“ほの”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホノ
語句割合
94.0%
4.5%
0.4%
微触0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あか染みた、こわい無精髭が顔中を覆い包んでいるが、鼻筋の正しい、どこか憔悴やつれたような中にも、りんとした気魄きはくほの見えているのだ。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ともすれば置き忘れたその青玉のひとみほのかなタナグラ人形の陰影かげから小さな玉虫の眼のやうに顫へて、絶えず移り気な私の心を気遣はしさうに熟視みつめる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
池はぎょくもて張りたらんやうに白く湿める水のに、静に魚のぬる聞こえて、瀲灔ちらちらと石燈籠の火の解くるも清々すがすがし。塀を隔てて江戸川べりの花の林樾こずえ一刷ひとはけに淡く、向河岸行く辻占売の声ほのかなり
巣鴨菊 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
たよたよとして微触ほのかなれども
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
その側から掻巻かいまきをかかげ、入り込もうとしている久米八は、さぞ自分が残した、ほのかみに眉をひそめることであろう。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
が、ときどき友達と酒でも酌んでいるような時に、思いがけずふいとそのほのかに見たきりの女の髪の具合などがおもかげに立って来たりした、……。
姨捨 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)