“ぐも”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蜘蛛48.4%
25.8%
16.1%
3.2%
3.2%
3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
燭台の灯火が大きく揺れ、壁上の陰影かげがその瞬間大蜘蛛ぐもの形を描き出したのは、月子の貪慾どんよくな心願を映し出したとも云われるのである。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ほの赤い、朝暁あさあぐもを仰いで、蔵六は、頭が、くらくらとなった。——どんと、牢格子に背中をもたせかけて
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うすぐもった、かぜさむ午後ごごのこと、この貧乏人びんぼうにん霊魂れいこんは、棺屋かんやまえをうろついていました。
町の真理 (新字新仮名) / 小川未明(著)
為作は平ぐものようにしていた頭をちょっとあげて、左脇に並んで坐っている源吉の横顔を見た。
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
この頃は朝夕が肌寒くなって、きょうも秋時雨あきしぐれと云いそうな薄ぐもりの日の八ツ半(午後三時)頃に、ふたりの男が富士裏の田圃路をさまよっていた。半七とその子分の亀吉である。
さよばひにが来ればたなぐもり雪は降り来ぬ、さぐもり雨は降り来ぬ、つ鳥、きぎすはとよむ、家つ鳥、かひも鳴く。
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)