)” の例文
おのおの方、その番付の文字をよく御覧なさるがよい、その海老えびという字はという字だ、エビ蔵ではない。エド蔵だ。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「この番付を見ろ、ここに市川海老蔵と書いてあるこの文字の、海老えびという文字が違っている」
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
持って来た番付を押開いて、高く掲げて看客かんきゃくに警告したのは大いにき目があって、すべての看客がおのおの携帯の番付を照らし合わせて見ると、なるほど、の違いがある。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
米友様、よくあののぼりの文字をごらん、市川海老蔵えびぞう——と誰が眼にも、ちょっとはそう読めるだろう。ちょっと見れば市川海老蔵だが、よくよく見ると、海老のという字がになっていらあ。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)