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降
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ふり
ふりがな文庫
“
降
(
ふり
)” の例文
こまかき
雨
(
あめ
)
ははら/\と
音
(
おと
)
して
草村
(
くさむら
)
がくれ
鳴
(
なく
)
こほろぎのふしをも
乱
(
みだ
)
さず、
風
(
かぜ
)
一
(
ひと
)
しきり
颯
(
さつ
)
と
降
(
ふり
)
くるは
彼
(
か
)
の
葉
(
は
)
にばかり
懸
(
かゝ
)
るかといたまし。
雨の夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
凡
(
およそ
)
雪九月末より
降
(
ふり
)
はじめて雪中に春を
迎
(
むかへ
)
、正二の月は雪
尚
(
なほ
)
深
(
ふか
)
し。三四の月に
至
(
いた
)
りて次第に
解
(
とけ
)
、五月にいたりて雪全く
消
(
きえ
)
て
夏道
(
なつみち
)
となる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
降
(
ふり
)
続きたる卯の花くだしようようはれて、かき曇りたる天もところどころ雲の切間を、朧なる五日の月は西へ西へと急ぐなり。
片男波
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
もう逃げるのじゃないよといい聞かせて、再び彼を築山のかげに放して
遣
(
や
)
った。その日は一日
降
(
ふり
)
暮
(
くら
)
した。夕方になると彼は私の庭で歌い始めた。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
思
(
おも
)
へば
臆病
(
おくびやう
)
の、
目
(
め
)
を
塞
(
ふさ
)
いでや
歩行
(
ある
)
きけん、
降
(
ふり
)
しきる
音
(
おと
)
は
徑
(
こみち
)
を
挾
(
さしはさ
)
む
梢
(
こずゑ
)
にざツとかぶさる
中
(
なか
)
に、
取
(
と
)
つて
食
(
く
)
はうと
梟
(
ふくろふ
)
が
鳴
(
な
)
きぬ。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
文治はそれと心付きまして、
手燭
(
てしょく
)
を持って台所の戸を明けますと、表は
霙
(
みぞれ
)
まじりに
降
(
ふり
)
しきる寒風に手燭は消えて
真黒闇
(
まっくらやみ
)
。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
上
(
うへ
)
に
白
(
しろ
)
く
雪
(
ゆき
)
でも
降
(
ふり
)
かゝると
氷滑
(
こほりすべ
)
りの
塲所
(
ばしよ
)
とも
分
(
わか
)
らないことがあります。
村
(
むら
)
の
人達
(
ひとたち
)
が
通
(
とほ
)
りかゝつて、
知
(
し
)
らずに
滑
(
すべ
)
つて
轉
(
ころ
)
ぶことなぞもありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
頃
(
ころ
)
は
享保
(
きやうほ
)
三
丙申
(
ひのえさる
)
年
霜
(
しも
)
月十六日の事なりし此日は
宵
(
よひ
)
より
大雪
(
おほゆき
)
降
(
ふり
)
て殊の外に
寒
(
さぶ
)
き日なりし
修驗者
(
しゆげんじや
)
感應院には或人より
酒
(
さけ
)
二升を
貰
(
もら
)
ひしに感應院は
元
(
もと
)
より酒を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
気候が夏の末から秋に移って行く時と同じよう、春の末から夏の始めにかけては、
折々
(
おりおり
)
大雨
(
おおあめ
)
が
降
(
ふり
)
つづく。
千束町
(
せんぞくまち
)
から
吉原田圃
(
よしわらたんぼ
)
は珍しくもなく例年の通りに水が出た。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そして砂糖だけを嘗めて生薑を外に
棄
(
す
)
てた。外には雪が一めんに
降
(
ふり
)
積つて居る。生薑が雪の上におちると三四の
雀
(
すずめ
)
が勢よく飛んで来てそれを争つたことをおぼえてゐる。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
兎
狩
(
がり
)
いたし候處、
勝
(
すぐれ
)
たる散歩に相叶、洋醫も大に悦び、雨
降
(
ふり
)
には劒術をいたし候
