“千束町”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せんぞくまち60.0%
せんぞくちょう40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母親のおとよ長吉ちやうきち初袷はつあはせ薄着うすぎをしたまゝ、千束町せんぞくまち近辺きんぺん出水でみづの混雑を見にと夕方ゆふがたから夜おそくまで、泥水どろみづの中を歩き𢌞まはつために
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
僕は浅草あさくさ千束町せんぞくまちにまだ私娼の多かつた頃のよるの景色を覚えてゐる。それは窓ごとにかげのさした十二階の聳えてゐる為にほとんど荘厳な気のするものだつた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
酔中の漫歩は自ら女郎屋に這入る千束町せんぞくちょうの通りを辿りまして、やがて薄暗い四辻に出た時です。——旦那、……もしもし、……旦那。
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
今日の浅草千束町せんぞくちょう、慶安時代には何といったか? 洗足町せんぞくちょうといったらしい。今日も千束町は魔窟まくつだが、その時代も魔窟であった。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)