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歩
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ぶ
ふりがな文庫
“
歩
(
ぶ
)” の例文
此
(
こ
)
の一
歩
(
ぶ
)
に
身
(
み
)
のかはを
剥
(
は
)
がれたために
可惜
(
をし
)
や、お
春
(
はる
)
と
云
(
い
)
ふ
其
(
そ
)
の
娘
(
むすめ
)
は
繼母
(
まゝはゝ
)
のために
手酷
(
てひど
)
き
折檻
(
せつかん
)
を
受
(
う
)
けて、
身投
(
みな
)
げをしたが、
其
(
それ
)
も
後
(
のち
)
の
事
(
こと
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
武州川越在の
千頭
(
せんどう
)
津右衛門といえば、碁打の間には全国的に名の知れた打ち手。名人上手に先二なら
歩
(
ぶ
)
があるという評判であった。
明治開化 安吾捕物:08 その七 石の下
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「何うも僕は
歩
(
ぶ
)
が悪いです。橘高君も僕が今まで佐藤氏とばかり言って、量順さんと言わなかったのが悪いと言って責めるんです」
ロマンスと縁談
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
のみならず弁舌すずやかに、張繍のために、
歩
(
ぶ
)
のよいように談判に努めたので、曹操は、賈詡の人品にひとかたならず惚れこんでしまった。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さしあたり二
歩
(
ぶ
)
の金を貰って、千次はよろこんだ。彼は「済みません、済みません」を繰り返して、これからひと働きすると約束して別れた。
半七捕物帳:64 廻り灯籠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
内から呉れた金が一
歩
(
ぶ
)
もあったか、その
外
(
ほか
)
に
和蘭
(
オランダ
)
の字引の
訳鍵
(
やくけん
)
と云う本を
売
(
うっ
)
て、
掻集
(
かきあつ
)
めた所で二
歩
(
ぶ
)
二
朱
(
しゅ
)
か三朱しかない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
元来
(
がんらい
)
、次郎の勇気は学校との距離に反比例し、実家との距離に正比例することになっていたので、戦うならなるべく早い方が
歩
(
ぶ
)
がよかったのである。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
蔦芳の見た幽霊は、蔦芳が後で調べてみると、其処の女郎屋の
壮佼
(
わかいしゅ
)
であった。其の壮佼の
徳蔵
(
とくぞう
)
と云うのは、病気の親に送る金に困って客の金を一
歩
(
ぶ
)
盗んだ。
幽霊の衣裳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
粗末な木綿着のマンは、川岸にある二段
歩
(
ぶ
)
ほどの煙草畠にしゃがみ、しきりに落ちた古葉をさがして重ねる。ていねいに、皺をのばす。なれた手つきである。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
お
頼
(
たの
)
う
申
(
まう
)
します。坊「ドーレ。金「
何卒
(
どうぞ
)
これを。坊「ア、
成程
(
なるほど
)
、
難渋寺
(
なんじふじ
)
かへ、
宜
(
よろ
)
しい、
此方
(
こちら
)
へ。金「それで
此
(
この
)
並焼
(
なみやき
)
はお
幾
(
いく
)
らでげす。坊「
並焼
(
なみやき
)
は一
歩
(
ぶ
)
と二百だね。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もっとも、太郎から手紙で書いてよこしたように、これは特別な農作の場合で、毎年の収穫の例にはならない。二度目は、一反九畝九
歩
(
ぶ
)
ほどの田をあてがった。
分配
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
……なア、目ッ吉、仮に、象を
背負
(
しょ
)
って歩きながら里春を殺るとしたら、どいつがいちばん
歩
(
ぶ
)
がいいと思う
平賀源内捕物帳:山王祭の大像
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それなら初めより
歩
(
ぶ
)
がよくなった訳ですよ。あの時は我々は十九人に対する七人でした。またはそう思っていたのでしたが、あれではどうもやりきれませんからねえ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
寄附を頼みに来た弱味があるのだから
歩
(
ぶ
)
が悪い。「
喝
(
かつ
)
」とも何とも云わずに帰ってしまう。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「ヘエ——、大層溜めやがったもので、番太で駄菓子を売るよりは、よっぽど
歩
(
ぶ
)
がいいと見えますよ、へッへッへッ、——金は町内の旦那方が預かってありますが、なんなら——」
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それをどうして知ったか、毎年大阪の工場から、一人につき何円かの
歩
(
ぶ
)
をもらう募集員がきたり、または前に出た娘に手紙を書かせたりして、年ごろの者をたくさんに連れて行く。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
我ら両人
同盟
(
ひとつ
)
になり敵に当たろうではござらぬか。と云ってこれは
