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激
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はげ
ふりがな文庫
“
激
(
はげ
)” の例文
風が
激
(
はげ
)
しくなり、
足下
(
あしもと
)
の
雲
(
くも
)
がむくむくと
湧
(
わ
)
き立って、
遙
(
はる
)
か下の方に
雷
(
かみなり
)
の音まで
響
(
ひび
)
きました。王子はそっと下の方を
覗
(
のぞ
)
いてみました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
此處
(
ここ
)
は人の出入りが
激
(
はげ
)
しくて、とても見張つては居られませんから、二十四日の晩からお糸は向島の
寮
(
れう
)
へやつて置くつもりです。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……
其
(
そ
)
の
毎
(
たび
)
に、
銀杏返
(
いてふがへし
)
の
黒
(
くろ
)
い
頭
(
あたま
)
が、
縦横
(
たてよこ
)
に
激
(
はげ
)
しく
振
(
ふ
)
れて、まん
円
(
まる
)
い
顔
(
かほ
)
のふら/\と
忙
(
せは
)
しく
廻
(
まは
)
るのが、
大
(
おほき
)
な
影法師
(
かげばうし
)
に
成
(
な
)
つて、
障子
(
しやうじ
)
に
映
(
うつ
)
る……
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あゝ僕等は何うして恁う
不幸
(
ふかう
)
なんだらう。
精神上
(
せいしんじよう
)
にも
肉躰上
(
にくたいじよう
)
にも、毎も
激
(
はげ
)
しい苦痛ばかりを感じて、少しだツて安らかな
時
(
とき
)
はありやしない。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
そして、大体に於て、彼は親切で、度量があって、人物も高尚でしたが、心にはまるでその獅子のように
激
(
はげ
)
しいところが大いにありました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
▼ もっと見る
畑
(
はたけ
)
の
作主
(
さくぬし
)
が
其
(
その
)
損失
(
そんしつ
)
以外
(
いぐわい
)
にそれを
惜
(
をし
)
む
心
(
こゝろ
)
から
蔭
(
かげ
)
で
勢
(
いきほ
)
ひ
激
(
はげ
)
しく
怒
(
おこ
)
らうともそれは
顧
(
かへり
)
みる
暇
(
いとま
)
を
有
(
も
)
たない。
勘次
(
かんじ
)
の
痩
(
や
)
せた
茄子畑
(
なすばたけ
)
もさうして
襲
(
おそ
)
はれた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何かしら思い
詰
(
つ
)
めているのか放心して
仮面
(
めん
)
のような虚しさに
蒼
(
あお
)
ざめていた顔が、
瞬間
(
しゅんかん
)
カッと血の色を
泛
(
うか
)
べて、ただごとでない
激
(
はげ
)
しさであった。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
但
(
たゞ
)
し
享保元年
(
きようほがんねん
)
(
西暦
(
せいれき
)
千七百十六年
(
せんしちひやくじゆうろくねん
)
)に
於
(
お
)
ける
新燃鉢
(
しんもえばち
)
の
噴火
(
ふんか
)
は、
霧島噴火史上
(
きりしまふんかしじよう
)
に
於
(
おい
)
て
最
(
もつと
)
も
激
(
はげ
)
しく、
隨
(
したが
)
つて
最高
(
さいこう
)
の
損害記録
(
そんがいきろく
)
を
與
(
あた
)
へたものであつた。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
我が胸板の上に
載
(
の
)
せたが胸が氷のごとく冷えるのに反し顔は
寝床
(
ねどこ
)
のいきれのためにかっかっと
火照
(
ほて
)
って歯痛がいよいよ
激
(
はげ
)
しくなるのに
溜
(
たま
)
りかね
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
に
半身
(
はんしん
)
を
沒
(
ぼつ
)
して、
二人
(
ふたり
)
はいひ
爭
(
あらそ
)
つてゐた。
男
(
をとこ
)
は
激
(
はげ
)
しく
何
(
なに
)
かいひながら、
搖
(
ゆ
)
すぶるやうに
女
(
をんな
)
の
肩
(
かた
)
を
幾度
(
いくど
)
も
小突
(
こづ
)
いた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
印度洋
(
インドやう
)
中
(
ちう
)
の
氣※
(
きかう
)
程
(
ほど
)
變化
(
へんくわ
)
の
激
(
はげ
)
しいものはない、
今
(
いま
)
は五
