微行しのびあるき)” の例文
名残なごりの尽きぬ会見はこれきりのことにさせたくないことではあるが、今日の六条院が恋の微行しのびあるきなどを続いて軽々しくあそばされるものでもないと思われた。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
熱心に薫香たきものの香をそでにつけて、院は日の暮れるのを待っておいでになった。そしてきわめて親しい人を四、五人だけおつれになり、昔の微行しのびあるきに用いられた簡単な網代車あじろぐるまでお出かけになった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)