“行途”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうと20.0%
むこう20.0%
ゆき20.0%
ゆくて20.0%
ゆくみち20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おもえば女性の身のみずかはからず、年わかくして民権自由の声にきょうし、行途こうと蹉跌さてつ再三再四、ようやのち半生はんせいを家庭にたくするを得たりしかど、一家のはかりごといまだ成らざるに、身は早くとなりぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
と同音に、鯉はふらふらと袖を動かし、蟹は、ぱッぱッとけむを吹いて、==山を川にしょう、山を川にしょう==と同音に唄い行く。行掛けてよどみ、行途むこうを望む。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何も穿鑿せんさくをするのではないけれど、実は日数の少ないのに、汽車の遊びをむさぼった旅行たびで、行途ゆきは上野から高崎、妙義山を見つつ、横川、くまたいら、浅間を眺め、軽井沢、追分をすぎ
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
誰れの手からも離れてゆくこの女の行途ゆくてを祝福して盛んにしてやりたいから、という旧芸術座脚本部から頼まれた須磨子のための連中は、七草の日に催されるはずであった。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
実家さと様のお母様がさぬ仲でいらっしゃいましょう? 綾子様は御自分は死ぬより行途ゆくみちはないと仰しゃっていらっしゃいました位でございますから——
蛇性の執念 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)