月
(
ぐわつ
)
の
中旬
(
ちうじゆん
)
、
凉
(
すゞ
)
しい
時
(
とき
)
は
實
(
じつ
)
に
心地
(
こゝち
)
よき
程
(
ほど
)
凉
(
すゞ
)
しいが、
暑
(
あつ
)
い
時
(
とき
)
は
日本
(
につぽん
)
の
暑中
(
しよちう
)
よりも一
層
(
そう
)
暑
(
あつ
)
いのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
しかし、いっそうおどろいたのは、その緻密な論理の中から、
間歇的
(
かんけつてき
)
に、気味わるいほどの
激
(
はげ
)
しい情熱と強い意力とがほとばしり出ることだった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
〔評〕
伏水
(
ふしみ
)
戰を開き、
砲聲
(
はうせい
)
大内
(
おほうち
)
に聞え、愈
激
(
はげ
)
しく愈
近
(
ちか
)
づく。岩倉公南洲に問うて曰ふ、
勝敗
(
しようはい
)
何如と。南洲答へて曰ふ、西郷隆盛在り、憂ふる勿れと。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は外へ出ると急いで歩いた。あたりはまだ
明
(
あかる
)
いけれどもう日は
当
(
あた
)
つて
居
(
ゐ
)
ない。ごた/\した
千束町
(
せんぞくまち
)
の
小売店
(
こうりみせ
)
の
暖簾
(
のれん
)
や旗なぞが
激
(
はげ
)
しく
飜
(
ひるがへ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
翌朝
(
よくてう
)
彼
(
かれ
)
は
激
(
はげ
)
しき
頭痛
(
づつう
)
を
覺
(
おぼ
)
えて、
兩耳
(
りやうみゝ
)
は
鳴
(
な
)
り、
全身
(
ぜんしん
)
には
只
(
たゞ
)
ならぬ
惱
(
なやみ
)
を
感
(
かん
)
じた。
而
(
さう
)
して
昨日
(
きのふ
)
の
身
(
み
)
に
受
(
う
)
けた
出來事
(
できごと
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
しても、
恥
(
はづか
)
しくも
何
(
なん
)
とも
感
(
かん
)
ぜぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
激
(
はげ
)
しい動作によって、身うちに
充
(
み
)
ち満ちているものを
驚
(
おどろ
)
かしはせぬかと、それが心配でならなかったように……。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
されば兀ちょろ爺と
罵
(
ののし
)
りたるはわざとになるべく、
蹙足爺
(
いざりじじい
)
とはいつまでも起き出でぬ故なるべし。男は罵られても
激
(
はげ
)
しくは
怒
(
おこ
)
らず、かえって茶にした風にて
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
たとえば
宮古
(
みやこ
)
群島の方は、近世幾度かの地変があり、また住民の
闘諍
(
とうそう
)
盛衰が
激
(
はげ
)
しかったためか、民居耕田の跡が移り動き、且つ一般に稲作はやや衰えている上に
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
私は百合の
花
(
はな
)
を手折つて来て
妻
(
つま
)
の
枕
(
まくら
)
元に
差
(
さ
)
してやつた。すると、
妻
(
つま
)
は
激
(
はげ
)
しい香ひのためにせき
続
(
つゞ
)
けた。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
……相かわらず働きが
激
(
はげ
)
しいので、私のような者には、
身体
(
からだ
)
がとても続かぬと思いましたから止めようと思いましたが、然し倒れる迄は病院に居る積りで居ります。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それから
間
(
ま
)
もなく、
私
(
わたくし
)
は
随分
(
ずいぶん
)
と
激
(
はげ
)
しい
雷雨
(
らいう
)
の
実況
(
じっきょう
)
を
見
(
み
)
せて
戴
(
いただ
)
いたのでございますが、
外観
(
がいかん
)
からいえばそれは
現世
(
げんせ
)
で
目撃
(
もくげき
)
した
雷雨
(
らいう
)
の
光景
(
こうけい
)
とさしたる
相違
(
そうい
)
もないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
こう思うと、例のセンチメンタルな感情が
激
(
はげ
)
しく胸に
迫
(
せま
)
ってきて、涙がおのずと押すように出る。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
空の
麗
(
うるわ
)
しさ、地の美しさ、万象の
妙
(
たえ
)