某
(
それがし
)
の方より無理にお願いするのではござらぬ。貴殿と
同盟
(
ひとつ
)
になることは
某
(
それがし
)
の方より見る時はむしろかえって
歩
(
ぶ
)
が悪いのじゃ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
三
反
(
たん
)
か四反
歩
(
ぶ
)
の、島特有の段々畠を耕作している農民もたくさんある。養鶏をしている者、養豚をしている者、鰯網をやっている者もある。複雑多岐でその生活を見ているだけでもなか/\面白い。
田舎から東京を見る
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
述
(
のべ
)
村方感應院と申す
山伏
(
やまぶし
)
が昨今
病死
(
びやうし
)
し其
弟子
(
でし
)
當
(
たう
)
十四歳なる者五ヶ年間
諸國修行
(
しよこくしゆぎやう
)
の願にて昨日出立につき村中よりせん
別
(
べつ
)
に
遣
(
つかは
)
したる金子は八兩貳
歩
(
ぶ
)
あり此品々も
跡々
(
あと/\
)
より
贈
(
おくり
)
し
物
(
もの
)
なり幼年にて
多分
(
たぶん
)
の金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ハハハ……、雲の上では、どうも俺の方に
歩
(
ぶ
)
がある様だね
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
て二
歩
(
ぶ
)
のこる、
金
(
かね
)
ゆへ
大事
(
だいじ
)
の
忠兵衛
(
ちゆうべえ
)
さ
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
弾圧がいやならとれといふ
歩
(
ぶ
)
増し
鶴彬全川柳
(新字旧仮名)
/
鶴彬
(著)
定めし、おやじの中将
綱誠
(
つなのぶ
)
や兄貴の
継友
(
つぐとも
)
もそのお仲間に交じッて、すこしでも尾張に
歩
(
ぶ
)
のいいような主張をしているのだろう。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
またその論争を聞く人々も自分の感情や意地にからんで手前流に判断するから、こうなると、助六に
歩
(
ぶ
)
がない。一同はワアワアと立ち上って
餅のタタリ
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
待ってたんだけれども、ちょいと
係合
(
かかりあい
)
で
歩
(
ぶ
)
に取られて出て来たんだ。
路
(
みち
)
は一筋だから大丈夫だとは思ったが、逢い違わなければ可いと思っての。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「一度にたんと借りたことはございません。せいぜい二
歩
(
ぶ
)
か三歩でしたが、それでもだんだんに元利が溜まってしまいまして、今では七、八両になって居ります」
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
事あれかしと待ち構えていたところに鈍刀の鞘を払ったのだから、御良人、甚だ
歩
(
ぶ
)
が悪かった。
女婿
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
また、区内の
戸毎
(
こごと
)
に命じて、半年に金一
歩
(
ぶ
)
を出ださしめ、貸金の利足に
合
(
がっ
)
して永続の
費
(
ついえ
)
に供せり。ただし半年一歩の出金は、その家に子ある者も子なき者も一様に出ださしむる法なり。
京都学校の記
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
おまんの言う地所の譲り渡しとは、旧本陣屋敷裏の地続きにあたる竹藪の一部と、青山家所有のある屋敷地二
畝
(
せ
)
六
歩
(
ぶ
)
とを隣家の伊之助に売却したのをさす。藪五両、地所二十五両である。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
監督に処女を捧げて
歩
(
ぶ
)
を増され
鶴彬全川柳
(新字旧仮名)
/
鶴彬
(著)
初
(
はじ
)
め村中も
倶々
(
とも/″\
)
勸
(
すゝ
)
めて止ざりけり
偖
(
さて
)
も寶澤は願ひの如き身となり
旅
(
たび
)
の
用意
(
ようい
)
もそこ/\に
營
(
いと
)
なみければ村中より
餞別
(
せんべつ
)
として百文二百文分に
應
(
おう
)
じて
贈
(
おく
)
られしに
塵
(
ちり
)
も
積
(
つも
)
りて山の
譬
(
たと
)
へ集りし金は都合八兩貳
歩
(
ぶ
)
とぞ成にける其外には
濱村
(
はまむら
)
ざしの
風呂敷
(
ふろしき
)
或は
柳庫裏
(
やなぎごり
)
笈笠
(
おひがさ
)
蜘
(
くも
)
の
巣
(
す
)
絞
(
しぼり
)
の
襦袢
(
じゆばん
)
など思々の
餞別
(
せんべつ
)
に支度は十分なれば寶澤は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
朝になってから鈴鹿峠を下って来る客を拾って帰ったほうが
歩
(
ぶ
)
がいいし、それにまた、なんともこう寒くてはもう一里も歩くのは辛いという。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嘉吉が、そこで、はい、
櫓
(
ろ
)
を握って、ぎっちらこ。幽霊船の
歩
(
ぶ
)
に取られたような顔つきで、
漕出
(
こぎだ
)
したげでござりますが、酒の
匂
(
におい
)
に我慢が出来ず……
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
父はそれを三
歩
(
ぶ
)
