曾與そよ)” の例文
伊丹屋の若旦那へ、ある事無い事き付けて、お舟さんとの間を割いたのは千三つ屋の文吉だ。私は文吉が憎かつた、お曾與そよも憎かつた。
「よし/\、いゝ心掛けだ、——ところで和助、——お前はお曾與そよを殺したに違ひあるまいが——何で殺した」
「その上兄の勘三郎は、お曾與そよと仲が良かつた。伊丹屋へ嫁に行く話の始まる前は、妹のお袖の友達でもあり、ツイ冗談の一つも言ひ合つた仲だといふから、どんな事がないとも限らない」