なる中に、あまりにいみじき人間美は永遠を誓えぬだけに、
脆
(
もろ
)
き命に
激
(
はげ
)
しき情熱の魂をこめて、たとえしもない
刹那
(
せつな
)
の美を感じさせる。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
木
(
き
)
の
下
(
した
)
に
徉徜
(
さまよ
)
つてると
何處
(
どこ
)
ともなく
叱
(
し
)
ッと
云
(
い
)
ふ
聲
(
こゑ
)
がしたので、
思
(
おも
)
はず
愛
(
あい
)
ちやんは
後退
(
あとじさ
)
りしました、ト一
羽
(
は
)
の
大
(
おほ
)
きな
鳩
(
はと
)
が
顏
(
かほ
)
に
飛
(
と
)
びついて、
翼
(
つばさ
)
を
以
(
もつ
)
て
激
(
はげ
)
しく
愛
(
あい
)
ちやんを
搏
(
う
)
ちました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ああ、すべて
力
(
ちから
)
なし。——さらにさらに
痛
(
いた
)
ましきはかかる
青
(
あを
)
き
薄暮
(
くれがた
)
の
激
(
はげ
)
しき
官能
(
くわんのう
)
の
刺戟
(
しげき
)
。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
其議論の
激
(
はげ
)
しき
遂
(
つひ
)
に小西技師をして、
国境論者
(
こくけうろんしや
)
は別隊を
率
(
ひき
)
ゐて
別
(
べつ
)
に
探検
(
たんけん
)
すべしとの語を
発
(
はつ
)
せしむるに
至
(
いたり
)
たる程なりき、
若
(
もし
)
糧食
(
れうしよく
)
の
備
(
そな
)
へ充分にして廿日以上の日子を
費
(
つひや
)
すの覚悟なりせば
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
名
(
な
)
も
月
(
つき
)
の
輪
(
わ
)
のおくまとは、
食
(
く
)
ひ
詰者
(
つめもの
)
と
白浪
(
しらなみ
)
の深き
企
(
たく
)
みに
当
(
あた
)
りしは
後
(
のち
)
の話の
種
(
たね
)
ヶ
島
(
しま
)
、
危
(
あぶ
)
ないことで……(ドン/\/\/\
激
(
はげ
)
しき
水音
(
みづおと
)
)あつたよなア——これでまづ
今晩
(
こんばん
)
はこれぎり——。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此
(
こ
)
の
目
(
め
)
、
此
(
こ
)
の
頬
(
ほゝ
)
、
此
(
こ
)
の
髪
(
かみ
)
、
其処
(
そこ
)
には
未
(
ま
)
だ
昔
(
むかし
)
の
恋
(
こひ
)
の
夢
(
ゆめ
)
が
残
(
のこ
)
つてゐるやうである。
私
(
わたし
)
は一
種
(
しゆ
)
の
美感
(
びかん
)
に
酔
(
ゑは
)
されると
同時
(
どうじ
)
に、
激
(
はげ
)
しい
妬
(
ねたま
)
しさに
胸
(
むね
)
を
毮
(
むし
)
られてゐる。
可愛
(
かあ
)
ゆくもあるが
憎
(
にく
)
くも
思
(
おも
)
つた。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
袖子
(
そでこ
)
の
母
(
かあ
)
さんは、
彼女
(
かのじょ
)
が
生
(
う
)
まれると
間
(
ま
)
もなく
激
(
はげ
)
しい
産後
(
さんご
)
の
出血
(
しゅっけつ
)
で
亡
(
な
)
くなった
人
(
ひと
)
だ。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
もうそして天の川は汽車のすぐ横手をいままでよほど
激
(
はげ
)
しく流れて来たらしくときどきちらちら光ってながれているのでした。うすあかい
河原
(
かわら
)
なでしこの花があちこち咲いていました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
地衣帶
(
こけたい
)
は
草本帶
(
そうほんたい
)
の
上部
(
じようぶ
)
に
接
(
せつ
)
してをり、
兩帶
(
りようたい
)
の
區別
(
くべつ
)
ははっきりとしませんが、ともかく
一萬尺
(
いちまんじやく
)
もの
高
(
たか
)
さのところでは、きびしい
寒
(
さむ
)
さと、
激
(
はげ
)
しい
風
(
かぜ
)
とでほとんど
草
(
くさ
)
も
生
(
は
)
えることが
出來
(
でき
)
ず
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
上陸
(
じょうりく
)
すると、すぐに、
彼
(
かれ
)
の
部隊
(
ぶたい
)
は、
前線
(
ぜんせん
)
に
出動
(
しゅつどう
)
を
命
(
めい
)
ぜられました。そこでは、
激
(
はげ
)
しい
戦闘
(
せんとう
)
が
開始
(
かいし
)
された。
大砲
(
たいほう
)
の