歟
(
か
)
、又は角力を取候
歟
(
か
)
、何
歟
(
か
)
右等の
力事
(
ちからごと
)
をいたし候樣申
聞
(
きけ
)
候得共、是は相
調
(
かなひ
)
不
レ
申段相答候へば
遺牘
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
俊男
(
としを
)
はまた俊男で、素知らぬ顏で
降
(
ふり
)
濺
(
そゝ
)
ぐ雨に煙る庭の
木立
(
こだち
)
を眺めてゐた。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
外では、まだ
雪
(
ゆき
)
がやすみなく
降
(
ふり
)
りつづいている。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
定むるも掛りの男居ずして知れがたし先拂ひにして下されよとの事にそれにて頼みしが此等より東京へ出すには
一旦
(
いつたん
)
松本まで持ちかへるゆゑ
日數
(
ひかず
)
十四五日は掛るといふ果して東京へは二十日目に屆きたり雨は上りたれど
昨日
(
きのふ
)
よりの
降
(
ふり
)
に道は惡し
宿
(
しゆく
)
の中ほどに橋ありこれを
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
堀川百首
(
ほりかはひやくしゆ
)
兼昌
(
かねまさ
)
の哥に、「
初深雪
(
はつみゆき
)
降
(
ふり
)
にけらしなあらち山
越
(
こし
)
の
旅人
(
たびびと
)
輴
(
そり
)
にのるまで」この哥をもつても我国にそりをつかふの
古
(
ふるき
)
をしるべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
こまかき雨ははら/\と音して
草村
(
くさむら
)
がくれ
鳴
(
なく
)
こほろぎのふしをも乱さず、風
一
(
ひと
)
しきり
颯
(
さつ
)
と
降
(
ふり
)
くるは、あの葉にばかり
懸
(
かか
)
るかといたまし。
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
小留
(
おやみ
)
のない雪は、軒の下ともいわず浴びせかけて
降
(
ふり
)
しきれば、男の姿はありとも見えずに、風はますます吹きすさぶ。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
剥
(
はが
)
れしかば天も
漸々
(
やう/\
)
受納
(
じゆなふ
)
有てや是より
雨
(
あめ
)
降
(
ふり
)
出して三日三晩
小止
(
こやみ
)
なく因て草木も
緑
(
みどり
)
の色を生ぜしとかや趙氏が妻とお菊が孝心は和漢一
對
(
つゐ
)
の
美談
(
びだん
)
と
謂
(
いつ
)
つべし
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
気候が夏の末から秋に移つて
行
(
ゆ
)
く時と同じやう、春の
末
(
すゑ
)
から夏の始めにかけては、
折々
(
をり/\
)
大雨
(
おほあめ
)
が
降
(
ふり
)
つゞく。
千束町
(
せんぞくまち
)
から
吉原田圃
(
よしはらたんぼ
)
は
珍
(
めづら
)
しくもなく例年の
通
(
とほ
)
りに水が出た。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
少し(空をながめる)なんでげすが大した
降
(
ふり
)
も有りますまいから、幌は掛けますまい
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
梅も大方は
散
(
ちり
)
尽
(
つ
)
くした頃であるが、名にし負う信濃路は二月の末から
降
(
ふり
)
つづく大雪で宿屋より外へは
一歩
(
ひとあし
)
も踏出されぬ位、日々炉を囲んで春の寒さに
顫
(
ふる
)
えていると、ある日の夕ぐれ、山の猟師が一匹
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
堀川百首
(
ほりかはひやくしゆ
)
兼昌
(
かねまさ
)
の哥に、「
初深雪
(
はつみゆき
)
降
(
ふり
)
にけらしなあらち山
越
(
こし
)
の
旅人
(
たびびと
)
輴
(
そり
)
にのるまで」この哥をもつても我国にそりをつかふの
古
(
ふるき
)
をしるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
私
(
わし
)
は
思
(
おも
)
はず
恐怖
(
きようふ
)
の
声
(
こゑ
)
を
立
(
た
)
てゝ
叫
(
さけ
)
んだすると
何
(
なん
)
と?
