)” の例文
の一のかはをがれたために可惜をしや、おはるむすめ繼母まゝはゝのために手酷てひど折檻せつかんけて、身投みなげをしたが、それのちこと
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
武州川越在の千頭せんどう津右衛門といえば、碁打の間には全国的に名の知れた打ち手。名人上手に先二ならがあるという評判であった。
「何うも僕はが悪いです。橘高君も僕が今まで佐藤氏とばかり言って、量順さんと言わなかったのが悪いと言って責めるんです」
ロマンスと縁談 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
のみならず弁舌すずやかに、張繍のために、のよいように談判に努めたので、曹操は、賈詡の人品にひとかたならず惚れこんでしまった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さしあたり二の金を貰って、千次はよろこんだ。彼は「済みません、済みません」を繰り返して、これからひと働きすると約束して別れた。
半七捕物帳:64 廻り灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
内から呉れた金が一もあったか、そのほか和蘭オランダの字引の訳鍵やくけんと云う本をうって、掻集かきあつめた所で二しゅか三朱しかない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
元来がんらい、次郎の勇気は学校との距離に反比例し、実家との距離に正比例することになっていたので、戦うならなるべく早い方ががよかったのである。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
蔦芳の見た幽霊は、蔦芳が後で調べてみると、其処の女郎屋の壮佼わかいしゅであった。其の壮佼の徳蔵とくぞうと云うのは、病気の親に送る金に困って客の金を一盗んだ。
幽霊の衣裳 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
粗末な木綿着のマンは、川岸にある二段ほどの煙草畠にしゃがみ、しきりに落ちた古葉をさがして重ねる。ていねいに、皺をのばす。なれた手つきである。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
たのまうします。坊「ドーレ。金「何卒どうぞこれを。坊「ア、成程なるほど難渋寺なんじふじかへ、よろしい、此方こちらへ。金「それでこの並焼なみやきはおいくらでげす。坊「並焼なみやきは一と二百だね。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
もっとも、太郎から手紙で書いてよこしたように、これは特別な農作の場合で、毎年の収穫の例にはならない。二度目は、一反九畝九ほどの田をあてがった。
分配 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
……なア、目ッ吉、仮に、象を背負しょって歩きながら里春を殺るとしたら、どいつがいちばんがいいと思う
それなら初めよりがよくなった訳ですよ。あの時は我々は十九人に対する七人でした。またはそう思っていたのでしたが、あれではどうもやりきれませんからねえ。
寄附を頼みに来た弱味があるのだからが悪い。「かつ」とも何とも云わずに帰ってしまう。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「ヘエ——、大層溜めやがったもので、番太で駄菓子を売るよりは、よっぽどがいいと見えますよ、へッへッへッ、——金は町内の旦那方が預かってありますが、なんなら——」
それをどうして知ったか、毎年大阪の工場から、一人につき何円かのをもらう募集員がきたり、または前に出た娘に手紙を書かせたりして、年ごろの者をたくさんに連れて行く。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
我ら両人同盟ひとつになり敵に当たろうではござらぬか。と云ってこれはそれがしの方より無理にお願いするのではござらぬ。貴殿と同盟ひとつになることはそれがしの方より見る時はむしろかえってが悪いのじゃ。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
たんか四反の、島特有の段々畠を耕作している農民もたくさんある。養鶏をしている者、養豚をしている者、鰯網をやっている者もある。複雑多岐でその生活を見ているだけでもなか/\面白い。
田舎から東京を見る (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
のべ村方感應院と申す山伏やまぶしが昨今病死びやうしし其弟子でしたう十四歳なる者五ヶ年間諸國修行しよこくしゆぎやうの願にて昨日出立につき村中よりせんべつつかはしたる金子は八兩貳あり此品々も跡々あと/\よりおくりものなり幼年にて多分たぶんの金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ハハハ……、雲の上では、どうも俺の方にがある様だね
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
 て二のこる、かねゆへ大事だいじ忠兵衛ちゆうべえ
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
弾圧がいやならとれといふ増し
鶴彬全川柳 (新字旧仮名) / 鶴彬(著)
定めし、おやじの中将綱誠つなのぶや兄貴の継友つぐとももそのお仲間に交じッて、すこしでも尾張にのいいような主張をしているのだろう。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
またその論争を聞く人々も自分の感情や意地にからんで手前流に判断するから、こうなると、助六にがない。一同はワアワアと立ち上って
餅のタタリ (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
待ってたんだけれども、ちょいと係合かかりあいに取られて出て来たんだ。みちは一筋だから大丈夫だとは思ったが、逢い違わなければ可いと思っての。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「一度にたんと借りたことはございません。せいぜい二か三歩でしたが、それでもだんだんに元利が溜まってしまいまして、今では七、八両になって居ります」
