“そよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ソヨ
語句割合
79.9%
9.0%
4.5%
2.0%
1.0%
曾與0.5%
0.5%
0.5%
曾与0.5%
曾興0.5%
0.5%
素輿0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
瀬田せた長橋ながはし渡る人稀に、蘆荻ろてきいたずらに風にそよぐを見る。江心白帆の一つ二つ。浅きみぎわ簾様すだれようのもの立て廻せるはすなどりのわざなるべし。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
向ふの側にも柿の樹があツて、其には先ツぽの黄色になつた柿が枝もたわゝにツてゐた。柿の葉はかすかそよいで、チラ/\と日光ひかげが動く。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
後に負へる松杉の緑はうららかれたる空をしてそのいただきあたりてものうげにかかれる雲はねむるに似たり。そよとの風もあらぬに花はしきりに散りぬ。散る時にかろく舞ふをうぐひすは争ひて歌へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そよとも動かぬ楢林の中で、梢にこびりついている残葉の或一枚だけが、ブルブル震えているのがあった、同じ梢に並んでいる葉が、皆沈黙しているのに、この葉だけは烈しくふるえている
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
まろらにかほそよかぜの
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
伊丹屋の若旦那へ、ある事無い事き付けて、お舟さんとの間を割いたのは千三つ屋の文吉だ。私は文吉が憎かつた、お曾與そよも憎かつた。
「よし/\、いゝ心掛けだ、——ところで和助、——お前はお曾與そよを殺したに違ひあるまいが——何で殺した」
そよとのかぜもがなで、明放あけはなした背後うしろ肱掛窓ひぢかけまど振向ふりむいて、そでのブーンとくのをはらひながら、二階住にかいずみ主人あるじ唯吉たゞきちが、六でふやがてなかばにはびこる、自分じぶん影法師越かげぼふしごしにかして
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ざんげをはじめたそうですが、聴聞僧は、清浄の眉をそよともそよがすことなく、窓のそとの噴水を見ていて、ヴェルレエヌの泣きわめきつつ語りつづけるめんめんの犯罪史の、一瞬の切れ目に
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「親分、聞いて下さい。昨夜ゆうべ向柳原むこうやなぎわら十三屋とさやのお曾与そよが殺されましたよ」
「お舟、お曾興そよが殺されたことは聞いた筈だな」
こゝろよく汗の肌にすゞ吹けば蚊帳釣草の髭そよぎけり
長塚節歌集:3 下 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
孔明は素輿そよ(白木の輿)に乗って陣中を見まわり、常のごとく、黄巾こうきんをいただき白羽扇びゃくうせんを持ち、その出入を見るや、衆軍みな敬して、進止しんし軍礼、一のみだれも見ることができません、……実に
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)