“ほのか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
79.2%
15.1%
髣髴3.8%
軽々1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
月はなかったけれど、星は降るように乱れ、そのほのかな光りで、崖の上からは、眼の下の海岸を歩く白服が、見えぬはずはなかった。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
戸叩く音はのちたゆまず響きたりしが、直行の裏口より出でてうかがひける時は、風吹荒ふきすさかどの梅の飛雪ひせつの如く乱点して、燈火のほのかに照す処その影は見えざるなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
我里は木曾の谷の、名に負ふ神坂みさかの村の、さかしき里にはあれど、見霽みはらしのよろしき里、美濃の山近江おうみの山、はろばろに見えくる里、恵那えなの山近くそびえて、胆吹山いぶきやま髣髴ほのかにも見ゆ。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こまやかに生茂おひしげれる庭の木々の軽々ほのかなる燥気いきれと、近きあたりに有りと有る花のかをりとを打雑うちまぜたる夏の初の大気は、はなはゆるく動きて、その間に旁午ぼうごする玄鳥つばくらの声ほがらかに、幾度いくたびか返してはつひに往きける跡の垣穂かきほ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)