此時
(
このとき
)
は
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えて、
上
(
うへ
)
からぼたり/\と
真黒
(
まツくろ
)
な
瘠
(
や
)
せた
筋
(
すぢ
)
の
入
(
はい
)
つた
雨
(
あめ
)
が
体
(
からだ
)
へ
降
(
ふり
)
かゝつて
来
(
き
)
たではないか。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
取此所にも
半年餘
(
はんとしあま
)
りも居て友次郎樣夫婦の
所在
(
ありか
)
を尋ねしかども一向に知ず然るに或日
雨
(
あめ
)
降
(
ふり
)
て外へも出られねば
空
(
むな
)
しく宿屋に在し所宿の亭主の
物語
(
ものがたり
)
にて此印籠を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夜
(
よ
)
はまだ
更
(
ふ
)
けねど
降
(
ふり
)
しきる
雪
(
ゆき
)
に
人足
(
ひとあし
)
大方
(
おほかた
)
絶々
(
たえ/″\
)
になりて
戸
(
と
)
を
下
(
おろ
)
す
商家
(
しやうか
)
こゝかしこ
遠
(
とほ
)
く
引
(
ひ
)
く
按摩
(
あんま
)
の
聲
(
こゑ
)
に
近
(
ちか
)
く
交
(
まじ
)
る
犬
(
いぬ
)
の
子
(
こ
)
の
叫
(
さけ
)
びそれすらも
淋
(
さび
)
しきを
路傍
(
みちばた
)
の
柳
(
やなぎ
)
にさつと
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
になよ/\と
靡
(
なび
)
いて
散
(
ち
)
るは
粉雪
(
こゆき
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
番傘を差して横町から出て来ますると、
降
(
ふり
)
が強く成りました。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
当年は雪
遅
(
おそ
)
く冬至に成候ても
駅中
(
えきちゆう
)
の雪一尺にたらず、此
日次
(
ひなみ
)
にては今年は小雪ならんと諸人一統悦び居候所に廿四日(十一月なり)
黄昏
(
たそがれ
)
より
降
(
ふり
)
いだし
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
もし
留
(
や
)
みませぬと、
迚
(
とて
)
も
路
(
みち
)
は
通
(
つう
)
じません、
降
(
ふり
)
やんでくれさへすれば、
雪車
(
そり
)
の
出
(
で
)
ます
便宜
(
たより
)
もあります、
御存
(
ごぞん
)
じでもありませうが、
此
(
こ
)
の
邊
(
へん
)
では、
雪籠
(
ゆきごめ
)
といつて、
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
で
一夜
(
いちや
)
の
内
(
うち
)
に
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
身
(
み
)
にしむ
寒
(
さぶ
)
さは
降
(
ふり
)
かゝりての
後
(
のち
)
ならで
知
(
し
)
れぬ
事
(
こと
)
なり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
当年は雪
遅
(
おそ
)
く冬至に成候ても
駅中
(
えきちゆう
)
の雪一尺にたらず、此
日次
(
ひなみ
)
にては今年は小雪ならんと諸人一統悦び居候所に廿四日(十一月なり)
黄昏
(
たそがれ
)
より
降
(
ふり
)
いだし
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その
紅
(
あか
)
いのが映りそうなのに、藤色の緒の重い厚ぼったい
駒下駄
(
こまげた
)
、泥まみれなのを、弱々と内輪に揃えて、
股
(
また
)
を一つ
捩
(
よじ
)
った姿で、
降
(
ふり
)
しきる雨の待合所の片隅に、腰を掛けていたのである。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
屹度
(
きつと
)
車
(
くるま
)
今少
(
いますこ
)
しの
御辛防
(
ごしんばう
)
と
引
(
ひ
)
く
手
(
て
)
も
引
(
ひ
)
かるゝ
手
(
て
)
も
氷
(
こほ
)
りつくやうなり
嬉
(
うれ
)
しやと
近
(
ちか
)
づいて
見
(
み
)
ればさても
破
(
やぶ
)
れ
車
(
ぐるま
)
モシと
聲
(
こゑ
)
はかけしが
後退
(
あとじ
)
さりする
送
(
おく
)
りの
女中
(
ぢよちゆう
)
ソツとお
高
(
たか
)
の
袖引
(
そでひ
)
きてもう
少
(
すこ
)
し
參
(
まゐ
)
りませうあまりといへばと
跡
(
あと
)
は
小聲
(
こごゑ
)
なり
折
(
をり
)
しも
降
(
ふり
)
しきる
雪
(
ゆき
)
にお
高
(
たか
)
洋傘
(
かうもり
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此諸人の
気息
(
いき
)
正月三日の寒気ゆゑ
烟
(
けふり
)
のごとく
霧
(
きり
)
のごとく
照
(
てら
)
せる
神燈
(
じんとう
)
もこれが
為
(
ため
)
に
暗
(
くら
)
く、人の
気息
(
いき
)
屋根うらに
露
(
つゆ
)
となり雨のごとくに
降
(
ふり
)
、人気
破風
(
はふ
)
よりもれて雲の立のぼるが如し。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
しかも雪の中の十二月だ、
情
(
なさけ
)
ない事には熱くて口の渇く母親に、小さく堅めて雪を口へ入れたんだけれど、
降
(
ふり
)
たての雪はばさばさして歯に
軋
(
きし
)
むばかりで、
呼吸
(
いき
)
を湿らせるほどの
雫
(
しずく
)
にならない。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雨
(
あめ
)
しきりに
降
(
ふり
)
て
臥
(
ね
)
る
上
(
うへ
)
よりもり
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“降(不降)”の解説
不降(ふこう)は、夏朝の第11代帝。帝孔甲の父。弟は帝扃。『竹書紀年』によると、19年間在位した。即位後、6年目に九苑を討ったという。
第11代
(出典:Wikipedia)
降
常用漢字
小6
部首:⾩
10画
“降”を含む語句
降誕祭
昇降機
昇降口
天降
大降
降雪
降下
降雨
土砂降
昇降
降伏
下降
降灰
降参
降出
降積
降人
吹降
降魔
雨降
...