)” の例文
文明の器械は多く風流なる者にて歌に入りがたく候へども、もしこれを詠まんとならば他に趣味ある者を配合するの外無之候。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
またその威光をおかしてまで、しつけに訊く者もなかった。うすうすのことは誰でも察していたのである。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひどく意気な剣術のほうで、秋、銀杏の大樹の下に立って、パラパラと落ちてくる金扇きんせんの葉を、肘ひとつでことごとく横に払って、一つも身に受けないという……。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
この平和世界の始まりの記念塔としても、あのざまな沈没艦は観光客によろこばれているのです
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
第二の世界に動く人の影を見ると、大抵精なひげやしてゐる。あるものはそらを見てあるいてゐる。あるものはうつ向いてあるいてゐる。服装なりは必ずきたない。生計くらしは屹度貧乏である。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「よっぽどのきりょうか」
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
問「しつけに申すなれば、先将軍というお方は、何せい、われらどもにはわからぬことだらけですが」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、折もあらば、彼の素姓を問い、その棒術についても深くただしてみたいと先刻さっきから考えていたが、武道のことと思うと、しつけに訊きかねて、つい折もなく歩きつづけていると
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
市史を見ると、明治初年ころの記載に「松林、東西二四〇間、南北一二三間」とあり、前からこんなきりょうな山ではなかったことがわかる。松、桜、つつじの名所であったという。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「かような路傍ろぼうにおいて、甚だしいしつけにはございまするが」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)