音
(
おと
)
は
山野
(
さんや
)
を
圧
(
あっ
)
し、
銃弾
(
じゅうだん
)
は、一
本
(
ぽん
)
残
(
のこ
)
さず
草
(
くさ
)
を
飛
(
と
)
ばして
雨
(
あめ
)
のごとく
降
(
ふ
)
り
注
(
そそ
)
いだ。
とびよ鳴け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
涙
(
なみだ
)
の出るまで真佐子は
刺
(
さ
)
し
込
(
こ
)
まれる言葉の
棘尖
(
とげさき
)
の苦痛を
魂
(
たましい
)
に
浸
(
し
)
み
込
(
こ
)
ましているという
瞳
(
ひとみ
)
の
据
(
す
)
え方だった。やがて真佐子の顔の
痙攣
(
けいれん
)
が
激
(
はげ
)
しくなって月の出のように
真珠色
(
しんじゅいろ
)
の涙が
下瞼
(
したまぶた
)
から湧いた。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
すこし
離
(
はな
)
れている、ぼくにさえ聞えるほどの
激
(
はげ
)
しい
動悸
(
どうき
)
、
粒々
(
つぶつぶ
)
の汗が、小麦色に
陽焼
(
ひや
)
けした、豊かな
頬
(
ほお
)
を
滴
(
したた
)
り、黒いリボンで結んだ、髪の乱れが、
頸
(
くび
)
すじに、汗に
濡
(
ぬ
)
れ、
纏
(
まつわ
)
りついているのを
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
子路は二人を相手に
激
(
はげ
)
しく斬り結ぶ。往年の勇者子路も、しかし、年には勝てぬ。次第に
疲労
(
ひろう
)
が加わり、呼吸が乱れる。子路の旗色の悪いのを見た群集は、この時ようやく
旗幟
(
きし
)
を明らかにした。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
ヨーロッパのような生存競争の
激
(
はげ
)
しい深刻さのないことが、すべての人たちの感情をどれほどゆるやかに伸び伸びとさせ、美しい家族的親愛さを
湛
(
たた
)
えさせているのであろうと、これを
羨
(
うらや
)
まれました。
アインシュタイン教授をわが国に迎えて
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
現
(
げん
)
に斯かる法の行はるる所にては火の付きたるホクチ樣のものを
枯
(
か
)
れ
草
(
くさ
)
に
裹
(
つつ
)
み
空中
(
くうちう
)
に於て
激
(
はげ
)
しく
振
(
ふ
)
り
動
(
うご
)
かすなり。コロボツクルも
此仕方
(
このしかた
)
を以て
燃
(
も
)
え草に
火焔
(
くわえん
)
を
移
(
うつ
)
し、此火焔をば再び
薪
(
たきぎ
)
に
轉
(
てん
)
ぜしならん。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
こりゃ
此處
(
こゝ
)
に四十
兩
(
りゃう
)
ある、
予
(
わし
)
に
毒藥
(
どくやく
)
を一
匁
(
もんめ
)
ほど
賣
(
う
)
ってくりゃれ、
直
(
すぐ
)
に
血管
(
けっくわん
)
に
行渡
(
ゆきわた
)
って
世
(
よ
)
に
饜果
(
あきは
)
てた
飮主
(
のみぬし
)
を
立地
(
たちどころ
)
に
死
(
し
)
なすやうな、
又
(
また
)
、
射出
(
うちだ
)
された
焔硝
(
えんせう
)
が
怖
(
おそろ
)
しい
大砲
(
たいはう
)
の
胴中
(
どうなか
)
から
激
(
はげ
)
しう
急
(
きふ
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
で
)
るやうに
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
午後から
雷鳴
(
らいめい
)
が
激
(
はげ
)
しく、
雹
(
ひょう
)
のような雨さえ降って来た。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
頬冠りの男の辭色は、一
瞬
(
しゆん
)
激
(
はげ
)
しくなりましたが、ハツと氣のついた樣子で、元の靜かな絶望的にさへ見える態度に變ります。
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
風入
(
かぜい
)
れの
此
(
こ
)
の
窓
(
まど
)
も、
正西
(
まにし
)
を
受
(
う
)
けて、
夕日
(
ゆふひ
)
のほとぼりは
激
(
はげ
)
しくとも、
波
(
なみ
)
にも
氷
(
こほり
)
にも
成
(
な
)
れとて
觸
(
さは
)
ると、
爪下
(
つました
)
の
廂屋根
(
ひさしやね
)
は、さすがに
夜露
(
よつゆ
)
に
冷
(
つめた
)
いのであつた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
先刻
(
せんこく
)
までは
極
(
きは
)
