“ぶ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
43.4%
17.0%
5.4%
4.9%
4.7%
3.3%
3.1%
2.6%
1.9%
1.5%
1.2%
1.1%
1.0%
1.0%
0.6%
0.5%
0.5%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
三分0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
笹村には思っていることをあまり顔に出さないような深山の胸に横たわっている力強いあるものにかったような気がしていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼は一位の幕の隙間から、おずおずと外を覗いて見た。だが、安心したことには、そこには彼を見つめている一つの顔もなかった。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「知ってらあ! 知り過ぎてらあ! だから敲き壊してやるのさ。その、白狐だかなんだか、ころしてくれっから。糞垂稲荷め!」
或る部落の五つの話 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
武州川越在の千頭せんどう津右衛門といえば、碁打の間には全国的に名の知れた打ち手。名人上手に先二ならがあるという評判であった。
それが皆わざおぎの所作ではなくて、神の実在を信じたあるじりであったことは、ちょうど我々の盆の魂祭たままつりの後先ともよく似ている。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
胡麻塩の頤髯を悠々とし、威厳のある声音こわねで急所々々を、ピタピタ抑えてまくし立てた様子は、爽快と云ってよいほどであった。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
〔譯〕一歴史れきし、皆形迹けいせきつたへて、情實じやうじつ或は傳らず。史を讀む者は、須らく形迹にいて以て情實をたづね出だすことを要すべし。
そこで手ばなしでうつせになったり、あおのけになったり、しゃっちょこ立ちをしたり、足首あしくびでつかまってぶら下がったりするのです。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
百姓家は恐ろしく大きな草きの屋根を持っていて、その脊梁には鳶尾とんびに似た葉の植物が生えている。時々我々はお寺か社を見た。
十九年前蘇武に従って胡地こちに来た常恵じょうけいという者が漢使にって蘇武の生存を知らせ、このうそをもって救出すくいだすように教えたのであった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
藻掻いていると、確か女が来てから一週間目だったかと思う、朝からのビショビショりが昼過ても未だ止まない事があった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
家や田畑は、弟に取られるしな、食物もろくろく食わせらんし、なんぞ口答えすると、弟三人がよってたかって打擲ちょうちゃくするんじゃもの。
義民甚兵衛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
先刻さっきお勝手へ参りましただが、お澄さんが、まだ旦那方、御飯中で、失礼だと言わっしゃるものだで。」——「つぞ。出ろ。ここから一発はなしたろか。」
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
またその威光をおかしてまで、しつけに訊く者もなかった。うすうすのことは誰でも察していたのである。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「その上、果し合ひに卑怯なことの無かつたことを見屆けさせる爲に、生き證人として、下男の爲吉を隣の部屋に隱し、そつと一仔什しじふを覗かせて置いた」
が、の赤目のちぢれ毛の跛をったように生徒をったことを聞かぬ。或時には癇癪かんしゃくおこして持っている石筆をば、ストーブを目がけて投げ付けたことがある。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
気が附くと、お向ひの家の奥さんらしい方が、いつも坊ちやんとお遊びになる小さい女のお子さんをおんなすつて、門の内に立つてお出でになつた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
代助は其晩わざと雨戸あまどかずにた。用心と云ふ恐れがかれあたまには全くかつた。彼は洋燈ランプして、蚊帳かやなかひと寐転ねころびながら、くらい所から暗いそらかして見た。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
例の東風とうふうから参堂の上是非文芸上の御高話を伺いたいから御在宿を願うと云うれがあったので、朝から心待ちに待っていると先生なかなか来ないやね。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昔の支那人は「帰らなんいざ、田園まさせんとす」とか謡った。予はまだそれほど道情どうじょうを得た人間だとは思わない。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
笹村が時々ぷりぷりして、深山にかるようなことはめずらしくもなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
かけや割りに好きなおかずばかり食べるようなことをはじめるものだから、ご飯の時は、かならずそばでよく気をつけて、ゆっくりむこと、おかずをむらなく食べること
女中訓 (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
「オカシイデスヨ、奥サンガドコニモイラッシャラナイラシイデス」ト云ウノデ、敏子ガ捜スト、妻ハ風呂ニカッタママ浴槽ノ縁ニ両手ヲ掛ケ、ソノ上ニ顔ヲセニシテねむッテイタ。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「とんだ惚気のろけだ。」苦笑が、藤吉の口を曲げた、「ここらあたりと狙って、ちょっと一本ちこんでみたんだが、おこよさんの口ぶりじゃあ、どうやら金の字だったようだのう。」
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形 (新字新仮名) / 林不忘(著)
何か悪いことでもして未決へでもち込まれているのではなかろうか。刑事の口吻くちぶりでは、オイそれと言って出て来られそうな様子も見えなかったが……。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
牛込築土うしごめつくど前の、此の大勝棟梁のうちへ出入りをする、一寸ちょっと使へる、岩次いわじと云つて、女房持、小児こどもの二人あるのが居た。飲む、買ふ、つ、道楽はすこしもないが、たゞ性来の釣好きであつた。
夜釣 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
未明に一人しの床をお離れになって妻戸をお押しあけになると、前庭の草木の露の一面に光っているのが、渡殿わたどののほうの入り口越しに見えた。縁の外へお出になって
源氏物語:42 まぼろし (新字新仮名) / 紫式部(著)
しかし、恥を知らぬ自堕落な連中が、どこまでもただ道楽を道楽として臆面おくめんもなく下等にばか話を吹聴ふいちょうし合っている時、一人ひとり沈黙を守るのは偽瞞ぎまんでもなければることでもない。
