“び”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
19.2%
15.1%
12.5%
12.5%
10.6%
6.8%
3.4%
3.0%
2.3%
1.9%
1.9%
1.5%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
0.4%
五尾0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひとはしるもの汽車きしやず、ぶものとりず、およぐものうをず、なるもの廂髮ひさしがみざるゆゑて、ちくらがをきとなすなかれ。
怪談会 序 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これをおきになった、おうさまは、ふかうれいにしずまれました。いつしかかがりえて、管弦かんげんんでしまったのでございます。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところが昔ながらのわがロシヤの国では、村道づたいに二十五里も馬車を走らせるとなると、きょうだってそう手っとり早くはいかない。
獄舎、白洲のあるこの役邸にも、中庭があり、ぬれ縁の外には、若楓わかかえでのみずみずしい梢に、夏近い新鮮なもれがそよいでいた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人々は、今は石のように身動きもせず、ジットリと汗ばむ手を握りしめて、さい穿うがって鮮かな、名探偵の推理に聴き入っていた。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「そいつは變だ、俺のところへ來たのは、九の狐が化けたやうな、凄い年増だ。——何か、恐ろしい行違ひがあるに違ひない」
そのほとんど狼の食いちらした白骨のごとき仮橋の上に、陰気な暗い提灯の一つに、ぼやりぼやりと小按摩がうごめいた。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ハアプ弾きの持つて居る美は丁度ちやうど今夜の空のやうなえとしたものであるなどと批判して思つたりなどもして居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
朝、まだ朝霧や紙屑がほの白い横浜はまの町を、二人きで波止場へ飛ばしてゆく四、五台を見る。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
有信はかくの如く志を遂げて、能く一家のもとゐを成したが、其「弟」に長左衛門と云ふものがあつた。遊惰にして財をし、しば/\謀書謀判のとがを犯し、兄有信をして賠償せしめた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「へい」と関市せきいちが、大あわてで取りだしてきた節巻ふしまきとうにくすねきのつるをかけた強弓ごうきゅう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この全身をパフの香気こうきに叩きこめられた少女等——、蠱惑こわくすると技術を知りながら、小学生にも劣る無智——。山鹿とはなんという恐ろしい教育をする男であろう。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「この番付を見ろ、ここに市川海老蔵と書いてあるこの文字の、海老えびという文字が違っている」
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
文子ぶんし、黄帝の言と称して曰く、「形、あれば、神、化さず。不化をもって化に乗じ、その変、無窮」と)(『弘明集ぐみょうしゅう』)
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「——先帝の名はなり。備は、そなうるなり、またそなうるを意味す。後主のいみなは禅にしてゆずるの意をもつ。すなわち禅り授くるなり。劉氏は久しからずしてまさに他へそなゆずるべし」
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
隣室となりには八畳間が二つ並んで、上下だだうちに、その晩はまた一組も客がないのです。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
首陽山にを採るは伯夷はくい叔斉しゅくせいが生活を保たんがためなり。箪食飄飲たんしひょういん顔回がんかいが生活を保たんがためなり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「さもあらば、蜀勢はまたようの二郡へ攻めかかるだろう。張郃、足下そっかはこの長安を守れ、われは郿城びじょうを固め、雍城ようじょうへは孫礼をやって防がせよう」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しめて、このたびも旧時の例にならい、我かならずようの二郡をうかがうであろうとなして、そこを防ぎ固めるにちがいない。……ゆえに我は、鉾を転じて陰平、武都ぶとの二郡を急襲せん
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
腕押しと学問とは道同じからずして相ともに謀るべからざるようなれども、世界の土地は広く、人間の交際は繁多にして、三、五尾ふな井中せいちゅうに日月を消するとは少しく趣を異にするものなり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
々として倦くことなく、すこぶる旅のおもいを慰められた。
欧米各国 政教日記 (新字新仮名) / 井上円了(著)
果して寤か、果して寐か、我是を疑ふ。深山しんざん夜に入りて籟あり、人間昼に於て声なき事多し。むる時人真に寤めず、寐る時往々にして至楽の境にあり。
富嶽の詩神を思ふ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
「うそ。大嘘、こつたらどこの何處がえゝツてか。どこば見たつてなんもなくて、たゞろくて、隣の家さぐつたつて、遠足みたえで、電氣も無えば、電信も無え、汽車まで見たことも無え——んで、みんな薄汚え恰好ばかりして、みんなごろつきで、……。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
恋慕流しのつれきてえしがねえ渡世で、へえ。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
昨日から夏きが始まって、部落の娘達は殆ど他村の製糸工場へ出掛けて行った。俄に村の中がガランとしたやうだ。
夏蚕時 (新字旧仮名) / 金田千鶴(著)
グリンデルワルト行きの乗り換えは九時発で、切符の買い替えに、初めて会員証を利用して、二割五分きの特典にあずかった。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
渭はの字が正しいであろう。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
赤っぽいもれがぼんやり往来を照らしているんだが、通りがかりに何げなくのぞいた文次は、そのままぴったりそこへとまってしまった。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
きをうぬが知恵のように書きちらすのさ、だいたい小説などというものは学問も見識もある人が書くから面白くもあり情も移るのだが
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それを昇は、あだかも自家うぬ一個ひとりの課長のように、課長々々とひけらかして、頼みもせぬに「一の力を仮してやろう、橋渡しをしてやろう」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
猫竹一ニ毛竹ニ作ル、浙ニ最モ多シ、幹ハ大ニシテ厚シ、葉ハ細ク小サクシテ他ノ竹ニ異ナリ、人取テ牌ニ編ミテ舟ヲ作り或ハ屋ヲ造ルニ皆可ナリ(漢文)
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
軽い加多児カタルで弱っている。少しずつ涼しい。誰からも手紙がない。別に何も考えなかった。何も書かなかった。(九、二二)