めて
動搖
(
ゆるぎ
)
平穩
(
おだやか
)
であつた
我
(
わ
)
が
弦月丸
(
げんげつまる
)
は
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
甲板
(
かんぱん
)
も
傾
(
かたむ
)
くばかり
激
(
はげ
)
しき
動搖
(
ゆるぎ
)
を
感
(
かん
)
じて
居
(
を
)
るのであつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
翌朝
(
よくちょう
)
彼
(
かれ
)
は
激
(
はげ
)
しき
頭痛
(
ずつう
)
を
覚
(
おぼ
)
えて、
両耳
(
りょうみみ
)
は
鳴
(
な
)
り、
全身
(
ぜんしん
)
には
只
(
ただ
)
ならぬ
悩
(
なやみ
)
を
感
(
かん
)
じた。そうして
昨日
(
きのう
)
の
身
(
み
)
に
受
(
う
)
けた
出来事
(
できごと
)
を
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しても、
恥
(
はずか
)
しくも
何
(
なん
)
とも
感
(
かん
)
ぜぬ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
熾
(
さかん
)
な
火
(
ひ
)
の
柱
(
はしら
)
が
近
(
ちか
)
く
目
(
め
)
を
掩
(
おほ
)
うて
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
彼
(
かれ
)
は
又
(
また
)
直
(
すぐ
)
に
激
(
はげ
)
しい
熱度
(
ねつど
)
を
顏
(
かほ
)
一
杯
(
ぱい
)
に
感
(
かん
)
じた。
火
(
ひ
)
はどうした
機會
(
はずみ
)
か
横
(
よこ
)
に
轉
(
ころ
)
がした
大籠
(
おほかご
)
の
落葉
(
おちば
)
に
移
(
うつ
)
つて
居
(
ゐ
)
たのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
今朝
(
けさ
)
は
平素
(
ふだん
)
よりも
激
(
はげ
)
しく
匂
(
にほ
)
ひわたる
線香
(
せんかう
)
の
烟
(
けむり
)
が
風
(
かぜ
)
になびいて
部屋
(
へや
)
の
中
(
なか
)
まで
流
(
なが
)
れ
込
(
こ
)
んでくるやうにも
思
(
おも
)
はれた。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
けれども
往復震動
(
おうふくしんどう
)
は
急
(
きゆう
)
に
緩慢
(
かんまん
)
となつたゝめ、
地動
(
ちどう
)
の
強
(
つよ
)
さは
次第
(
しだい
)
に
衰
(
おとろ
)
へてしまつた。
鎌倉
(
かまくら
)
や
小田原邊
(
をだはらへん
)
でも、
最
(
もつと
)
も
激
(
はげ
)
しかつたのは
最初
(
さいしよ
)
の
一分間以内
(
いつぷんかんいない
)
であつたといへる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
次郎は、朝倉先生が、開塾最初の朝の
訓話
(
くんわ
)
で、これほど
激
(
はげ
)
しい言葉をつかって、真正面から塾生たちに非難をあびせかけたのを、これまでにきいた覚えがなかった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
川はちょうどこの吉野山の麓あたりからやや打ち
展
(
ひら
)
けた平野に
注
(
そそ
)
ぐので、水勢の
激
(
はげ
)
しい渓流の
趣
(
おもむき
)
が、「山なき国を流れけり」と云うのんびりとした姿に変りかけている。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
わたしは、長いこと
寝
(
ね
)
つかれなかった。ジナイーダのした話で、
激
(
はげ
)
しく心を打たれたのだ。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
激
(
はげ
)
しい
昂奮
(
こうふん
)
から
冷
(
さ
)
めた
私
(
わたくし
)
は、もちろん
私
(
わたくし
)
の
守護霊
(
しゅごれい
)
に
向
(
むか
)
っていろいろと
質問
(
しつもん
)
の
矢
(
や
)
を
放
(
はな
)
ち、それでも
尚
(
な
)
お
腑
(
ふ
)
に
落
(
お
)
ちぬ
個所
(
ところ
)
があれば、
指導役
(
しどうやく
)
のお
爺様
(
じいさま
)
にも
根掘
(
ねほ
)
り
葉掘
(
はほ
)
り
問
(
と
)
いつめました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
激
常用漢字
小6
部首:⽔
16画
“激”を含む語句
急激
激昂
激浪
刺激
激流
過激
矯激
激情
激発
憤激
激越
激怒
激動
激烈
激賞
激厲
相激
感激
激励
激湍
...