「打ちみたところ、眼ッかち、鼻べちゃ、藪にらみ、さては兎唇みつくち出歯の守、そろいそろった男が、ひょっとこ面を三百も、目刺しまがいに、並べたところは祭だが祭は祭でも血祭りだ」
猿飛佐助 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
ここの厩舎うまやひとやから、縄を解いて、放ってやった七郎というあの侍は、その後、主家の兵衛から、役に立たぬ不届き者と、家をも扶持ふちをも奪われて牢人となり、菰僧に落ちれていると聞いたが……。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多「じゃアうしても往くか、己此処まで来て敵もたずにあとへ引返すのか、なんだッて此の坊様はおっちばられて居たんだナア」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
母「別れエつれえたッておっぬじゃアなし、関取がに逢って敵いって目出度くけえって来たらえじゃアねえか」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
黒ちりめん三つ紋の羽織、紋は今日日きょうびとおなじ七位だった。そのあとで、女でも一寸一卜いっすんいちぶ位まで大きくなって、またあともどりしたのだ。
手拭と菓子籠の間へ、ヒラヒラと、はば一、二厘の、たけばかりの赤や青のピラピラのさがった楽屋簪がくやかんざしを十本ばかりはさんだのを、桟敷の中へ押入れるようにしていた。
私をつのこそまだいゝけれど、大きな聲をして古宮に聞えたら大變だと、あの時は本當にハラ/\しましたつけ。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
細君は五十嵐が腹を立てゝ物を擲げ附ける時や、長い骨々した腕でつ時はいつも斯ういふ態度で居る。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
水を入れたガラスばこがいくつも並んでいる。底に少しばかり砂を入れていろいろが植えてある。よく見ると小さな魚がその藻草の林間を逍遥しょうようしている。瑪瑙めのうで作ったような三分ぐらいの魚もある。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
パーク旅館の給仕と称する男から電話がかかった事から、見知らぬ男のために手足を縛られ、その上、猿轡まではめられて、五階の一室に監禁されたまでの一始終を語った。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
なあにれ、蜀黍もろこしつたときにや勘辨かんべんしめえとおもつたんだつけがお内儀かみさんにらツたから我慢がまんしたんだ、卯平うへいだらやりしてやんだ、いやれにや本當ほんたうられつとも
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
『何ア莫迦だつて? 家のごとかまねえで、毎日飲んでつて許りゐたら、高田の家ア奈何どうなるだべサ。そして万一捕縛おせえられでもしたら……』
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
だが、さけんで反応はんのうがなかったように、そのかいがとおく八ごうへ鳴りひびいていっても、外城そとじろさくから、こたえきの合わせがいが鳴ってこなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
追立おいたというのは、誰彼なしにみちをあるいている者をつかまえて、夫役ぶやくに使ったことをいうかと思われる。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しかしこゝよりほかのがれるところはない鉄砲てつぱうち殺されるかそれとも助かるか一かばちか○「南無妙法蓮華経なむめうほふれんげきやう」とお題目だいもくをとなへながら流れをのぞんで飛び込みました。
「僕は三四年前に、貴方あなた左様さう打ち明けなければならなかつたのです」と云つて、然としてくちぢた。三千代は急に手帛ハンケチかほからはなした。まぶたあかくなつたを突然代助のうへみはつて
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おぼえが悪いといっては、琵琶のばちで打たれ、節語ふしがたりに、東国なまりが抜けぬといっては、お手の中啓ちゅうけい(半開きの扇)を、このめしいの顔へつけられたり……
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふと下から人が見て居やしまいかと思って見下した時には自分は幾十尺という空中にら下っている気持がして、もう眼がくらんで何も見定みさだめが付かなかった。今更私は後悔したけれど、仕方がない。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
珈琲店キヤツフエに夜かしをして帰つて寝巻に着へようとする度、襯衣しやつの下から迄コンフエツチがほろほろとこぼれて部屋中に五しきの花を降らせた。しか巴里パリイで第一にさかんな祭は三月のミカレエムだと云ふ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
或る人がなかごう枳殻寺からたちでらの近所を通ると、紙の旗やむしろ旗を立てて、大勢が一団となり、ときの声を揚げ、米屋をこわして、勝手に米穀をさらって行く現場を見た。
その言ひ草がどうだらう——『さあ、そこにおとなしく坐つとるんだ。これからはフェルヂナンド王だなんて名乘ると、らしめのためにちのめされるぞ。』
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
地陰星 大虫 顧大嫂だいそう(顧のおばさん)
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かにかぶった手拭てぬぐいのため、瞳もかくれてしまいそうだったが、そのときひょいと彼の方を見あげ、すると、彼女のみひらかれたまぶた
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
私は彼の下にされていた私の体を、静かに外へ引きずり出した。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
在英中土宜法竜僧正から『曼荼羅私鈔』を受け読みかじると、塔中たっちゅう三十七尊を記せる内、阿閦あしゅく、宝生、無量寿、不空成就ふくうじょうじゅの四仏がまんの四菩薩を流出して大日如来を供養し(内四供養うちのしくよう
と、言うが早いか、どんぶりの水を口にもってゆかずに、一、二りの赤い熱頭にえあたまの上へ、こごんだまま、ザブッとぶっかけてしまった。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「うんにゃ。税務署にっけらへれば、罰金取らへる。っけらへなぃば、すっこすっこど萄酒どしゅむ。」
葡萄水 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
金五郎 心配するな、俺が水熊の婿になったら、お前にや給金の外にたンまりをやるから。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
「粟津の木曽殿で、大変でしたろう。なにしろこゝらは躑躅つゝじの咲くまでは、江戸の人の足みするところじゃありませんよ。」
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)