に買おうと言いますと、相手は大層よろこんで、いや三歩には及ばない、二歩で結構だというのを、父は無理にすすめて三歩に買うことにしました。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「決して、楽観をゆるしません。何といっても、曹操は曹操です。
如
(
し
)
かず、
歩
(
ぶ
)
のよいところで、和議をおはかりあっては」
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
話
(
はなし
)
は
別
(
べつ
)
にある……
色仕掛
(
いろじかけ
)
で、あはれな
娘
(
むすめ
)
の
身
(
み
)
の
皮
(
かは
)
を
剥
(
は
)
いだ
元二
(
げんじ
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
、
其
(
そ
)
の
袷
(
あはせ
)
に一
枚
(
まい
)
づゝ
帶
(
おび
)
を
添
(
そ
)
へて
質入
(
しちい
)
れにして、
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
つた
金子
(
きんす
)
一
歩
(
ぶ
)
としてある。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その工面が付かなければ二
歩
(
ぶ
)
でも三歩でもいいが、旗本屋敷の中小姓ではその取り分も知れている上に、暇さえあれば遊びあるいて無駄な小遣い銭をつかい尽くしている今の彼は
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
どこへ
需要
(
じゅよう
)
されてゆくのか、古道具屋の
塵
(
ちり
)
に
埋
(
うずま
)
ったまま永年一朱か一
歩
(
ぶ
)
でも買手のなかった鈍刀や
錆槍
(
さびやり
)
までが、またたく間に影を潜めてしまった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日雇
(
ひやとい
)
の賃銭を集めて、
家
(
うち
)
に帰ると親仁の酒の酌をして、
灸
(
きゅう
)
の
蓋
(
ふた
)
を取換えて、肩腰を
擦
(
さす
)
って、枕に就かせて、それから、
歩
(
ぶ
)
を取って、
各々
(
めいめい
)
、二階に三人、店に五人
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若い侍風の男ふたりが
這入
(
はい
)
つて来て、ひとりは銀一
歩
(
ぶ
)
を
銭
(
ぜに
)
に換へてくれと云ふので、善吉は、その云ふがまゝに両替へをして
遣
(
や
)
ると、男は
他
(
た
)
のひとりを見かへつて、笑ひながら云つた。
赤膏薬
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その金で当時の小田原の遊所に通っては「一
歩
(
ぶ
)
だからいい。一歩だから」と、ほかの事には一銭も
費
(
つか
)
わず、ちびちびとみんな運んでしまったそうである。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
騒ぐまいてや、やい、嘉吉、こう見た処で、二
歩
(
ぶ
)
と一両、貴様に
貸
(
かし
)
のない顔はないけれど、主人のものじゃ。
引負
(
ひきおい
)
をさせてまで、勘定を合わしょうなんど
因業
(
いんごう
)
な事は言わぬ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「山崎さん。たった二
歩
(
ぶ
)
じゃあしょうがねえ。なんとか助けておくんなせえ」
半七捕物帳:11 朝顔屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
けれど、収入の
歩
(
ぶ
)
が好ければ歩がよいで、彼らは決して、無限には働かない。むしろ小さな慾の足りるところで汗を惜しんで、あとは
懶惰
(
らんだ
)
を楽しみたがる。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
むやみに引き摺って、表の玄関の方まで連れ出して、わたしの手に一
歩
(
ぶ
)
の金を
半七捕物帳:46 十五夜御用心
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その伝説には、ちと気のどくな結果になるが、事実はどうも、一ノ谷城や逆落し談には、
歩
(
ぶ
)
がないようである。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なんでも毎日五六十人ぐらいは詰めかけるといいますから、随分
実入
(
みい
)
りがあることでしょう。祈祷料は
思召
(
おぼしめ
)
しなんですけれど、ひとりで二
歩
(
ぶ
)
三歩も納める奴があるそうですから、たいしたものです
半七捕物帳:26 女行者
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
(秀吉につけば、名分のうえで
歩
(
ぶ
)
が悪いし、信雄を
援
(
たす
)
ければ、名分は立つが、将来の望みはまず薄い)
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「三
歩
(
ぶ
)
だよ」
半七捕物帳:68 二人女房
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それだけに名分では
歩
(
ぶ
)
の悪いことを承知の秀吉は、是が非でも、彼を味方に加えねばと、きょうまでも、長秀の歓心を買うためには、百方手をつくしていたのである。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歩
常用漢字
小2
部首:⽌
8画
“歩”を含む語句
歩行
徒歩
行歩
歩廊
漫歩
散歩
歩調
御歩行
一歩
進歩
反歩
急歩
歩出
濶歩
歩哨
歩合
出歩行
十歩
速歩
歩板
...