半七捕物帳:47 金の蝋燭 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
事あれかしと待ち構えていたところに鈍刀の鞘を払ったのだから、御良人、甚だが悪かった。
女婿 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
また、区内の戸毎こごとに命じて、半年に金一を出ださしめ、貸金の利足にがっして永続のついえに供せり。ただし半年一歩の出金は、その家に子ある者も子なき者も一様に出ださしむる法なり。
京都学校の記 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
おまんの言う地所の譲り渡しとは、旧本陣屋敷裏の地続きにあたる竹藪の一部と、青山家所有のある屋敷地二とを隣家の伊之助に売却したのをさす。藪五両、地所二十五両である。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
監督に処女を捧げてを増され
鶴彬全川柳 (新字旧仮名) / 鶴彬(著)
はじめ村中も倶々とも/″\すゝめて止ざりけりさても寶澤は願ひの如き身となりたび用意よういもそこ/\にいとなみければ村中より餞別せんべつとして百文二百文分におうじておくられしにちりつもりて山のたとへ集りし金は都合八兩貳とぞ成にける其外には濱村はまむらざしの風呂敷ふろしき或は柳庫裏やなぎごり笈笠おひがさくもしぼり襦袢じゆばんなど思々の餞別せんべつに支度は十分なれば寶澤は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
朝になってから鈴鹿峠を下って来る客を拾って帰ったほうががいいし、それにまた、なんともこう寒くてはもう一里も歩くのは辛いという。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
嘉吉が、そこで、はい、を握って、ぎっちらこ。幽霊船のに取られたような顔つきで、漕出こぎだしたげでござりますが、酒のにおいに我慢が出来ず……
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
父はそれを三に買おうと言いますと、相手は大層よろこんで、いや三歩には及ばない、二歩で結構だというのを、父は無理にすすめて三歩に買うことにしました。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「決して、楽観をゆるしません。何といっても、曹操は曹操です。かず、のよいところで、和議をおはかりあっては」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はなしべつにある……色仕掛いろじかけで、あはれなむすめかはいだ元二げんじやつあはせに一まいづゝおびへて質入しちいれにして、にぎつた金子きんすとしてある。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その工面が付かなければ二でも三歩でもいいが、旗本屋敷の中小姓ではその取り分も知れている上に、暇さえあれば遊びあるいて無駄な小遣い銭をつかい尽くしている今の彼は
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どこへ需要じゅようされてゆくのか、古道具屋のちりうずまったまま永年一朱か一でも買手のなかった鈍刀や錆槍さびやりまでが、またたく間に影を潜めてしまった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日雇ひやといの賃銭を集めて、うちに帰ると親仁の酒の酌をして、きゅうふたを取換えて、肩腰をさすって、枕に就かせて、それから、を取って、各々めいめい、二階に三人、店に五人
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若い侍風の男ふたりが這入はいつて来て、ひとりは銀一ぜにに換へてくれと云ふので、善吉は、その云ふがまゝに両替へをしてると、男はのひとりを見かへつて、笑ひながら云つた。
赤膏薬 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
その金で当時の小田原の遊所に通っては「一だからいい。一歩だから」と、ほかの事には一銭もつかわず、ちびちびとみんな運んでしまったそうである。
騒ぐまいてや、やい、嘉吉、こう見た処で、二と一両、貴様にかしのない顔はないけれど、主人のものじゃ。引負ひきおいをさせてまで、勘定を合わしょうなんど因業いんごうな事は言わぬ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「山崎さん。たった二じゃあしょうがねえ。なんとか助けておくんなせえ」
半七捕物帳:11 朝顔屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
けれど、収入のが好ければ歩がよいで、彼らは決して、無限には働かない。むしろ小さな慾の足りるところで汗を惜しんで、あとは懶惰らんだを楽しみたがる。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むやみに引き摺って、表の玄関の方まで連れ出して、わたしの手に一の金を
その伝説には、ちと気のどくな結果になるが、事実はどうも、一ノ谷城や逆落し談には、がないようである。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なんでも毎日五六十人ぐらいは詰めかけるといいますから、随分実入みいりがあることでしょう。祈祷料は思召おぼしめしなんですけれど、ひとりで二三歩も納める奴があるそうですから、たいしたものです
半七捕物帳:26 女行者 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
(秀吉につけば、名分のうえでが悪いし、信雄をたすければ、名分は立つが、将来の望みはまず薄い)
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「三だよ」
半七捕物帳:68 二人女房 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それだけに名分ではの悪いことを承知の秀吉は、是が非でも、彼を味方に加えねばと、きょうまでも、長秀の歓心を買うためには、百方手をつくしていたのである。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)