂喜
素頓狂
発狂
狂暴
...