“蜘”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
くも85.7%
ぐも14.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
板塀の上に二三尺伸びている夾竹桃きょうちくとう木末うらには、くものいがかかっていて、それに夜露が真珠のように光っている。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そうなると男は女恋しさをいよいよ切に感じ出し、袖にかかるくもを払いながら、山吹の茂みのなかを掻き分けていった。
曠野 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
くもの巣にでも悩まされたように母が娘を振り離そうとするのを、スカルキャップを被った小柄な父は、読みかけていた新聞紙をかいやって鉄縁の眼鏡越しに驚いて眺めていた。
フランセスの顔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
小さな露の玉を瓔珞ようらくつらぬいたくもの糸が、枝から枝にだらりとさがって居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
臍があってその上にくもがぶら下って居るというのは分るかい。
煩悶 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
為作は平ぐものようにしていた頭をちょっとあげて、左脇に並んで坐っている源吉の横顔を見た。
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)